
2025年7月1日、大手PCゲームMod集積サイトであるNexus Modsは英国・EU圏在住者に対し年齢確認の義務付けと、アダルトコンテンツの取り扱いに関する変更を近日中に行うことを発表しました。
最大手Modサイトに年齢認証導入の流れ
Nexus Modsの発表によれば、英国のオンライン安全法とデジタルサービス法により「英国およびEU圏のすべてのユーザーに対しアダルトコンテンツを削除する」か、「アダルトコンテンツに年齢制限を設けポリシーを変更する」か選択しなければならないとしています。
Nexus ModsではアダルトコンテンツはMod文化の本質を為す部分であり、削除は考えていないとの判断から、今後英国およびEU圏在住のユーザーにとって、年齢認証が導入される見込みとなりました。なお、英国およびEU圏以外のユーザーについては今まで通り年齢認証は不要とのことです。
また、アダルトコンテンツとして今後Nexus Modsでは以下のような分類をしていくという見込みです。
Pornographic(ポルノ)
Extreme Violence(極端な暴力)
Harmful substances(有害物質)
Suicide(自殺)
Self-harm(自傷)
Depression(うつ)
Body stigma(身体へのスティグマ)
Eating disorders(摂食障害)
Swearing or Profanity(罵倒や卑猥な言葉)
Sexualised(性的)
今後各自のアカウントによって、これらの分類の表示・非表示が可能になるとのことです。
児童に対する性的虐待記録物の自動通報システムも導入へ
また、児童に対する性的虐待にあたるような違法なコンテンツに対しては自動検出機能が導入され、投稿者を自動的にBANするほか、警察への連絡も行われます。
この「児童に対する性的虐待にあたるような違法なコンテンツ」の判断については、(Nexusユーザーがアップロードした画像等が)イギリスの機関IWF(Internet Watch Foundation)が持つ児童への性的虐待の記録物(CSAM)のデータベースとの照合によりハッシュが一致した場合のことを指す、としています。
したがって、少なくとも現段階ではアップロードされたModの内容に応じた主観的な判断で通報が自動的に行われる、ということではなさそうです。
なお、未成年者にみえるキャラクターへの各種虐待の印象を持たせる画像などを紹介や内容に含むMod類は、その主観的な判断の是非はともかく以前からNexusより随時削除されています。


「法律を遵守しますし、遵守しなければなりません」創設者も各種制限の導入を支持
なお、今回のNexus Modsのこれらの変更については「創設者が管理から離れたからではないか?」という憶測も流れましたが、これらの変更を告知する記事にはNexus Mods創設者であるDark0ne氏もコメントを寄せています。
それによればこの変更は、近年EU圏ですでに導入され、今後間もなくほとんどの西側諸国でも同様の内容が導入されることになったオンライン上の児童安全に関する法律が原因であるとのこと。
氏は、Nexus Modsはアンダーグラウンドのサイトではないため、どのような内容であっても法律を遵守しなければならない立場であることを明確にしたうえで、
インターネットの進むべき方向や、世界中の政府がインターネットに対して課している規制の厳しさに、不安や怒りを感じるのは当然です。しかし、法律は法律であり、Nexus Modsは法律を遵守しますし、遵守しなければなりません
としました。
まだNexus Modsへの年齢認証は行われておらず、その方法についても詳細は明らかにされていませんが、今後ともNexus Modsをめぐる動きは騒動を呼びそうです。