2026年7月22日から24日にかけて、パシフィコ横浜ノースとオンラインで「CEDEC 2026」がハイブリッド開催されました。
CEDECは、ゲームに関する技術や知識を共有する国内最大級のカンファレンス。現地会場内のスポンサー展示エリアでは、各社による展示が行われました。本稿では、出展ブースの中から、ミドルウェアやモニターなどゲーム開発者向けのソリューションや機材を提供する企業ブースのレポートをお届けします。
NeU(ニュー)

NeUは、東北大学と日立ハイテクによる脳科学カンパニーです。ブースでは、ゲーム/XR向けの超小型脳活動センサー「XB-01」が展示されていました。ウェアラブルな小型センサーをバンドで額に巻くようにして取り付けるだけで、脳の活動状態をリアルタイムで取得。そのデータをゲームやXRへ即反映できます。
ゲームやVRへの活用の一例としては、プレイヤーがプレイに集中することをトリガーに、敵の動きが遅くなったり自分の動きが速くなったりするなど、バトル系の漫画やアニメのような演出がパッドを介することなくリアルタイムで可能になるとのことでした。

株式会社NeU コーポレートサイト
日本HP(ヒューレット・パッカード)

「HP ZBook Fury 18 G1i」と「HP ZGX Nano G1n AI Station」が展示されていました。「HP ZBook Fury 18 G1i」はノートブックでデスクトップクラスのCPUを利用できるAIワークステーションで、「HP ZGX Nano G1n AI Station」は、これからのAI時代を見据えて設計された、コンパクトサイズのスパコンです。
ブースで話を聞いてみると、地下鉄のような通信環境が不安定になりやすいリモート環境であっても、通常のノートPCやデスクトップPCよりずっとスムーズな描画、処理が行われることが魅力のひとつであると紹介されました。コロナ禍が落ち着くと全国でリモートワークの普及が一段落し、従業員に再び出社させるような向きも出てきましたが、今回展示されているようなリモートワーク向けの機材のニーズは上がり続けているそうです。

日本HP コーポレートサイト
東陽テクニカ

ソースコードから3Dアセットまであらゆるファイル/アセットを一元的に管理する高速ソフトウェアバージョン管理ツール「Perforce P4」が展示されていました。独自のスキームによる高速データ転送が魅力のひとつで、アップロード/ダウンロードにかかる時間を大幅に短縮。その分、クリエイティブに集中できます。
また、Epic Gamesとの相互協力によりUnreal Engineとの相性がとてもよいのも特徴のひとつで、Epic Gamesも自社の環境に「Perforce P4」を採用しているほどです。ブースで話を聞いてみると、「大手ゲームメーカーはほぼ「Perforce P4」を導入してくれています。5ユーザー・20ワークスペースまでの環境であれば無料で利用できるので、インディーゲームなども、規模感に合わせて導入を検討していただければ」とのことでした。
「Perforce P4」公式サイト
EIZO

今年が初出展となるEIZOは、24.1型モニター「ColorEdge CG2400S」、27型モニター「ColorEdge CG2700X」、31.5型モニター「ColorEdge CS3200X」を展示していました。「ColorEdge」シリーズは生産時に工場で厳密な色調整を行っており、高度なキャリブレーション(校正・調整)技術で色味を正しく表示できます。
ブースで話を聞いてみると「ColorEdgeシリーズは、ゲーム開発者のみなさんからも高い評価をいただいているシリーズです。また、今回は弊社が開発中であるOLED(有機EL)モニターも参考出展させていただきました。有機ELであるだけに、液晶よりも黒を鮮やかに表示できます。近日中に続報をお届けできると思いますので、こちらにも注目していただければ幸いです」とのことでした。

EIZO コーポレートサイト
CRI・ミドルウェア

同社が展開するミドルウェアソリューション「CRIWARE」の中から、音声解析リップシンクミドルウェア「CRI LipSync Alive」、2Dアニメーション作成ツール「OPTPiX SpriteStudio」、統合型サウンドミドルウェア「CRI ADX」が展示されていました。
今回の出展・展示の見どころは利用者が拡大しているゲームエンジン「Godot(ゴドー)」用のプラグイン開発(Godotへの対応)であるとのこと。まずは「SpriteStudio」からGodotに対応させていく予定とのこと。一度Godotにインポートしたアセットもそのまますぐ再編集し、即エディター上に反映されるなど、使いやすいものになりそうです。ブースで話を聞いてみると、「Godotへの対応を通してインディーゲームの開発者・開発チームにもっとCRIWARE製品に親しんでもらいつつ、ゲームをよりリッチなものに仕上げていただければ。まずは“Godotで2DアニメーションをやるならSpriteStudio”と言っていただけるようになりたい」とのことでした。

CRI・ミドルウェア コーポレートサイト
シリコンスタジオ

高品質な映像表現をもたらす光学ポストエフェクトミドルウェア「YEBIS 4」、リアルタイムのグローバルイルミネーションを提供する汎用プラットフォームミドルウェア「Enlighten」、Unreal Engine対応の物理演算プラグイン「Silicon Studio Bone Dynamics」が展示されていました。
Bone Dynamicsは、裾の長い衣装などの“揺れモノ”に強いプラグインで、自然で破綻が少ない揺れ表現を追求。「キャラクターの足がスカートを貫通してしまう」というような破綻を解消しやすくなります。同プラグインは昨年の「CEDEC2025」開催時に発表され、今夏に開発現場からのフィードバックを反映しつつ、髪の滑らかな挙動に対応した最新バージョンをリリースする予定です。ブースでは、キャラクターの長い髪が、自身の体や服だけではなく、キャラが接触した障害物などにも応じて自然に動く様が確認できました。
ブースで話を聞いてみると、Bone Dynamicsは現状ではUnreal Engine用プラグインとなっていますが、ゆくゆくは他のエンジンへの拡張も検討していきたいとのことでした。
シリコンスタジオ コーポレートサイト
Epic Games Japan
ゲームエンジン

ゲームエンジンで世界No.1のシェアを誇る「Unreal Engine」を映像展示し、ブースを訪れた人に向けて、同エンジンのロゴがデザインされた白黒2色のTシャツを無料配布する大盤振る舞いを見せていました。
ブースで話を聞いてみると「Unreal Engineを使ってくださるみなさんから直接フィードバックを得られる機会は何度あっても貴重なものですので、非常にありがたいと思っています。今年は国産インディーゲームの『めっちゃカメレオン』が大ヒットしたことで、Unreal Engineに興味を持った学生の方もブースに来てくださいました」とコメント。また、同作がEOS(Epic Online Services)を採用していることから、Epic Gamesのソリューション全体への注目度が上がっていることを実感しているそうです。
最近はモバイルゲームやモバイル/PCのマルチプラットフォームでゲームのリリースを予定している開発者からも問い合わせがあり、モバイルゲーム開発者への訴求もより一層注力していきたいとのことでした。
Epic Games コーポレートサイト






