「eスポーツの進化」には“ストーリーテリング”が必要不可欠。Razerのグローバルeスポーツディレクターに競技シーン&製品トレンドについて直撃インタビュー | GameBusiness.jp

「eスポーツの進化」には“ストーリーテリング”が必要不可欠。Razerのグローバルeスポーツディレクターに競技シーン&製品トレンドについて直撃インタビュー

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「eスポーツの進化」には“ストーリーテリング”が必要不可欠。Razerのグローバルeスポーツディレクターに競技シーン&製品トレンドについて直撃インタビュー
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  • 「Razer | Tokyo Game Show 2025(YouTube)」より

世界的なゲーミングブランドである「Razer」は、グリーンカラーが燦然と輝くマウス、キーボード、その他アクセサリーでコアゲーマーにとってもおなじみです。

そしてRazerは、プロチームや選手との多様なパートナーシップを展開しています。同社が重視しているのは、「本物志向(Authenticity)」「お互いを尊重した関係づくり」「競技への情熱」という3つの信念です。日本では『ストリートファイター6』や『リーグ・オブ・レジェンド』、『VALORANT』などのタイトルが盛り上がっており、APAC地域全体でも、それぞれの文化やニーズに応じた支援が行われています。

Game*Sparkは、活況を呈する日本のeスポーツシーンやアジア全域での多様な取り組み、最新デバイストレンド、20年先を見据えたイノベーション構想まで、今回はRazerのジェフ・チャウ氏(以下、敬称略)にじっくりとお話を伺いました。

ジェフ・チャウ(Razerグローバルeスポーツ責任者) プロフィール

  • Razerのグローバルeスポーツマーケティングや戦略、パートナーシップを統括し、元プロ選手やアナリスト、チームビルダーとして10年以上の経験を持つ。

  • トップチームやFaker選手らとの大型コラボを主導し、世界各地でRazerブランドの影響力を拡大。

  • Immortals Gaming ClubやTSMで要職を歴任。TSMではHead of Esports and Marketingとして、ブラジルやインド市場への事業展開やLCSスロット売却も担当。

  • キャリア初期には『Vainglory』や『クラッシュ・ロワイヤル』などモバイルeスポーツの領域で活動し、世界大会優勝チーム運営や国際大会解説も経験。

「Razer」の信念、日本市場が持つ“情熱”とは

――世界中のプロチームや選手と協力する際、Razerが最も大切にしている価値観や姿勢についてお聞かせください。

チャウ 大きく分けて「3つ」の信念があります。1つめは「オーセンティシティ(Authenticity, 本物であること)」です。「プレイヤーの皆さんがRazerの製品に心から関心を持ってもらい、ゲームを楽しんでくださっているか」という点を何より重視しています。2つめは「お互いを尊重し合うパートナーシップの構築」です。一緒に取り組むチームや選手と信頼関係を築き、盛り上がりやストーリー性を大切にした関係を築くことが、結果として競技をより楽しむことにもつながると考えています。

――なるほど。

チャウ 3つめは、支援・協賛するプレイヤーが「競技への情熱を持っているか」という部分です。私たちは常に革新性を持ち、素晴らしい製品とサービスの提供を目指していますし、競技に強い情熱を持つプロゲーマーと長期的に取り組みたいと考えています。もちろん「競技で勝利すること」を目指していただきたいですが、中長期的な視点でeスポーツに向き合える方々とパートナーシップを築きたいとも考えています。

――世界各国でeスポーツの人気や文化に違いがある中、各地域ごとの取り組みや課題について、また日本やアジア太平洋地域マーケットへのアプローチもお聞かせください。

チャウ まず日本についてですが、ご存じの通りeスポーツ文化は非常に盛り上がっています。たとえば『ストリートファイター6』が大流行していますし、家庭用ゲーム機でゲームを楽しむ方も多いですよね。

PCだと『リーグ・オブ・レジェンド』も人気ですし、『VALORANT』も非常に盛り上がっており、観客数も10万人規模、ピーク時には23万人を超えることもあり、これはヨーロッパの“ティア1”シーンに匹敵するほどの数字だと感じています。日本のゲームファンの情熱は世界最高クラスだと思いますよ。

APAC(アジア太平洋地域)全体では、国やコミュニティごとに人気や文化が異なるため、それぞれに最適なマーケティングアセットを構築しています。日本ではFENNELとスポンサー契約を結んでいますし、他地域ではモバイルeスポーツチームや、韓国の『LoL』チームも支援しています。タイやベトナム、シンガポールでは『モバイルレジェンド: Bang Bang』などを対象に、地域のニーズに合わせてさまざまな取り組みを行っています。

――これからeスポーツがより一般層を取り込み競技人口を拡大するために、何が必要だとお考えですか。

チャウ eスポーツ市場は、近年大きく変化し、成熟しつつあると感じています。今後さらにメインストリームとして位置づけられるには「ストーリーテリング」が重要になるでしょう。

たとえば、ゲームをプレイする選手のバックグラウンドや生活スタイルなど、単なる競技成績や獲得賞金だけでなく、その人の素顔を伝えていく必要があると考えます。これまでは「勝敗数」などの短期的な成果や、投機的な視点からeスポーツを扱うことも多かったのですが、これからは長期的視点で「物語性のある情報発信」が不可欠です。

日本でも観客数は年々増えており、イベントも盛り上がっていますよね。国際的にも競技性が高く認められ、中韓ではプロスポーツとしても確立されていますし、ドイツでは非営利での認定も進んでいます。Faker選手とRazerの10周年記念イベントでは、コラボ製品や彼のキャリアについて直接語ってもらう場を設け、多くのファンと素晴らしいエピソードを分かち合えました。このようなストーリーテリングや、選手個々の魅力発信こそが、今後さらに重要になると考えています。

――現在ご注目されている「競技向けデバイス」や「デバイス開発技術」のトレンドについて教えてください。

チャウ:製品の特徴で最も重視しているのは「遅延の少なさ」「信頼性」です。当然イノベーションも重要で、ハードコアゲーマーの方々は反応速度やセンサーの精度といった細かな違いにも非常に敏感です。

また、バッテリー駆動時間や耐久性も非常に重視しています。たとえば近年のマウスの重量は10年前の約半分。FPSの普及を受けてマウスパッドも大型化し、軽量なデバイスが求められるようになりました。「Viper V3 Pro」はその代表格で、多くのプロFPS選手に支持されています。

また、ヘッドセットについては、プロゲーマー対象調査で「BlackShark」シリーズが最も人気でした。こちらは超低遅延(10ms)を実現していて、素早くチームメンバーとコミュニケーションを取れることで、プレイヤーを勝利に導けると考えています。快適な素材、最高峰のマイク音質など、競技現場の声にこたえる工夫を続けています。



――現体制になってから、Razerは2025年で20周年を迎えましたね。今からさらに20年後、Razerというブランドはどんな姿に成長していると想像されますか。

チャウ私たちは今後も「テクノロジー」と「イノベーション」を何より大切にし続けます。積極的な企業買収、イマーシブなゲーム体験の拡張なども進めてきましたが、これからは優れたパフォーマンスと体験価値を両立させる発展が、さらに進んでいくと考えています。モバイルやウェアラブル、インターハプティクスなど、ゲーム体験の形も変化していくでしょう。

また、AIを用いたプレイヤーコーチングやサポートにも注力しており、今後はAIを通じたコアファンの増加や競技人口拡大も見込んでいます。クリエイティブな発想やコミュニティのイノベーションもさらに重視し、多様なユーザー層へ最高の製品を届けていきたいと考えています。

――本日はありがとうございました!


競技的なゲームに向けたデバイス販売にとどまらず、「ゲーマー向けライフスタイルブランド」としても活躍するRazerは、2025年10月4日(土)から「Razer Autumn Big Specials '25」というセールキャンペーンを開催しています。

ゲーミングキーボード「Huntsman V3 Pro」シリーズ4製品や「Kitsune」、さらにゲーミングマウス「Razer Viper V3 Pro」が、10月10日(水)23時59分まで特別価格で購入可能。特に「Huntsman V3 Pro」シリーズは最大21%オフの価格となるので、Razerが送るゲーミングギアが気になる方はAmazon.co.jpのセール販売ページをチェックしてみましょう。


《キーボード打海@Game*Spark》

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