
Larian Studiosでパブリッシングディレクターを務めるMichael Douse氏が、スクウェア・エニックスが発表したAI技術によるQA・デバッグ作業の70%自動化計画に苦言を呈しています。同氏は特にQA部門の重要性を主張し、「大規模に置き換え可能という考えは愚か」ともしています。
スクエニの野心的な計画に苦言
スクウェア・エニックスが11月6日に発表した中期経営計画進捗報告では、2027年末までにAI技術を活用してQA・デバッグ作業のうち70%を自動化するという野心的な計画が説明されていました。
海外メディアVGCがこの件を報じた記事に反応したのがMichael Douse氏。同氏はLarian Studiosにおいて『バルダーズ・ゲート3(Baldur's Gate 3)』のパブリッシングディレクターを務めたことなどで知られる人物です。
同氏は自身のXアカウントにて「QA部門はどの会社でも最もビデオゲームに関わっている人材です」とする苦言をため息混じりに投稿。AIや自動化といった技術が大規模ゲームのQAにおいては「明らかに不可欠な要素」と理解は示しつつ、「大規模に置き換え可能という考えは愚かです。彼らとの会話を置き換え可能と想定しているが、それは実際には不可能だからです」と説明しています。
さらに続くポストにて「QAは本来はエントリーレベルの仕事ではない」と前置きしつつ、QAの仕事が有能なリードデザイナーなどを生み出すための「業界への入り口」としても機能しているとの見解を示しています。
海外スタジオ閉鎖の計画も批判
Douse氏はまた別のポストにて、スクウェア・エニックスが海外スタジオ閉鎖を計画しているとの報道も引用。削減しようとしている金額は「AAAタイトルを開発する会社にとってはそれほど大きな金額でありません」と指摘し、「幹部の“レイオフ”は一体どこで行われているのでしょう?」と批判しています。
「少数の意思決定を行う経営陣を保護するコストで多数の先進的で現代的なリーダー達を育成・維持できるはずです」と主張する同氏は、開発現場のスタッフが打撃を受けることへの不満を重ねて表明しています。










