
一時停滞気味だったブシロードの業績が急回復しました。
2025年6月期(2024年7月1日~2025年6月30日)は2割の増収、営業利益は前期の5.5倍に急伸しました。トレーディングカードゲームの底堅い人気に加え、アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」と「BanG Dream! Ave Mujica」のヒットで、2025年4月の合同ライブイベントは「BanG Dream!(バンドリ!)」史上最大の観客動員数を記録。同作は2025年6月期における自社IPの売上トップに立ちました。
ただし、2026年6月期(2025年7月1日~2026年6月30日)は減収減益を予想しており、新たなヒットIPの創出が急務です。
「ホロライブ」のトレーディングカードが人気に
2025年6月期の売上高は前期比21.4%増の561億7,500万円、営業利益は5.5倍の48億6,800万円でした。営業利益率は8.7%。ブシロードはモバイルゲームの不振により、2024年6月期に『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!(スクフェス2)』など5タイトルのサービスを終了。『新テニスの王子様 RisingBeat』の運営をアピリッツに移管しました。
その際に一時的な費用が発生し、ゲームを展開するデジタルコンテンツユニットは25億円の赤字を出し、この期は7割を超える営業減益。営業利益率は2%を下回る水準まで低下しました。

※決算短信より筆者作成
ブシロードは2025年6月期の期初に通期売上高を前期比5.9%増の490億円、営業利益はおよそ2.3倍の20億円と予想していました。着地は計画を大幅に上回っています。
成長を下支えしているのが収益基盤のトレーディングカードゲームを扱うTCGユニット。売上高は前期比24.9%増の270億3,700万円でした。2024年6月期は「プロ野球カードゲーム ドリームオーダー」を発売し、広告費をかけて全国のローソン1万2000店舗で販売するなど力を入れていましたが、売れ行きは軟調。利益を圧迫する要因となりました。