
女性向けゲームを得意とするcolyは、2026年1月期第1四半期(2025年2月1日~2025年4月30日)に2億円を超える営業赤字を計上しました。
ただし赤字幅は縮小しており、売上総利益率が急改善しています。これは2024年5月にリリースした『ブレイクマイケース』が好調なことに加え、主力タイトルの一つである『魔法使いの約束』のアニメ化により、モバイルオンラインゲーム事業およびメディア事業双方の売上が増加したためです。
今期一番の注目ポイントは大手協業案件のタイトルです。同社は今期中のリリースを発表しており、これを受けて株価は買いが先行しました。
2026年1月期1Qの売上総利益率は8.3ポイント改善
colyは2022年10月、大手エンターテインメント企業とのオリジナルオンラインゲームの開発で協業する契約を締結したと発表していました。現時点では協業先やタイトルの詳細、リリース日は未公表ですが、2026年1月期中のリリースに変更はないと明言されています。
株価は5月27日に1,499円の安値を記録しましたが、6月25日には1,876円の高値をつけ、7月15日現在は1800円前後で推移しています。colyは今期の通期業績予想を出しておらず、足元では赤字が続いています。大手協業案件がヒットすることに期待した買いが進んでいるのでしょう。今期中のリリースであれば、どんなに遅くても2026年1月には世に出ることになります。『ブレイクマイケース』の前例から予測するに、詳細情報の公開は7~8月ごろになるのではないでしょうか。
この情報の公開が株価を左右する分水嶺となりそうです。
ただし、colyは赤字ではあるものの収益性が改善しているため、それが株価に反映されているとも見ることができます。2026年1月期第1四半期の売上高は前期比39.1%増の12億5,300万円、営業損失は2億3,000万円(前年同期は4億9,800万円の営業損失)でした。売上高は急増し、赤字幅も縮小しています。

※決算説明資料より筆者作成
これまでのcolyは、主要タイトルの周年記念イベントが発生しない1Qの売上総利益率は下がる傾向にあり、2024年1月期1Qの売上総利益率は22.4%、2025年1月期1Qが30.1%でした。しかし、2026年1月期1Qは38.4%まで上昇しています。つまり、今期は収益性の安定化を図ることに成功したように見えるのです。