Gotcha Gotcha Gamesは、「RPGツクールシリーズ」最新作『RPGツクールU2U』を現在開発中です。Steamストアも公開されています。
本作では、新技術「P2D(Perspective 2D)」を採用。従来のツクールに近い感覚で、奥行きのある立体的な表現と美しいエフェクト機能を使用できます。マップは簡単に作ることも、細部にこだわることも可能で、過去の2Dアセットを再利用することもできます。
『ツクール』シリーズの歴史は古く、2026年でシリーズ登場からなんと34年目に。今回Game*Sparkでは、新作『RPGツクールU2U』も発売される「RPGツクールシリーズ」の歴史について、現役開発スタッフのお二人をお招きして、インタビューを実施しました。
歴史を追っていくことで進化していった「RPGツクールシリーズ」、そして最新作『RPGツクールU2U』にも連なる現在の、そしてこれからについて、お話をお聞きしました!
誰でもゲームを作れるという体験
今回インタビューに答えてくれたのは、『RPGツクールU2U』プロデューサー・Gotcha Gotcha Gamesの一之瀬裕之氏と、ツクール開発部のXアカウントの中の人でもあり『RPGツクールMZ』の開発や更新にも関わっているGotcha Gotcha Gamesの野口雄三氏。
一之瀬氏には、以前『RPGツクールU2U』のインタビューにも応じてもらっています。また、今回のインタビューではGotcha Gotcha Games広報の北島修一氏も参加してくれています。
※インタビューでは多数のタイトルが登場するため、初回以降の『RPGツクール』作品名は基本的にナンバリングでの表記になるのでご了承ください。
――本日はよろしくお願いいたします。今回は「RPGツクールシリーズ」の歴史を追う形でお話をお伺いさせてください。最初に、お二人が最初に触ったのはどのシリーズ作品でしょうか?自分はスーパーファミコンの『SUPER DANTE』でした。
野口氏:私も最初に触れたのは『SUPER DANTE』ですね。当時は小学4年生くらいで、その頃は“ゲームは遊ぶものであって、作るもの”というイメージ自体がなかったと思います。
そんなときにCMを見て、クラスで凄く盛り上がって、実際にソフトを友達に貸してもらったのが最初に触れたツクール体験ですね。小学生の感覚として「ゲームの裏側ってこうなっているんだ!」と思って、本当に何もかもが新鮮でした。
もちろん今考えるとデフォルメされたゲーム制作体験なのですが、当時は自らのストーリーやキャラクターを表現できること自体がすごいもので、私にとっての原体験になっていると思います。

一之瀬氏:僕も最初に触った作品は『SUPER DANTE』ですね。その頃すでにゲームの開発に携わっていたのですが、SFC自体が盛り上がっていたし、RPGというジャンルが「出せば売れる」時代でもありましたね。
そんな中で「RPGツクール」もSFCで出て、ゲーム開発者の中でも盛り上がっていました。『SUPER DANTE』が発売された1995年前後は『ドラゴンクエスト』に『ファイナルファンタジー』もあって、色々な名作を遊びながら、自分もゲームを作るという体験ができたのは、やっぱり革新的だったんじゃないかなと思います。
しかも、『SUPER DANTE』って当時では結構売れたんですよね。業界の方との話でよく出てくるのが、やはりSFCの『SUPER DANTE』の名前です。
――当時はどういうゲームを『SUPER DANTE』で作っていたかというのは、記憶に残っていますか?
野口氏:小学生だったから、説明書を読んで理解するのでもいっぱいいっぱいでしたね。だからちゃんとしたゲームは作れずに、ちょっとイベントを作ってみたり、戦闘を作ってみたりして、作品としては完成していなくて。主人公を最強にしたりはしました。
――先ほど野口さんも言われていましたが、当時はゲーム作りの裏側をなんとなく知った感じになれました。街に建物を作って、ドアに“建物内部を作っておいた別マップに移動するイベント”を配置したりして、「こうやってゲームは作られているのか!」と思ったり。
野口氏:今となっては常識の話ではあるんですけれど、当時は衝撃的でしたよね。容量を削減するために、1つのマップに複数の建物の内部を作ったりもしました。
それでゲームの裏側を知った感じになって、じゃあ『ドラゴンクエスト』もそうなってるのかな、と考えもしましたね。そういう想像力を働かせてくれるゲームとしても『RPGツクール』はすごい作品だと思います。
――当時の名作RPGを遊んで、「そのイベントを真似してみよう!」などと試しました。当時、すでにゲーム開発に携わられていた一之瀬さんの視点では、『RPGツクール』は画期的なものだったのでしょうか?
一之瀬氏:僕はその当時、オリジナルエンジンで他のRPGゲームを作っていました。同時期に『SUPER DANTE』が発売されて、それがいわゆる一般的なRPGの、基本的なロジックを備えていたと思いますし、やはり画期的だったと思います。
もちろんツクールの歴史という意味で、『SUPER DANTE』より前に出た『RPGツクールDANTE98』(1992年)のノウハウもあって、基礎となる部分をしっかり押さえていたということも大きかったのではと思いますね。

――当時もコンテストが開催されていて、雑誌では『ツクール』製RPGの紹介もされていましたよね。自分たちからするとゲームの完成なんて夢のまた夢、という世界で、すごい人もたくさんいるんだなと感じました。当時の体験から、現在は『ツクール』の現場で開発されている方もいるんでしょうか?
一之瀬氏:本人からちゃんと聞いているわけではないので、正確なことはわからないけれど、やっぱり売れた『SUPER DANTE』に触れて開発に入ってきた人もいると思います。それくらい、大きな存在の作品でしたからね。
繰り返しになりますが、その頃のRPGの盛り上がり方はやっぱりすごかったんです。その勢いは『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』が引っ張っていて、同じクオリティになるわけではないけれど、似たようなものを再現しようとできることもあって、ユーザーからは驚きつつも歓迎されたんじゃないかなと思います。
特に、当時って誰もがPCを所有しているわけではなかったので、スーパーファミコンでRPGを作れることが、とても盛り上がる要因になったんじゃないかなと思いますよ。
野口氏:当時はまだインターネットも普及しきっていませんでしたし、誰かにゲームを布教したかったらカセットを貸す、とかそういう時代でしたよね。貸し借りしてワイワイ盛り上がることも多かったけれど、ちゃんと『ツクール』で制作した作品を完結させた友人も記憶にないですね。
ゲームを作り上げるのは大変なんだな、というのを子供ながらに考えさせられたんでしょうか。作る楽しさと同時に難しさも教えてくれる作品だったんだと思います。
――もしかして、当時のロムやメモリーカードの中に、誰も知らない隠れた名作があるのかもしれませんね。








