後発でも勝機はある!過熱するハイパーカジュアルゲーム市場でドワンゴの『Draw Coliseum』がUSチャート3位になった理由 | GameBusiness.jp

後発でも勝機はある!過熱するハイパーカジュアルゲーム市場でドワンゴの『Draw Coliseum』がUSチャート3位になった理由

ハイパーカジュアルゲームに関する知見が全くない状態で、いかにして上位ランクインするゲームを開発することができたのか、同ジャンルにおいて後発組であっても戦える要因はどこにあったのでしょうか?

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後発でも勝機はある!過熱するハイパーカジュアルゲーム市場でドワンゴの『Draw Coliseum』がUSチャート3位になった理由
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小規模な予算や開発人数でも面白いゲームを作ることができ、広告収益でマネタイズを図りながら数億円の売り上げを叩き出すポテンシャルを秘めた「ハイパーカジュアルゲーム」のブームは2020年もゲーム業界のトレンドとなりました。同ジャンルのプレイヤー人口が全体の60%を占めるアメリカのUSチャートで上位にランクインする日本ゲームも増えましたが、やはり参入プレイヤーの増加から、レッドオーシャン化しつつあります。

今から参入しても遅いのでは……と二の足を踏んでいる開発者やパブリッシャーも少なくないことでしょう。しかし、ハイパーカジュアルゲームとは縁のない事業から新規事業として市場に挑戦したドワンゴは、2020年にローンチされたコマに刃を描いて戦わせるバトルゲーム『Draw Coliseum』でUSチャート3位にランクインする快挙を達成しました。


ハイパーカジュアルゲームに関する知見が全くない状態で、いかにして上位ランクインするゲームを開発することができたのか、同ジャンルにおいて後発組であっても戦える要因はどこにあったのでしょうか?

ドワンゴのハイパーカジュアルゲーム事業の責任者でマーケティングを統括する永山隆浩氏(営業本部アドテクノロジー部 部長)、開発チームのプロジェクトマネージャーで企画・開発を統括する峠岡真二郎氏(営業本部アドテクノロジー部HCG企画セクション マネージャー)、さらには開発初期の設計からユーザー獲得、データ分析、収益化をサポートしたAppLovinの片木智也氏に『Draw Coliseum』成功の裏側について詳しくお話を伺いました。


『Draw Coliseum』ヒットまでに1000本の企画があった


――早速ですが、どのような経緯でドワンゴがハイパーカジュアルゲームを開発することになったのでしょうか?

永山隆浩氏(以下、敬称略)我々現場からプロジェクト立ち上げを提案しました。元々私はアドテクノロジー領域の担当としてニコニコ動画の広告マネタイズに携わっていました。ここ数年、セミナーなどでインタースティシャル広告や動画リワードの事例を目にする機会が増え、そこで大きく収益化に成功しているのがハイパーカジュアルゲームでした。そこでニコニコ事業の中でゲーム関連サービスを担当していた峠岡に相談したところ、「是非チャレンジしましょう」と意気投合し、ハイパーカジュアルゲーム市場への参入を決めました。

――AppLovinには、どのタイミングで協力を仰ぎましたか?

永山プロジェクトチームが立ち上げる前から片木さん(AppLovinの片木智也氏)に相談していました。というのも、AppLovinさんにはニコニコ動画のマネタイズでお世話になっていたんです。広告によるマネタイズについては知見やノウハウがあったものの、ハイパーカジュアルゲームでは広告によるユーザー獲得も重要です。ですから、2019年10月の時点で片木さんに相談して、「ハイパーカジュアルゲームのビジネスモデルとは?」「成功させるにはどうやったらいいのか?」などのお話を聞きました。

――新規事業の立ち上げということで開発・運用組織についても伺いたいのですが、当初から各自が専任できる環境だったのでしょうか?また、『Draw Coliseum』を開発するまでにどのくらいの期間がかかり、何本くらいタイトルを開発してきましたか?

永山ハイパーカジュアルゲームへの参入は会社の承認も得られてチームは立ち上がったものの、開発自体は各自が通常業務と兼任して進めていました。『Draw Coliseum』のモック(プロトタイプ)が作られるまでは2ヶ月くらいかかりましたかね……。

しかし、それまでにも陽の目を見ないで終わったタイトルも多数ありました。2019年12月くらいからプロデューサー、ディレクター、デザイナー、エンジニアの4人ほどのチームで動き出しましたが、企画としては1000本、実際にモックまで作ったゲームは10本くらいあったはずです。

峠岡真二郎氏(以下、敬称略)企画500本くらいまではモック制作にも至らず、本当に最初のゲームを生み出すまでが大変でした。片木さんにも手応えありそうだと言われて最初に形になったのが、バーナーで調理してお客に料理を出すゲーム『Master Grill』です。USチャート50位くらいにランクインすることができ、そこでやっとハイパーカジュアルゲームの作り方がなんとなく掴めてきました。


――その中で、3作目に当たる『Draw Coliseum』がUSチャート3位にランクインした要因はどこにあったと分析していますか?

峠岡コマというモチーフの分かりやすさ、実際に絵を描くという触り心地の良さがマッチしたんだと思います。

永山それまでに社内で遊んだモックと比べても、頭ひとつ抜けていました。ただ、実は企画書の段階ではあまり面白そうではなかったんですよ(笑)。実際に形にして触れてみると、「シンプルに面白いじゃん!」とチーム内で盛り上がりました。

片木智也氏(以下、敬称略)そうですね。最初に企画が出た段階ではあまり高い温度感ではなかったと記憶しています(笑)。ただ実際にプロトタイプを見た段階では、ハイパーカジュアルゲームにおいて大事な要素であるパッと見た時の分かりやすさは非常にあると感じました

ハイパーカジュアルゲームは決してサイクルが早い市場ではない


――ある程度知見を溜めながら、2020年8月に『Draw Coliseum』のテスト版がリリースされました。その後、USチャート上位にランクインしたのは12月ということで、改良まで時間をかなりかけた印象を受けます。

片木ハイパーカジュアルゲームにおいては、繰り返しABテストを行いプロダクト改善することがすごく大事です。例えば、難しいステージパターンA簡単なステージパターンBを用意して、遊ぶユーザーを半分に分けます。その際にどちらのステージの方が離脱が少ないかプレイ回数が多くなるかなどの数値を見て、数字が良い方を選んでいくというような手法です。

なので、ローンチしてからデータを収集し、フィードバックを得ながらブラッシュアップを重ねる必要があるんです。まずはどれだけ多くのユーザーを獲得できる可能性があるか、加えてLTV(Life Time Value:顧客から生涯得られる収益)の2つの指標で見極めていきます。AppLovinでは、AppDiscoveryでのユーザー獲得から「MAX」という総合マネタイズツールによる収益の最大化まで、全体的にサポートしました。


峠岡ハイパーカジュアルゲームは、ゲームそのものの面白さはもちろんですが、ステージ数やプレイ方法によって、インストールしてくれたユーザーの離脱率が変動します。LTVをどれくらい担保できるのかを常に考えて改良しなければいけないんです。実際にハイパーカジュアルゲームに携わるまで、同ジャンルは開発からローンチ、次のタイトル開発に移行するまで非常にサイクルが短い印象があったので、意外な部分でした。

――テストでより良い結果を獲得するのに時間をかけたわけですが、時間をかけてもヒットする勝算はあったのでしょうか?

永山我々としても、テストを繰り返して改良していく段階まで持っていけたのは、『Draw Coliseum』が初めてだったので、結果的に時間はかかりましたが、無為に時間をかけているつもりはなかったです。

峠岡暗中模索の状態でしたね。社内でも「まだ出さないの?」と色んな方に言われたので、良い結果が出てホッとしています。

片木確かに通常のスピード感ですとテストを終えてリリースするまで2ヶ月ほどですが、ドワンゴさんはまだ慣れていない状態だったので、4ヶ月かかったのは仕方がないと思います。それに同じようなジャンルのゲームは当時ありませんでしたし、改良することでLTVの数値が着実に上がっていたので、時間をかける価値はあると思い、この方針を提案しました。

――その甲斐あって、USチャート3位という結果を出したわけですね。

片木もちろん、USチャート3位は分かりやすい結果なのですが、『Draw Coliseum』が素晴らしいのは、瞬間的にUSチャートの上位にランクインして終わることなく、その後も安定して上位ランクをキープしていることです。ハイパーカジュアルゲームのビジネスは、ゲームタイトルのサイクルが短い市場だと思われる方が多くいらっしゃるのですが、仮にUSチャートトップ10にランクインしても1ヶ月くらいでランキング圏外になってしまっては高い収益が望めないんです。最低でも半年~1年というスパンで長続きさせることが同ジャンルで成功できるかどうかを左右します。

永山サイクルが短い市場だと思っていたので、そういう意味ではこんなに長続きしてくれる市場で良かった気持ちがあります。『Draw Coliseum』は現在も毎週アップデートしていますし、LTVもその度に上がっていることに大きな価値があると思います。

泥臭く取り組む姿勢が良質な企画を生み出す


――ドワンゴとしては『Draw Coliseum』開発にあたって、AppLovinのどのサービスをよく活用しましたか?

永山ほぼ全てのサービスを活用させてもらっていますが、ユーザー獲得におけるクリエイティブ制作で、クリエイティブスタジオのSparkLabsには大変お世話になりました。最初のクリエイティブは私が作って、そこからも色々試したんですけど、上回る成果を出せずにいたんです。しかし、SparkLabsで作ってもらったクリエイティブを活用したところ、インストール数が約2倍に伸びました。


次にマネタイズ面では、先ほどもお話した「MAX」にも大変助けられています。インストールした日付を基準に、獲得したユーザーの動向を数字で見られるレポートがあるのが便利ですね。国ごとに1ユーザーあたりの収益と継続率を確認しながら、LTVを上げるために必要なコスト、それに付随するコンテンツのボリュームを調整していけるんです。

あとは広告の設定で非常に楽をさせてもらえたのが、「ROASキャンペーン」ですね。


片木ROASキャンペーンを活用すれば、広告費に対する収益率を表すROASの目標値を基準に、CPIを自動で最適化してくれます。世界各国のキャンペーンを手動で適切に運用することは不可能に近いので、売上の大きい一部の国のみでしか上手にキャンペーンを回せないケースが多かったのですが、ROASキャンペーンを活用することで、LTVが低い国で明らかにROASが合わない、逆にCPIが低すぎて全くユーザーが獲得できないなどの機会損失を防ぐことができます。それによって、北米など一部の国だけでなくより多くの国で収益を伸ばせるようになったと思います。

『Draw Coliseum』の場合も、それまでは売り上げの7割が北米でしたが、ROASキャンペーンをご利用いただいてからは、売り上げの6割以上を北米以外の国が占めるようになりました。

――ゲーム性と最適化された広告戦略で多くの国でマネタイズに成功しているわけですね。逆に片木さんは、ドワンゴさんがハイパーカジュアルゲーム市場で成功できた理由はどこにあると考えていますか?

片木やはり企画が大きいと思います。『Draw Coliseum』に関しては、実際に描いて遊ぶ系のゲームが流行り出すタイミングにリリースできたのがヒットの要因になったと思います。次にこういったジャンルのゲームが流行りそうだという研究を怠らなかったからこそ実現できたわけで、地道にやるべきことをやって企画を立ち上げられるのがドワンゴさんの強みではないでしょうか。

峠岡もちろん、他の会社さんも色々チャレンジされていると思いますが、我々は泥臭いです。ロジカルにやっている部分が非常に多くて、運を掴むために出来る限りのことをやっています。ハイパーカジュアルゲームは、単にゲーム性だけでなく、ユーザー獲得のためのクリエイティブ(動画やバナー広告)、さらにはユーザーの継続率といった様々なフィードバックを開発に取り込んで、開発とマーケティングが相乗効果を生み出せるアイディアを求められるのが面白いと感じています。まだ市場が新しいので色んなゲームを見て学べる楽しさがあります。可能性は無限大だと感じていて、この市場には宝物がたくさんあるので掘り当てたいですね

――レッドオーシャンとなりつつある市場ですが、まだまだ後発スタートでもチャンスがあるわけですね。最後に、この市場において成功する上で取り組むべきことを教えてください。

永山まだUSチャート1位を取っていないで、偉そうなことは言えませんが、「色々な方に聞くこと」だと思います。今振り返ると我々も、もっと聞いておけば良かったと反省する点は多いです。この状況なのでセミナーや業界交流などの場に赴いて、すでに開発しているゲーム会社に尋ねるのは難しいでしょうから、AppLovinさんのように既に知見やノウハウがたっぷり溜まっていて、なおかつ企画からマネタイズまでしっかりサポートしてくれる会社さんにも是非アドバイスを求めるといいと思います。我々もそうだったので分かるのですが、意外とその一歩を踏み出せないこともありますが、ためらわずにその歩みを進めてほしいですね。

また、後発だからこそ、成功例や失敗例を多く見ることができるという強みもあります。引け目を感じることはありませんし、ハイパーカジュアルゲームという市場の特性上、もっとたくさんのゲームがリリースされ、ヒットすることでまだまだ市場は大きくなっていきます。具体的な数字は出せませんが、今後も会社としてハイパーカジュアルゲームを事業として継続できる収益は既に出せているので、垰岡も話しているように、ぜひ一緒に宝物を掘り当てていきましょう!



AppLovinのサポートもありながら、泥臭くもロジカルな企画出しと、時流を掴んだゲームのリリースで後発組でもまだまだハイパーカジュアルゲーム市場で成功できることを示したドワンゴの今後の展開にも期待が高まります。

これからハイパーカジュアルゲーム市場に参入をしようと考えているデベロッパー、またもっと成功させたいと考える方は、永山氏のアドバイスにもあったように、一度AppLovinにハイパーカジュアルゲームについて「聞いて」みてはいかがでしょうか?

AppLovinでは、4月21日(水)14時よりウェビナー「収益を出し続けるアプリ開発~サステイナブルに成功するアプリの作り方~」を開催いたします!

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《乃木 章》

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