
『8番出口VR』や『SASUKE VR』を手がけるXRコンテンツスタジオのMyDearestは2026年10月16日、『Troll Escalator Tower』などを開発したRobloxゲームスタジオmozeの全株式を取得し、完全子会社化したと発表しました。
VRゲームの全世界累計プレイヤー数が300万人を突破しているMyDearestは、今回の買収を通じてRoblox・VR・PC(Steam)を横断したアルファ世代向けコンテンツの開発・運営体制を強化するとともに、法人向け支援事業の拡充を図ります。
北米アルファ世代を捉えるM&Aの背景
Roblox Corporationの発表によると、2026年第2四半期の『Roblox』の1日あたりの平均利用者数は、全世界で約1億2,300万人に達しています。MyDearestは、特に北米のアルファ世代にとって日常的な遊び場となり、ゲームカルチャーの土台として定着していると捉えています。
MyDearestも北米のアルファ世代に照準を合わせたゲーム開発を進めてきました。2026年3月の発表時点で、同社のVRゲームは全世界累計プレイヤー数300万人を突破し、その約7割を米国のユーザー(主にアルファ世代)が占めています。さらに、2025年9月に配信した『8番出口 for Roblox』も累計訪問数1,000万回を突破しました。
一方、『Roblox』で継続的にヒットを生み出すには、独自の開発環境への習熟に加え、リリース後のアップデートやコミュニティ運営のノウハウが欠かせません。また、VRゲームやPC(Steam)でも『Roblox』のトレンドに影響を受けたヒット作が登場しており、同プラットフォームへの理解は将来のゲームトレンドを掴むうえでも重要となっています。こうした背景から、開発・運営で豊富な実績を持つmozeの買収に至りました。
累計5,000万プレイ超、mozeの実績と新体制
2023年9月設立のmozeは、日本発のRobloxゲームスタジオです。『Troll Escalator Tower』など、累計2,000万プレイを超えるオリジナルタイトルを複数開発しています。
カルビーとの共同制作による『じゃがりこ かくれんぼ!キリンたちを探せ!』など、企業やIPホルダー向けのコンテンツ開発も手がけており、関与したコンテンツの累計プレイ数は5,000万回を突破。米国で毎年開催される公式開発者カンファレンス「Roblox Developers Conference(RDC)」にも計3回参加しています。
今回の完全子会社化に伴い、10月16日付でmozeの取締役CTOを務める松迫翔悟氏が代表取締役に就任しました。Robloxコンテンツスタジオ「moze studio」は松迫氏のもとで事業を継続します。一方、前代表取締役CEOの横井一隆氏は同日付で退任し、一定期間は事業の引き継ぎにあたります。
MyDearestは今後、mozeを吸収合併する予定です。なお、両社の既存顧客やパートナーへの提供内容に変更はありません。
Robloxの知見をVR・Steamにも展開、Moguraとの連携も
今回の買収により、MyDearestはBtoB・BtoCの両面で事業を拡大します。主な方針は以下の4点です。
企画から運営までの一貫支援:mozeの開発チームとMyDearestのIP運用・北米展開の知見を統合し、企業やIPホルダーの『Roblox』活用を支援
自社コンテンツの強化:アルファ世代に向け、自社IPを中心にRoblox・Steam・VRなど複数のプラットフォームでタイトルを展開
海外展開の強化:mozeの開発実績やRDCで培ったネットワークを活用し、北米をはじめとする海外市場への展開を強化
法人向け支援の拡充:2026年1月に経営統合したMoguraのカンファレンス「XR Kaigi」やコンサルティング事業「Mogura NEXT」と、Roblox開発を組み合わせた提案を実施
MyDearest代表取締役CEOの岸上健人氏は、Robloxのヒット傾向がVRゲームにも波及している点に言及。mozeの開発・運営ノウハウをRobloxだけでなく、VR/ARやSteam向けゲーム開発にも活用し、世界的なヒット作の創出を目指すとしています。






