
開発・運営コストの高騰、激化するユーザー獲得競争、そしてプラットフォーム手数料の問題――。ゲーム業界を取り巻くビジネス環境が大きな転換点を迎える中、新たな収益の柱として「アプリ外課金」が急速に注目を集めています。
しかし、「導入のメリットは?」「どの決済事業者と組むべきか?」といった疑問を抱える事業者は少なくないでしょう。
今回GameBusiness.jpは、決済ビジネスのプロフェッショナルであるSBペイメントサービス株式会社で、ゲーム業界をはじめとする大手クライアントとのビジネスを牽引する第一営業本部 本部長の桑原 康弘氏に独占インタビューを実施。多くの事業者が同社を選ぶ理由、そして「アプリ外課金」を成功に導くための具体的なアプローチについて、深くお話を伺いました。
なお、来る8月27日(水)には、桑原氏が登壇し、今回のインタビューをより深く解説するセミナーが開催されます。本記事とあわせて、ぜひご注目ください。

――本日はよろしくお願いします。まず、桑原さんが管掌している第一営業本部の役割と、ゲーム業界との関わりについて教えてください。 桑原氏:よろしくお願いします。SBペイメントサービスには大きく2つの営業部門があり、私の第一営業本部は、主にナショナルクライアントをはじめとする大手企業様を直接担当する部隊です。業種を限定せず、ソフトバンクグループの法人営業部隊やパートナー企業様と連携しながら、様々な企業様の決済をサポートしています。その中に、ゲーム会社の皆様もいらっしゃいます。 ――ゲーム業界の決済は、いつ頃から手掛けられているのでしょうか。 桑原氏:当社はもともとデジタルコンテンツ系の事業者様とのお取り引きが多く、その流れでPCオンラインゲームの課金などは創業当初から手掛けていました。そしてここ数年、「アプリ外課金」という大きな潮流が目前に迫ってきた段階で、既存のお取引先をはじめとするゲーム会社の皆様にヒアリングを重ね、準備を進めてきました。2024年6月にスマホソフトウェア競争促進法(スマホ新法)の成立という追い風もあり、今、多くのご契約をいただいている状況です。 ――今、SBペイメントサービスでは、ゲーム業界をどれくらい重要な市場と位置づけていますか? 桑原氏:直近において、最優先で注力すべきの市場の一つと位置づけています。 とくに、「アプリ外課金」は、事業者様にとっても決済手段の多様化のメリットやマーケティングの自由度が大きいのはもちろん、我々にとっても大きなビジネスチャンスがあり、これまで培ってきたノウハウやサービスを提供できる――まさにwin-winの関係を築ける可能性がある市場だからこそ、最優先で取り組んでいます。 ――改めて、「アプリ外課金」の基本的な仕組みと、事業者が導入する具体的なメリットについて教えていただけますか。 桑原氏:アプリストアを提供するプラットフォーマーの仕組みを利用した課金が「アプリ内課金」です。ユーザーがガチャを回すためのゲーム内通貨を購入する際などに利用する一般的な仕組みですね。ユーザーの体験は分かりやすい一方、事業者様はプラットフォーマーに決済手数料を支払わなければなりません。 現状は、アプリ内から直接外部の決済へ誘導することは特定のアプリカテゴリを除き原則禁止となっていますが、スマホ新法の成立を背景に、アプリ外であるWebサイトのストアにユーザーを誘導し決済してもらうという動きが広がっています。例えば、ゲーム内のお知らせやSNSの公式アカウントで「Webストア限定でお得なパック販売中」といった告知をし、ユーザーをWebサイトへ誘導します。そこで購入されたアイテムやゲーム内通貨が、アプリ内のアカウントに反映される――これが「アプリ外課金」です。 2025年12月に、スマホ新法が施行されればアプリ内からWebストアへ直接リンクを設置できるようになる見込みで、さらにスムーズな導線が実現できます。 ――なるほど。そのうえで、導入するメリットは何でしょうか。 桑原氏:大きく3つあります。1つ目は「決済手段の多様化」です。これは非常にシンプルで、アプリ内課金の決済手段に限らずユーザーニーズに応える決済手段を提供できるようになります。これにより、例えば「クレジットカードを持っていない」「ポイント還元を活用したい」といったニーズに対応できるようになります。 2つ目は、「マーケティングの自由度」です。自社で決済環境を整えることで、ユーザー動向に応じた即時のマーケティング展開が可能になります。例えば「Webストアなら同じ価格でゲーム内通貨が20%増量」といったキャンペーンや、特定の決済手段(PayPayなど)と連携した独自のプロモーションも実施可能です。プラットフォームの規約に縛られず、柔軟で効果的な施策を打てるのは大きなメリットです。 そして3つ目が、「ユーザーとの直接的な関係構築」です。自社で決済情報を持つことで、ユーザーの購買行動を直接分析できます。これにより、よりパーソナライズされたアプローチやCRM(顧客関係管理)施策の展開が可能になり、LTV(顧客生涯価値)の向上に繋げることができます。 ――アプリ外課金に注目する決済事業者は他にもいますが、その中でSBペイメントサービスが選ばれる理由、強みはどこにあるのでしょうか。 桑原氏:大きく2つあると考えています。1つは、業界に先駆けて取り組んできたことによる「実績」と「ノウハウ」です。 数年前、まだ多くの事業者様が様子見をしていた段階から、人気の位置情報ゲームなどでアプリ外課金の導入実績を積み、安定稼働させてきました。この「問題なく運用できた」という事実が、他の事業者様にも安心感を与え、多くのご相談をいただくきっかけになったと感じています。現在多くのゲーム会社様とも取り組みを準備している段階です。 また、当社は単に決済システムを導入して終わり……ではありません。導入後の決済データを可視化し、「PayPayで支払う新規ユーザーが多いので、PayPayでのプロモーションを強化しましょう」「継続ユーザーはクレジットカードに移行しているので、そうしたユーザー向けの施策でLTVを最大化しましょう」といった形で、データに基づいた改善提案まで伴走します。こういった手厚いサポート体制も我々の強みです。 ――もう1つの強みは何でしょうか。 桑原氏:ソフトバンクグループならではの「総合力」です。これは他の決済代行会社にはない、我々だけのユニークな強みだと自負しています。 ソフトバンクグループならではの「総合力」です。これは他の決済代行会社にはない、我々だけのユニークな強みだと自負しています。 例えば、リアルな場でユーザーとの接点を持ちたいというゲーム会社様も少なくないと思いますが、我々は全国のソフトバンクショップという強力なチャネルを持っています。実際に、あるゲーム会社様と連携し、店舗でゲームコンテンツを使ったイベントを実施して集客のお手伝いをし、ゲームの利用やキャリアの契約に繋げるといったトライアルも行いました。 他にも、ソフトバンクユーザーやPayPayユーザーに向けたプロモーションの展開など、単なる決済の提供に留まらない、事業全体の成長を後押しするご提案が可能です。こうしたグループのアセットを活用した幅広い支援に、多くの事業者様が魅力を感じてくださっています。 ――アプリ外課金の導入を検討している事業者に向けて、メッセージをお願いします。 桑原氏:少しでもご興味があれば、まずは一度お声がけいただきたいです。 我々は事業者様に寄り添う提案を大切にしています。お話をお伺いした結果、「やはりアプリ内課金だけでいく」という判断をされることもあるでしょう。それでも全く問題ありません。まずはご相談いただくことで、現状と比較してどれだけのメリットが出るのか、シミュレーションをお見せすることもできます。 ――まだ事例が少なく、他社の動向を気にされている事業者も多いように感じます。 桑原氏:確かに「まだ分からないことが多いので、自社だけ目立ってしまうのは避けたい」というお考えの事業者様も多いかもしれません。ですが、先ほどもお話したとおり、名だたるゲーム会社様にアプリ外課金を導入いただいたり、水面下でローンチに向けて準備を進めたりしています。 我々の部隊は、業界が注目する数年前からこの領域にリソースを割き、ノウハウを蓄積してきました。成功も課題も、すべて把握しています。どうすればユーザーに受け入れられ、事業の成長に繋がるのか。その「うまいやり方」をアドバイスできるのは、我々だと自負しています。 二の足を踏んでいる事業者様こそ、ぜひ一度ご相談ください。 決済機能の提供に留まらず、データ分析からソフトバンクグループのアセットを活かしたリアルな販促支援まで、事業全体の成長にコミットするSBペイメントサービス。その”総合力”こそが、多くの大手ゲーム会社に選ばれる理由なのでしょう。 来る8月27日、秋葉原UDXにて開催されるGameBusiness.jpのセミナーでは、本インタビューに登場した桑原氏が自ら登壇し、記事では語りきれなかった、より具体的な事例や成功のポイントについて解説します。 オフライン開催ならではのQ&Aセッションや、登壇者・参加者と直接交流できる懇親会も予定されています。ゲームビジネスの未来を左右するこのテーマについて、キーパーソンの生の声を聞ける貴重な機会です。ぜひ、会場に足を運んでみてください。 セミナー名:アプリ外課金で手数料30%の壁を突破せよ!―ユーザーを巻き込む新たなマネタイズとマーケティング戦略 開催日時:2025年8月27日(水) 17:00~18:30(受付開始 16:45) 懇親会:同日 18:40~19:50 会場:UDX AKIHABARA SPACE カンファレンス(東京都千代田区外神田4-14-1) 開催形式:オフライン(リアル開催) 参加費:無料 主なプログラム: 17:00~18:30:特別セミナー セッション① 株式会社MOTTO 代表取締役 佐藤 基 氏 セッション② SBペイメントサービス株式会社 第一営業本部 本部長 桑原 康弘 氏 18:40~19:50 懇親会 主催:株式会社イード(GameBusiness.jp) 協賛:SBペイメントサービス株式会社 備考 1.事前申込制とさせていただきます。 2.応募者多数の場合、抽選を行う可能性がございます。 3.競合企業・個人・フリーアドレスでお申し込みの方、その他弊社の判断によりご参加をお断りする場合がございます。 ※セミナー内容は一部変更になる可能性がありますなぜ今、ゲーム業界に注力するのか
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8月27日(水)、秋葉原で直接話を聞けるチャンス
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