『ARC Raiders』販売15週で1,400万本突破、ネクソン今期1Qは3~4割の増収を予想【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

『ARC Raiders』販売15週で1,400万本突破、ネクソン今期1Qは3~4割の増収を予想【ゲーム企業の決算を読む】

力づよい成長フェーズへと移行しました。

企業動向 業績
『ARC Raiders』販売15週で1,400万本突破、ネクソン今期1Qは3~4割の増収を予想【ゲーム企業の決算を読む】
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ネクソンの『ARC Raiders』が発売から15週で累計販売本数1,400万本を突破しました。

北米と欧州での売れ行きが好調で、2025年12月期4Q単体(2025年10月1日~2025年12月31日)の同エリアの売上高は388億円を突破。ネクソンの北米・欧州エリアの四半期単体の売上は100億円以下から200億円に届かない範囲で推移していましたが、『ARC Raiders』によって急速に厚みをつけました。『ARC Raiders』は新たなヒットIPを創出しただけでなく、エリア分散も同時に達成する重要度の高いタイトルとなりました。

2026年12月期1Q(2026年1月1日~2026年3月31日)は下限でも3割の増収、2割の営業増益を予想。力づよい成長フェーズへと移行しました。

開発スタジオのCEOであるソダーランド氏をネクソンの会長に

『ARC Raiders』の開発会社はスウェーデンのストックホルムにあるネクソンの子会社Embark Studiosです。ネクソンは2019年に株式の過半数を取得し、その後保有比率を引き上げました。このゲームスタジオは『THE FINALS』を開発したことで有名。従業員数300人規模のスタジオでしたが、『ARC Raiders』の大ヒットによって人員獲得を急いでいる模様です。

Embark Studiosの創設者はパトリック・ソダーランド氏。ソダーランド氏はエレクトロニック・アーツ(EA)の経営幹部を務め、EAの子会社で『バトルフィールド』を開発したDICEのCEOとしても活躍しました。ソダーランド氏はネクソンがEmbark Studiosを子会社化した後も経営トップとして組織をまとめていました。

ネクソンはおよそ6年に渡ってEmbark Studiosの開発をサポートし、ソダーランド氏とも良好な関係を築きつつ、欧米地域での競争力を高めるという長年の計画を実現しました。

ネクソンはソダーランド氏を新たに設けたポジションである会長に任命したと2026年2月20日に発表しています。新たなポジションにて「ネクソンの長期戦略、クリエイティブ方針、並びにグローバルにおけるゲーム開発の在り方について幅広い権限」を持つと説明しており、特に欧米におけるネクソンの戦略構築で重要な役割を果たすことになるでしょう。

『MapleStory: Idle RPG』の全額返金対応で営業利益が予想に届かず

ネクソンの2025年12月期(2025年1月1日~2025年12月31日)の売上高は前期比6.5%増の4,751億円、営業利益は同0.1%減の1,240億円でした。


決算短信より筆者作成

ネクソンは2025年11月11日に通期業績予想の修正を行っており、売上高を下限で従来予想比4.7%増の4,673億円、営業利益を同11.6%増の1,385億円としていました。実際の営業利益は11月に上方修正した下限予想を下回っています。

これは主に、2025年12月期4Qにおける『ARC Raiders』の売上収益と営業利益のうち277億円を繰り延べたことと、『MapleStory: Idle RPG』の返金見積額を含んでいるため。返金については営業利益40億円を反映しました。

返金対応を実施するのは、特定の有料アイテムに対する設定値が誤って適用されるプログラム上の不具合が発生したためです。2026年1月28日(水)の発表によれば、プレイヤーや経営陣への通知なく不具合が修正されていた事実が判明したとのことです。購入アイテムの効果が想定を下回っているとのプレイヤーからの指摘で発覚したというものです。

3か月間に渡って支払われたすべての決済分を希望者に返金して対応すると説明しており、ユーザーを守る姿勢を鮮明にしました。一方、営業利益や純利益が修正した下限値に届かなかったことで、株主の期待を裏切る形に。ただし、ネクソンは11月に発表した年間配当を従来計画の30円から45円に引き上げる内容をそのまま変更せず踏襲しています。

日本の『ブル―アーカイブ』人気も減衰傾向に

2026年12月期1Q(2026年1月1日~2026年3月31日)の売上高は下限で前年同期間比32.1%増の1,504億円、営業利益は同23.0%増の511億円を予想しています。『アラド戦記』の大型アップデートに加え、『ARC Raiders』と既存タイトルの『マビノギモバイル』が業績に貢献しました。

返金対応をしているものの、『MapleStory: Idle RPG』も主要な業績貢献タイトルであり、1Qにおける韓国の売上は下限で586億円を計画中。前年同期間比で8.1%増という予想です。返金などの補償対応を行う一方で、主力エリアにおいては底堅く推移させています。

増収効果が大きいのが北米と欧州エリア。このエリアの1Qの売上は下限でも412億円。前年同期間のおよそ3.8倍です。ネクソンは稼ぎ頭の一つだった中国での成長力が鈍化しており、北米・欧州エリアの開拓は経営戦略上においても非常に大きな意味を持ちます。

一方、1Qにおける日本の売上は横ばいを予想。日本のヒットタイトルである『ブル―アーカイブ』もいよいよ減衰傾向が鮮明になっており、2025年12月期4Qのモバイルの売上高は9億。前年同期間比で43.2%も減少しました。『ARC Raiders』の貢献も薄く、PC/コンソール売上は前年同期間の1.4倍となる27億円。4Qトータルの売上高は前年同期間比1.2%増の36億円でした。

一部の地域やタイトルにおいて課題を残すものの、『ARC Raiders』の成功と新たな経営体制の構築により、ネクソンは今後、欧米をはじめとするグローバル市場での競争力をさらに高めていくと見込まれます。

《不破聡》

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