ホロライブ運営のカバーはライセンス収入増で営業利益率を高められるか?【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

ホロライブ運営のカバーはライセンス収入増で営業利益率を高められるか?【ゲーム企業の決算を読む】

VTuberプロダクション『ホロライブ』を運営するカバーが収益力を高めています。

企業動向 業績
ホロライブ運営のカバーはライセンス収入増で営業利益率を高められるか?【ゲーム企業の決算を読む】
  • ホロライブ運営のカバーはライセンス収入増で営業利益率を高められるか?【ゲーム企業の決算を読む】
  • ホロライブ運営のカバーはライセンス収入増で営業利益率を高められるか?【ゲーム企業の決算を読む】
  • ホロライブ運営のカバーはライセンス収入増で営業利益率を高められるか?【ゲーム企業の決算を読む】
  • ホロライブ運営のカバーはライセンス収入増で営業利益率を高められるか?【ゲーム企業の決算を読む】

VTuberプロダクション「ホロライブ」を運営するカバーが収益力を高めています。

2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の売上高は、前年同期間比42.8%増の51億4,200万円、営業利益は同147.5%増の8億9,500万円でした。営業利益率は10.0%から17.4%へと7.4ポイント上昇しました。

カバーは営業利益率30.0%という長期目標を掲げています。同じくVTuber事業大手で、45.2%という脅威的な営業利益率を出したANYCOLORとの差は開いているものの、カバーは目標達成に向けて着実に歩みを進めています。


熱量の高いファンへの依存度が高いホロライブの弱点

カバーは2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の売上高を前期比29.9%増の265億6,200万円、営業利益を同36.1%増の46億5,000万円と予想しています。

2023年3月期(2022年4月1日~2024年3月31日)の売上高は204億5,100万円、第1四半期の売上高は36億100万円で、四半期の売上進捗率は17.6%。一方、今期は19.4%に達しており、前期と比べても好調な滑り出しを見せています。

決算説明資料より

カバーの6月末時点での在籍VTuber数は75名。四半期の収益は6,900万円でした。前年同期間比で30.2%増加しています。なお、「にじさんじ」運営のANYCOLORは7月末時点でのVTuber数は156名、四半期当たりの収益は35.7%増の5,700万円でした。カバーは少数精鋭でVTuber1人当たりの収益力が高いことが特徴です。

ANYCOLORの「にじさんじ」はライトユーザーが多い一方、「ホロライブ」は特に熱量の高いファンの支持を得ているといえます。そのため、カバーのEC販売は人気VTuberのアニバーサリーグッズが多くを占めており、抱き枕カバーやファッションアイテム、マグカップなどの受注生産による商品が中心ですが、これらは原価率が高くなりがち。

ライトファンが多い「にじさんじ」は、デジタルグッズやキーホルダー、缶バッジなど、原価率が低く大量生産しやすい商品が中心。それが営業利益率に大きな差が出ている一因になっています。

カバーはこれを経営課題だと捉えており、2022年12月23日から公式ブランドグッズ「hololive friends with u」を展開しました。このブランドからは、ライトファンに向けたぬいぐるみの販売などを行っています。

ただし、公式グッズのブランドを立ち上げただけで、ライトファン層の開拓はできません。ANYCOLORは既存のVTuberでユニット展開を強化し、ROF-MAOやVOLTACTIONで女性ファンを開拓しました。「にじさんじ」の女性ファン比率は1年で38%から65%を占めるまでになっています。

カバーは2023年7月にロサンゼルスで大型の現地ライブコンサートを実施するなどファン開拓を進めていますが、ANYCOLORと比較すると一歩遅れを取っているように見えます。

ライセンス収入に活路を見出す


《不破聡》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら