指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ | GameBusiness.jp

指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ

映像業界や防衛用途でも真価を発揮するゲームエンジンが、次世代モデル「Unreal Engine 5.8」と「Unreal Engine 6」を発表しました。

ゲーム開発 ゲームエンジン
指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ
  • 指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ
  • 指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ
  • 指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ
  • 指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ
  • 指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ
  • 指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ
  • 指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ
  • 指示をするだけでAIが理想の3D空間を構築する…タスクを大幅に削減する次世代「Unreal Engine」の凄さに息を飲んだ

Epic Gamesが開発するゲームエンジン「Unreal Engine」は、ゲームだけでなく、映像業界、自動車、防衛の分野などあらゆる場面で活躍しています。

その強みは3Dグラフィックの描画力。

3Dグラフィックをリアルタイムで表示するようなあらゆる場面で重宝されていますから、他業種からも多くのリクエストがEpic Gamesに届いているとのこと。たとえばゲーム業界の言葉で構築されたUIや単位を他業種でも直感的に理解できるよう変更するなど、より一般化することで扱いやすく進化し、その需要をますます高めています。

2026年6月に某所で開催された「Epic Gamesメディア向けラウンドテーブル」では、「Unreal Engine5.8」の最新アップデートや「Unreal Engine6」の最新情報などを紹介。ゲーム業界にとどまらないその動向を日本国内向けに発表しました。

AI時代に「Unreal Engine」がどのような進化を遂げるのか? その方向性が示す未来とは? 本稿では驚くべきビジョンについてレポートします。

自動で3Dの都市を構築

Epic Games Japanはこれまで、入場無料の公式大型イベント「Unreal Fest Tokyo」を通じて国内コミュニティー向けの情報提供をおこなってきました。しかしさらなる情報提供の場を設けるということで今回の「Epic Gamesメディア向けラウンドテーブル」を実施。最新情報として、2026年6月17日に配信された「State of Unreal 2026」の内容をプレゼンしました。

■登壇者(敬称略・登壇順)

  • 河﨑高之(Epic Games Japan 代表)

  • 篠山範明(Epic Games Japan カスタマーサクセスディレクター)

  • 稲城 聡(『鉄拳8』バンダイナムコスタジオ テクニカルディレクター)

Epic Games Japan代表・河﨑高之氏の挨拶を引き取る形で「State of Unreal 2026」の発表内容を紹介してくれたのは、Epic Games Japanカスタマーサクセスディレクターの篠山範明氏。まずは「Unreal Engine 5」最後のメジャーアップデートとなる「Unreal Engine5.8」からその代表的な新機能を紹介してくれました。

2026年6月17日にリリースされたばかりの「Unreal Engine5.8」では、高品質なグラフィックスをそのままに、パフォーマンスの向上やカクつきの解消などに重点を置いたアップデートを実施しました。その数なんと50~60項目。なかでも注目なのが、プレゼンで触れられた「MegaLights」「Lumen light」「MetaHuman Animator」の3つの新機能でした。

まず「MegaLights」とはリアルタイム照明の新機能。3D空間の照明といえば、これまではライトの数が増えれば増えるほど処理負荷が増大するという制約の中、ライティングアーティストが限られた数の照明を慎重に配置してその空間を演出してきました。しかし「MegaLights」では、負荷を増大することなく1000個ほどの照明を自由に設置することができるようになり、より華やかでリアルな空間を演出することが可能となりました。

▲「MegaLights」の説明カット。

それに付随し、光の反射や関節光などをリアルタイムで反映させる「Lumen」も、処理負荷を軽減しつつクオリティーを維持した新機能「Lumen light」を実装。これにより、処理負荷の問題で実装が難しかったプラットフォームでも、「Lumen light」が使用可能となりました。

またマーカーレス・モーションキャプチャープラグインの「MetaHuman Animator」も驚きの新要素です。これはあらかじめ収録したビデオ映像を取りこんで3Dのアニメーション映像を作るというもので、スーツを着用する必要もなければ収録場所も選ばず、会社の空きスペースで撮影したような映像からでも高品質な映像が出力されます。もちろんフェイシャルにも対応。パンチを繰り出すような素早い動作も問題なく処理可能でした。

▲「MetaHuman Animator」の使用例。

また「Unreal Engine5.8」では実験的機能としてUnreal Engine MCP(Model Context Protocol)を実装しました。MCPとはAIの基礎技術であるLLM(大規模言語モデル)と「Unreal Engine5.8」を繋ぐもので、「Google Gemini」や独自AIモデルで入力した指示を「Unreal Engine5.8」内で実行するものとなっています。

たとえばMCPでつないだAIに「窓際にソファを置いてほしい」と指示すると、「Unreal Engine5.8」のエディタ内にあるオブジェの中からソファを自動認識して窓際に配置してくれるというもの。「ここは読書部屋だよ」と指示をすれば、自動でランプや本も配置してくれます。もちろん手作業で微調整も可能です。

これまですべて手作業で行っていた作業を、ある意味で自動化したと言える新機能でした。

▲MCPで家具を配置するテストショット。

編集の規模は室内にとどまりません。街も大まかな定義をした後、どのような都市であるかを段階的に指示することで、アセットから自動で建物などを配置してくれます。そのほか照明やゲームロジックにも適用可能となっていて、照明を配置したり、フィールド内のギミックを構築したりして、あらゆるセクションで活用できるのが強みです。それらは一枚のフォトではなく編集可能なデータとして出力されますから、そこに至るまでの過程を自動化、あるいはAIが大幅にショートカットする形で作成してくれるというわけです。

▲都市構築ではまず大まかに全体図を描きます。

▲各地区の定義付けをします。

▲定義に従ってオブジェクトを配置。

▲最終完成形。数カ月かかっていたものが数日で完成しました。

また2027年リリース予定のMCP新機能では、一枚のイラストから3D空間を構築することも可能に。VFXなど映像向けの機能を想定しており、Nano BananaやGPT imageなど画像生成AIや動画生成AIと連携することで、より確度の高いビジュアルを作成することができるようになります。もう「イメージ通りのビジュアルが出力されるまで何度もトライする」に悩まされることはありません。

従来の画像生成ではとても長いプロンプトを打ち込み、そこから試行錯誤を繰り返してイメージに近いものを出力してきたかと思います。しかし「Unreal Engine」でラフの3Dモデルを作成後、プロンプトを併用することで、画角も部屋のイメージも損なうことなく即座に画像生成できるようになります。ラフとして描いた3Dの深度情報を使用しているため、より元イメージに近いビジュアルが出力されるというわけです。

▲「Unreal Engine」で構築したラフ。

▲ラフから生成した室内。猫は生成段階で紛れ込んだものです。

そのほかイメージの別パターンを試すツールとしても有効です。たとえば夕暮れのライティングを試したり、火事になった場合の室内を試してみたりと、本来は細部が異なって出力されてしまうところがほぼそのまま出力される、信頼性の高い機能となっています。

なお現在開発中の技術となり、実際は若干の矛盾が生じたりするものの、リリース時までには「リアルタイムかつ一貫性を保った処理」になるよう調整していくとのことでした。

▲左図が「Unreal Engine」によるラフ。右図が生成AIによるお試しイメージ。一瞬で様々なイメージが試せます。

「Unreal Engine6」はどうなる?

続いて「Unreal Engine6」開発計画のビジョンです。「Unreal Engine6」は2027年末に早期アクセス版をリリース後、6カ月から12か月後の正式リリースを目指して現在開発中の次世代ゲーム向け単一エンジンとなります。

「State of Unreal 2026」ではその概念部分の説明のみとなったため本プレゼンでも口頭の説明となりましたが、次世代ゲーム開発へとつながる3つのポイントをおもな取り組みとして紹介してくれました。

まず独自開発の次世代プログラミング言語「Verse」を実装することで、並列処理や同期処理を扱いやすくしたり、複数のゲームやワールドでの再利用をしやすくしたりします。第二に、実際に作成したコンテンツやコードを、ゲームエンジンの垣根を越えて使用することをめざします。

現在、『フォートナイト』の衣装を別のコンテンツでも使用できるよう専用のアプリを開発していますが、それはビジョンの一例でしかありません。ゆくゆくは、あらゆる成果物を別の環境でも使えるよう開発を進めているとのことで、いずれデジタル資産のエコシステムが完成するでしょう。それに付随し、「MetaHuman」も複数の環境で使えるような施策も進行中です。そして第三の指針はLLMなどを活用した制作の効率化です。これら3つの施策により「Unreal Engine6」は「Unreal Engine4」や「Unreal Engine5」とは異なるアプローチで大幅進化を目指します。

また「Unreal Engine6」は、「Unreal Engine5」と「Unreal Editor for Fortnite」を統合し、その点でもアプローチの異なるゲームエンジンになるとのこと。現在GitHubにてソースコードが公開中ですから、最新情報をいち早く知りたい方は、そこで日々の開発状況を確認してはいかがでしょうか。

なお「Unreal Engine 5.8」以降の公式リリースは予定していないものの、今後も必要に応じて検討していきます。基本機能である「アクター」や「グループユニット」は「Unreal Engine 6」でも使用可能になるので、「Unreal Engine 5」で開発したものも安心して「Unreal Engine 6」に移行できるそうです。

そのほかEpic Gamesはゲームに適したバージョン管理システム「Lore」をオープンソースにて発表しました。ゲームの膨大なデータを手軽に扱えるツールとして、そちらもイベント会場を大いに沸かせる発表となりました。

最後はバンダイナムコスタジオ・テクニカルディレクターの稲城聡氏にバトンタッチし、「Unreal Engine」の使用事例として、2024年リリースの3D対戦格闘ゲーム『鉄拳8』の紹介をしてくれました。

『鉄拳7』では内製ライブラリから「Unreal Engine」に切り替えましたが、『鉄拳8』でも引き続き「Unreal Engine」を使用。ただし『鉄拳8』の開発中に「Unreal Engine4」から「Unreal Engine5」へバージョンアップし、最終バージョンは「5.2.1」となりました。最先端のレンダリング技術を使用することでグラフィックを大幅進化させつつ、長年培ったプログラムを実行することで、『鉄拳7』のプレイフィールを大きく変えることなく『鉄拳8』を進化させたといいます。

クオリティアップの要因として大きかったのはシーケンサーと呼ばれる機能でした。『鉄拳7』では部分的に使用していましたが、『鉄拳8』ではワークフローを見直して用途を大幅に拡大。バトル中のみならず、キャラクターセレクトなどの演出でも活用しました。

『鉄拳』チームが「Unreal Engine」の今後に期待することは、高品質かつ安定したパフォーマンスのレンダリング表現など。本日発表があったMCPやVerseにも期待を寄せていました。

今年の「Unreal Fest Tokyo 2026」は11月3日から4日にかけて開催を予定されていますから、そこでどのような最新技術に出会えるかも楽しみです。

▲『鉄拳8』での「Unreal Engine」使用事例。

▲シーケンサーを活用したゲーム内演出。

▲『鉄拳』チームが「Unreal Engine」に期待することの一覧

▼イベント開催概要

<Unreal Fest Tokyo 2026>

■開催日 11月3日(火)~11月4日(水)
■会場  東京・有明 TFTホール西館
■入場料 無料

▼リンク

「Unreal Fest Tokyo 2026」公式サイト
https://www.unrealengine.com/events/unreal-fest-tokyo-2026?lang=ja

Epic Games公式サイト
https://www.epicgames.com/site/home?lang=ja

『鉄拳8』公式サイト
https://tk8.tekken-official.jp/


《気賀沢 昌志》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら