全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは | GameBusiness.jp
【9月末まで】 ゲーム開発者向けイベント「GTMF 2026」出展申込を受付中

全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは

全米1位のパズル、300万DLのポイ活、Steam新作――。三者三様の少人数チームを率いる3人のリーダーに、いま世界で戦うために必要な力を聞きました。

人材育成 キャリア
PR
全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは
  • 全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは
  • 全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは
  • 全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは
  • 全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは
  • 全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは
  • 全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは
  • 全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは
  • 全米1位のパズルゲームを生んだ会社には“売上目標”がない!?ゲーミンキャットに聞く「世界のトップを取れる開発者」 に求められるモノとは

ゲーミンキャットは、「もっと楽しいを創ろう」をビジョンに掲げ、フルリモート体制で日本から世界へカジュアルゲームを届ける開発会社です。2025年12月にはカジュアルパズル『Jigsolitaire』がApp Store・Google Play両ストアの無料ゲームランキングで全米1位を獲得し、世界25か国以上でも1位を達成。国内ではポイ活ゲームが累計300万ダウンロード・累計ポイント発行総額7,000万円を突破するなど国内外でヒットを出し続けています。また、2026年10月にはSteamにてインディーゲームスタジオHookedが開発するホラーアドベンチャーゲーム『Giggleland』をリリース。スマホアプリにとどまらず幅広い事業展開を続けています。

そんな同社の開発体制はユニークです。5人前後の少人数チームがそれぞれ独立し、企画から撤退判断までをリーダーが担う――その独立ぶりは徹底していて、今回の鼎談も「実は他のチームのことをよく知らない」という3人が、互いの手の内に驚き合いながら進みました。共通しているのは、一人ひとりがまるで独立した事業主のように考え、動いていること。三者三様の道を歩んできたリーダーたちに、日本にいながら海外に挑戦するためのスキルや環境について、キャリアの原点からたっぷりとお話を伺いました。

インタビュイープロフィール

写真左から原氏、小林氏、池田氏

原 龍真氏(チームリュウマ リーダー)

異業種で電子回路のエンジニアとして働く傍ら、個人でスマートフォンアプリを開発。ゲーミンキャットの前身であるマジカントに入社し、現在はポイ活アプリ「ねこ旅」などを手がける。

小林 太一氏(チームTa1 リーダー)

組み込みエンジニア、Web系受託開発を経て、ソーシャルゲームのサーバーサイド・クライアントエンジニアとして活動。その傍ら副業で個人開発した『TENKYU』が全米無料ゲームランキング1位を獲得。ゲーミンキャットでは『Jigsolitaire』を手がけ、2025年に全米無料ゲームランキング1位を達成した。

池田 純平氏(チーム池田 リーダー)

スタートアップを2度創業。起業関連書籍の出版や大学での起業講義の経験も持つ。一度ゲーミンキャットを離れて2度目の起業に挑戦した後に復帰し、現在はハイブリッドカジュアルの新作を開発中。

ゲーミンキャットの最新採用情報はこちら!

3人のリーダー、3つのチーム

――まずはお一人ずつ、自己紹介を兼ねてこれまでのキャリアを聞かせてください。振り返って、大きな転機は何だったのでしょう。

原 龍真氏(以下、敬称略):前身のマジカントに入る前は、電子回路の設計の仕事をメインにしていました。転機は、その傍らで個人的にアプリを作ってリリースしていたことですね。自分の好きなものを作って世に出す……というのを続けていて、そこからマジカントに入りました。今は自分のチームで、ゲームで遊んでポイントがもらえる「ポイ活ゲーム」をメインに作りつつ、グローバル向けのカジュアルなゲームも手がけています。

小林 太一氏(以下、敬称略):僕の場合、大きな転機は2つあります。1つ目はゲーム業界に入ったことです。もともとはWeb系の受託開発をしていて、ゲーム業界にいたわけではないんですよ。2009年ごろ、ソーシャルゲームが流行り出したタイミングで受託開発を始めたのがきっかけです。ただ、受託としては利益が出ているのに、自分の作ったゲームが世の中に全然通用していない感覚があって……。そういう思いもあって、ソーシャルゲームを自社で開発している会社に移りました。

2つ目は、前身のマジカントに入ったことです。ソーシャルゲーム、スマホゲームを作る中で、エンジニアとしてプランナーに「もっとこんなゲームの方が面白くない?」と意見を出す機会も多かったんです。でも、それって裏付けのない、ただの感想になっている気がして。ちょうどサーバーサイドからクライアントに転向したばかりで、社内の独自フレームワークだけでなくUnityも触って視野を広げたかったので、自分でも作ろうと個人制作を始めました。そうして作った『TENKYU』が、ハイパーカジュアルの流行期と重なってVoodooからパブリッシングされ、全米1位を取ることができた。それがきっかけで、代表の林(宣多氏)に声をかけてもらいました。

ゲーミンキャットになってからは『Jigsort Puzzles』が好調で、次の『Room Sort』が全米8位。そして『Jigsolitaire』で全米1位を取ることができました。

池田 純平氏(以下、敬称略):僕は新卒半年で会社を辞めてスタートアップを創業しました。ゲームとは関係のないアプリサービスの会社でしたが、売上が立たず、「売上を作らないと死ぬ」という状況で、当時流行っていたカジュアルゲームを作り始めたのがゲームの仕事の入り口です。幸いメンバーにゲームの適性がある人が多く、最終的にその事業を売却するところまで持っていけました。

その後は紆余曲折あって悩んでいた時に「うちに来たらどうですか」と誘われてマジカントに入社し、『Moshquito!』を筆頭に4タイトルを手がけました(パブリッシングはLion Studios)。

ゲーミンキャットになった後、今度はWeb3のスタートアップをやろうと一度独立したんですが、これはうまくいかず……。ゲーミンキャットから出資も受けていたので、「出資してもらった分は返そう」と戻ってきて、今に至ります。

現在はハイブリッドカジュアル――ハイパーカジュアルほど軽くはないけれど、1本の大作ほど重くもないゲームを開発しています。1年ちょっと作り続けて、ようやく出せそうだというところまで来ました。

――ところで、皆さんご自身は普段からゲームを遊ばれるんですか。競合調査以外で。

原:競合のモバイルゲームは基本的に遊びますが、調査が終わった後も、面白いと思ったらそのまま続けてしまいますね。あとはPCゲームが好きで、ほぼ毎晩やっています(笑)。最近だと『ELDEN RING NIGHTREIGN』とか、先日は会社のメンバーと久しぶりに『モンスターハンターワイルズ』でワチャワチャしたり。『VALORANT』のようなFPSゲームも社内メンバーと遊んでたりします。

池田:僕も『NIGHTREIGN』は300時間くらいやってますね。あとは『スプラトゥーン』とか。

小林:僕はもともとゲームが好きなんですが、ゲームは「遊ぶもの」であって「作るもの」だとは思っていなかったんです。それが仕事になってからは、娯楽のためにゲームを遊ぶ、ということが減りました。ゲームを遊ぶより、ゲームを作っている方が楽しいんですよ。今はプライベートでも、遊ぶよりゲームを作っている時間の方がずっと長いです(笑)。

――カジュアルゲームの会社なのでライトなゲーマーが多いのかと思いましたが、コアゲーマーの集まりですね!

原:うちはフロム・ソフトウェアさんのゲームが大好きな人が多いんですよ(笑)。

――そんな皆さんのチームを、ひと言で表すとどんなチームでしょうか。

原:この質問、考えてみたら「他のチームとここが違います」と言えないくらい、お互いのチームのことを知らないんですよね。私はもともと小林さんのチームで働いていたので、スタイルとしては近いはずです。違いを挙げるなら、5人のチームで2~3本のプロジェクトが常に同時に走っていること。ポイ活はリリース済みのタイトルが8本ほどあって、さらに2本を新規開発しています。私が思いついたアイデアを試さずにいられない性分で、プロトタイプのつもりでリリースしたら数値が良くて本開発に進み、またタイトルが増える――その繰り返しでこうなりました。

小林:うちは、みんなでワイワイ作るチームです。メンバーの意見をちゃんともらいながら改善していくプロセスを大事にしています。

池田:うちは、自律して動ける人が集まっているチームですね。決まった時間があるのは週1回の定例くらいで、あとは各自に任せる。それで十分成立しています。

「売上目標を課されたことがない」でも大事にしている目標は

――企画の選定や開発の継続・撤退は、どこまでリーダーの判断なのでしょう。進め方やKPIは会社から与えられるのですか。

原:「こういうふうに進めましょう」「このKPIを目指しましょう」という話は一切なくて、基本的に全部チーム内で決めて進めています。

――売上目標のようなものは?

原:ないです。ヒットしそう、作りたいと思ったゲームを作ってます。

小林:(原に)言われたことないの?売上。

原:本当にないですね。「当年の売上はこれだけでした」といった話も一切ないので。あまりに聞かれないので、「現在の売上はこれくらいです」とこちらから勝手に報告しているくらいです。

池田:僕は元々自分で会社もやっていたから決算情報を見せてもらって、「今こういう状況だから、こちらで作っていくべきだな」というのを自分で判断しています。でも、ゲームの内容について何か言われたことは一度もないですね。

――広告宣伝費のような大きな支出の判断も、チーム側に?

小林:リリース後のUA(ユーザー獲得)やマネタイズは、UAチームに任せています。代表の林は攻め気が強くて、「行けるところまで行く」と、とにかく広告を踏むんですよ。こちらが「本当にこんなに広告を出して大丈夫か?」と心配になるくらい。でもUA担当がちゃんと利益の出る範囲でやってくれている。だから僕らは予算やお金の心配をあまり意識せずに、プロダクトを磨くことに集中できています。

――では、ヒットを生むために大切にしていることは。目標も自分たちで立てるわけですよね。

原:市場調査をして、「大体これくらいの数字が欲しい」と考えながら企画を組みます。ジャンルによって目標とするKPIは変えています。

小林:あえて違う意見を言うと、僕は数字から入るより「面白いことをやれたらいいんじゃない」という感覚なんです。もちろん市場調査はしっかりやっています。ただ、そこから逆算するだけだと、新しいゲームは生まれにくい。『Jigsort Puzzles』を作った頃、ジグソーパズルは古典ジャンルでしたし、『Room Sort』の間取り図のゲームも、データからは出てこない発想だと思います。だから最後に決めるのは「これは面白そうだし、作れそうだからやろう」と思えるかどうか。

池田:僕はゲームのジャンルによって収益の規模感はある程度決まってくると思っているので、「このジャンルならこれくらいの目標値が欲しい」と決めて、そこから「この段階ではこのKPIをクリアしてほしい」と各フェーズにブレイクダウンして見ていきます。

小林:3人ともやり方は違いますけど、それぞれが成り立っているのは、代表の林が「現場で考え抜いている人が一番わかっている」と、各リーダーの判断に任せてくれているからだと思います。

――本当にリーダーごとに考え方も進め方も色が違いますね。

三者三様の「勝ち方」――マスターデータまで書く人、作りながら変える人

――お三方はエンジニア出身、企画・プロデュース、実装からアートまで手がける方と、バックグラウンドが異なります。その違いは、企画の立ち上げ方やチームの動かし方にどう表れていますか。

池田:うちはほぼ僕しか企画を作っていません。だからこそ、すごくガチガチにロジックを立てるんです。「こういう理由でこういう形になるから、ヒットするはずだ」というところまで落とし込んで、「だからこれを作ってください」とお願いする形にしています。僕は実装もデザインもしないので、やってもらうからには確度を高くしたい。仕様書を書いた時点で、マスターデータまで作ってあったこともあります(笑)。

小林:うちと全然違いますね(笑)。僕は作りながらどんどん変えていくタイプなので、最初の企画から全く違うものになることもあります。だからこそ、みんなの意見をもらいながら一緒に改善していくんです。

原:私はたぶん2人の中間です。企画は途中で中身が変わるし、でもみんなで練り上げるというよりは、私が勝手に手を動かして「こんな感じになったけどどうですか」と軽くレビューしてもらう。機能別に仕様書を書いてタスクを切り、メンバーの手が止まらないように大量に積んでおく、という進め方です。

小林:僕と原さんは個人開発の出身で、自分で手を動かして作れてしまうタイプ。池田さんは企画に徹するスタイルで、そこが大きく違いますね。うちのチームの人が池田チームに行ったら面食らうと思います(笑)。

池田:チームメンバーを交換したら、大概混乱するでしょうね。

小林:転職くらいの感覚で(笑)。

――小さく作ってテストし、基準を満たせば続ける。その進め方の中で、継続と撤退の判断ラインには違いがありますか。

池田:僕は割とすぐ次に行くタイプなんですけど、その割には今回(作っているゲーム)は長いなと(笑)。ハイパーカジュアルと違って、ハイブリッドカジュアルはテストの数字が計測手法や獲得媒体によってかなり変わるんです。テストした翌日、継続率がある計測では高いのに、別の計測では全然出ない。「どれを信じればいいんだ」という判断のしづらさは感じています。

小林:僕は、これまでリリースしてきたゲームのKPIの積み上げと比べて判断しています。主に見ているのは獲得単価、プレイ時間、継続率ですね。過去の数字があるので「このゲーム性ならこれくらいは行くだろう」という感覚があって、それを大幅に下回っていたら開発を打ち切ります。ここは属人的になりやすい部分ですが、事業としては一番大事な判断だと思っています。

原:私はできるだけ早く撤退の判断をしたいとは思っています。ただ、作る過程でそのゲームを面白いと思っていたし、愛着も湧いているので粘りたくなるんですよね。複数プロジェクトが並行しているので、次のゲームに愛着が移って、このゲームへの興味が薄れたくらいのタイミングでもう一度数値を見直して、ポテンシャルがないと判断したら撤退するようにしています。

失敗も全部レポートにまとめていて、次の企画を考えるときの材料にしています。やってみないとわからない世界ではあるんですけど、やる前に「いけそうかどうか」の確度を上げていくことはできると思うので。

ゲーミンキャットの最新採用情報はこちら!AIとの向き合い方も三者三様?今の開発環境と世界トップを取るために必要なこと
《宮崎 紘輔》

タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

+ 続きを読む

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら