
グリーホールディングスは11月6日、2026年6月期 第1四半期(2025年7月1日~9月30日)の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比1.4%減の127億6500万円と微減でしたが、営業利益は10億6800万円(前年同期は1億3300万円の営業損失)となり、黒字転換を達成しました。
事業セグメント別では、VTuber事業が過去最高の四半期営業利益を記録し業績を力強く牽引。一方、主力のゲーム事業は減収となったものの、収益性の改善により増益を確保し、堅調な結果となりました。
ゲーム事業:新規タイトルの反動減も、海外受託開発が利益に貢献
ゲーム事業の売上高は前年同期比14%減の75億円、営業利益は同32%増の7億8000万円となり、減収増益で着地しました。
売上高の減少は、主に前期にリリースした新規タイトル(『魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra』)の初期の盛り上がりの反動によるもので、決算説明会では「概ね想定通りの着地」と説明されました。
一方、営業利益は大幅に増加。海外の受託開発案件が底堅く利益に貢献したほか、既存タイトルの長期運営に向けたコストコントロールが奏功し、収益性を大きく改善しました。
今後の展望として、同社が強みとするRPGジャンルの開発エンジンとヒット実績を活かしたパイプラインが進行中であることが示されました。特に、「超大型他社IPタイトル(ライブサービスゲーム)の開発が進捗している」と言及されており、今後の大きな成長ドライバーとして期待されます。また、コンシューマ向けの新規RPGタイトルも開発中で、2026年6月期中のリリースを予定しています。
VTuber事業:過去最高の営業利益を達成、事業は新たな成長フェーズへ
今期より「メタバース事業」から名称変更されたVTuber事業は、売上高が前年同期比9%増の21億3000万円、営業利益は同142%増の3億5500万円と大幅な増益を達成し、過去最高の四半期営業利益を記録しました。
事業の中核をなすプラットフォーム事業「REALITY」では、アバター関連の売上高が想定を下回ったものの、ライブ配信は想定通り堅調に成長。コストコントロールも奏功し、高い利益率を維持しました。
また、VTuberプロダクション事業「REALITY Studios」では、タレント育成への積極的な投資を継続しつつ、ライブストリーミング以外のコマースやイベントといったマネタイズ手法が伸長。同社は、プロダクション事業について「2026年6月期下期に単月黒字化達成を予定」しており、事業の収益化に向けた道筋が見え始めています。






