新たな「RPGツクールシリーズ」と未来
――というわけで、一之瀬さんが現在開発しているシリーズ最新作『RPGツクールU2U』についてお話を聞かせてください。開発にあたり、コミュニティからの意見を取り入れたものもあるのでしょうか。
一之瀬氏:今作で導入される新機能「P2D(Perspective 2D)」に関しては、かなり実験的な側面もあり、コミュニティの意見よりも開発者としてのオリジナリティの方が大きいですね。
前回のインタビューでも話しましたが、新しい要素だけでなく“ツクールらしさ”としての遊びやすさ、作りやすさも追求しています。基本的なUIやUXは過去シリーズを引き継いでいるので、すでに『MZ』を使用している人も、違和感なく移行できるようになっていると思います。
これまで『MZ』で作ってきた感覚のまま、P2Dを使えば立体的な表現を実現できます。本体もUnityエディターをインストールしなくても起動するようになっています。Steamでも発売されるので、期待してほしいですね。

――公式Xが7月に投稿した映像では、浮島の表現もすごいなぁと感じました。
一之瀬氏:そうですね、被写界深度も設定できるので、遠景をぼかすといった表現も簡単にできるようになりますね。全体的な3D感を増すような設定も用意されているので、皆さんも発売されたら実際に手に取って試してみてください。
――野口さんは、『U2U』に直接関わってはいないんですよね?企画を見たり、実際に作られていく中で、どのような感想を持ちましたか?
野口氏:開発には参加していませんが、テストプレイさせていただいて、その中で感じたものをフィードバックしたりしています。
実際に触ってみて、3D表現をしているのに、これまでと同じように直感的に作れることに驚きました。積み木を積むみたいにポンポンポンってマップを作れるし、3Dだからこそ立体交差を簡単に作れることがすごいと思いましたね。
立体的なマップを簡単に設計できるので、個人的に好きなジャンルのシミュレーションRPGを作るのも面白そうだなと考えました。高い場所から相手を弓で攻撃するとか、そういうのをリッチに表現できたら絶対に楽しいですよね。
――実際に作ることはできるんでしょうか?
一之瀬氏:これはまだ明かせない情報も多いので、新情報の公開にご期待くださいという回答でお願いします(笑)
――自分もシミュレーションRPGが大好きなので期待しています(笑)。ちなみに、開発側として過去のツクールで今もゲームを作るということを、どのような意味合いとして捉えていますか?
一之瀬氏:海外で『XP』がヒットしたのは説明しましたが、マップの作り方とか、キャラクターが2.5頭身だったりとか、そういった独自性の高い部分も大きく受け入れられているんじゃないかと思います。
ゲームを作る上で、作りたいものとマッチしているというのは大切です。シリーズを愛してくれるのは嬉しいですが、その辺りは今後の課題でもありますね。
野口氏:国内外問わず、今でも『XP』や『2000』などで作品を作ってくれる方は多いですね。特に『2000』は革命的だったこともあって人気が根強く、Xで新作を作りました!と言ってくれる人もいます。
これはもちろん嬉しいことなんですが、一方で「もし『MZ』で作ってくれていたらどんな作品になったんだろう」と考えることもあります。もちろん『2000』で今後も作り続けるという人にも期待していますし、新しいツールも登場します。
実は『2000』のデータを『MZ』に変換するツールを弊社からリリースするんです。
※2026年9月4日に『RPGツクールMZ - 200x/MZコンバーター』がリリースされました!
――えっ、大ニュースじゃないですか!?
野口氏:基本的に自動変換したものが『MZ』上で動きます。これが世に出たら、少しインディーゲーム業界もざわつくんじゃないかなと思います。
――ざわつくどころか大騒動になりますよ!
野口氏:(笑)。今後は機能追加などもしていく予定なので、ご期待いただけたら嬉しいです。
――「RPGツクールシリーズ」の歴史を追う中で、まさしく歴史を繋ぐとんでもないニュースを聞かせていただきました。では、最後にお二人からメッセージをいただければと思います。
野口氏:「RPGツクールシリーズ」には、これまで1ユーザーとして楽しんできた立場で『MZ』から開発に参加しました。
だからこそ、私はユーザーと開発者としての2つの視点を持っていると考えています。皆さんが作ったゲームがSteamなどでリリースされて、大ヒットしたら個人開発者としては夢のような話ですし、求めていってほしいという気持ちもあります。
開発者としては、今後もツールやアップデートの開発を進めていくので、どんどん意見をいただければ嬉しいです。『MZ』もさらにブラッシュアップしていくので、今後も応援をよろしくお願いします!
一之瀬氏:『U2U』も近い内に世に出ることになるので、まずはしっかりと良いものを作って、ユーザーに伝わるものになればいいなと考えています。『MZ』から6年経ち、Steamでも販売される最新作になるので、ユーザーの皆さんの期待を裏切らないような作品を目指します。
で、本当に最後なんですが、今は生成AIの時代にもなってきて、スクリプトの作り方も変わってくると思います。今後はそこまで知識がなくても欲しいものが作れる時代になるのかもしれません。上手に技術を活かしながら、ツクールのコミュニティが大きく発展していけば、これもまた面白くなると思いますね。
――時代とともに進化してきたツクールの世界は、また新しい時代を迎えるのかもしれませんね。本日は本当にありがとうございました!
「RPGツクールシリーズ」最新作『RPGツクールU2U』は、まだまだ開発中。今後のリリースに向けて発表されていく新情報を楽しみに待ちながら、本稿で『RPGツクール』の歴史を垣間見てくださいね。
なお、8月28日よりSteamにてイベント「RPG Maker Special Sale 2026」が開催中です。
本イベントでは『MZ』が過去最高割引率の61%オフで販売されるほか、『ACTION GAME MAKER』も40%オフ。さらに、お得なバンドルや過去のシリーズ作品やDLC、ツクール製のゲームも対象となっています。



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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)










