ライブ配信アプリ「REALITY」に学ぶ、次世代のマーケターのあり方とは―Adjust & Meta Christmas Wonderland in the Sky レポート | GameBusiness.jp

ライブ配信アプリ「REALITY」に学ぶ、次世代のマーケターのあり方とは―Adjust & Meta Christmas Wonderland in the Sky レポート

モバイルアプリ市場の最新動向が共有されたイベントのようすをレポートします。

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ライブ配信アプリ「REALITY」に学ぶ、次世代のマーケターのあり方とは―Adjust & Meta Christmas Wonderland in the Sky レポート
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2023年12月14日、アプリ計測・分析ツールを提供するAdjustとMetaは共同でオフラインイベント「Adjust & Meta Christmas Wonderland in the Sky」を開催しました。東京・虎ノ門ヒルズにあるMeta 東京オフィスで開催された本イベントには、アプリマーケティングに関わるマーケターや広告主など、約200名が来場。イベントの前半にビジネスセミナー、後半にはクリスマスパーティーが開かれ、登壇者および来場者同士による情報交換、交流が盛んに行われました。

本稿では、両社の提供するサービスやモバイルアプリ市場の最新動向が共有された本イベントのようすをレポートします。

アプリ市場で変わらぬ存在感を放つMeta

はじめに、Meta 日本法人 Facebook Japanで営業部長を務める古田理恵氏がMetaの近況を紹介しました。同社はFacebookやInstagram、ThreadsなどのSNSアプリをはじめ、MessengerやWhatsApp、Meta Questなどのサービスを全世界で展開。現在は38億人の利用者を抱えているといいます。日本においてはInstagramが特に人気で、順調にアクティブユーザーが増加中です。

古田氏は続けて、同社サービスの広告アルゴリズムの優秀さをアピール。絶えずパフォーマンスの改善を続けていることから、数年前にMetaの広告サービスを実施して満足できなかったとしても、再度試してみてほしい、と述べました。

また、続いて登壇したFacebook Japan プロダクトマーケティングマネージャーの鈴木一生氏からは、同社のアプリ広告の最新動向が共有されました。

2024年はAIを活用したさらなる自動化へ

続いて、Adjust ゼネラルマネージャーの佐々直紀氏が登壇し、同社製品の最新アップデートを紹介しました。

佐々氏によれば、現在のアプリ市場は、ユーザー獲得競争の激化、広告予算の縮小、Appleのトラッキング制限導入を含むプライバシー保護意識の高まりなど、対処しなければならない課題を抱えています。その一方で、2027年には人口の94%がスマホを保有すると予測されているほか、日本におけるアプリ支出額は2023年に2.6兆円を超え、日本のアプリユーザーのアプリエコノミー貢献度は世界で第3位とされるなど、今後も国内のアプリ市場は伸びしろがあるといいます。

Adjustは2023年、新ダッシュボードや多彩なレポート、KPIに基づいたカスタムアラート機能など、新たな機能を多数追加。また、地上波テレビCMにおける効果計測においては、ビデオリサーチ社から提供されるテレビCMデータ提供に基づき、テレビCMがアプリインストールに与えた影響やその後の継続率、LTV等の分析が可能になっています。

ゲームについては、モバイル、PC/コンソールにおけるマーケティングをAdjust suiteに集約し、インストール後のパフォーマンス比較が容易になりました。

また、Facebookとの連携については「API連携、SKANだけではない」と強調。ATT制限を受けない確率的モデリングでアトリビューションを判定し、重要な学習データをFacebookに共有することで強力なパフォーマンスを生み出す、としました。

2024年、AdjustはAIと機械学習による次世代計測ツールの開発に注力していくことも明かされました。競争の激化やプライバシー保護意識の高まりなど、これまでとは異なる分析アプローチが求められているなかで、高度な機会学習アルゴリズムを用いてキャンペーンの効果予測を行い、意思決定を支援していくことが期待されます。

変容する市場で求められる、マーケターの在り方

最後に行われたのは、REALITYでマーケティングを担当する阿部輝昭氏、Facebook JapanのClient Partner Managerの宮本潤氏をゲストに迎え、AdjustのSenior Custmer Managerの山根竜二氏の司会によるパネルディスカッション「ライブ配信アプリ『REALITY』のグローバルプロモーション戦略(Facebook広告活用編)」です。「REALITY」が行ってきた最新のプロモーション戦略事例が紹介されました。

左から、司会を務めたAdjust 山根竜二氏、REALITY 阿部輝昭氏、Facebook Japan 宮本潤氏

「REALITY」は、スマートフォン1台でアバターを用いたライブ配信ができるアプリ。2023年11月には1,500万ダウンロードを突破しています。ユーザーの約8割は海外ユーザーであるほか、10代後半から20代のいわゆるZ世代が7~8割を占めていることが特徴です。

はじめに「REALITY」のマーケティングの概要について問われた阿部氏は、デジタル広告を中心に展開し、国内外でユーザーイベントを積極的に実施していることが特徴であると回答しました。

イベントは、日本では「ユーザーと一緒に創り上げる」ことをコンセプトに配信者の作品を展示するなどの内容で行った一方、アメリカではDJによる音楽を流しながらユーザー同士の交流に重点を置くなど、国ごとに内容を変え、工夫を凝らしているとのことです。

次に、プロモーション戦略について。同社がプロモーションにおいて重視しているのはROASです。63の国と地域で展開していることから、CPIを指標としてしまうとビジネスの実態とマーケティングにズレが生じます。そこで費用対効果を指標とすることで、異なる国でも一律に評価することができる、と阿部氏は説明しました。

一方、定性的には「自動化に頼りつつも、自動化に依存しないこと」を重視しているといいます。阿部氏は、広告出稿のアルゴリズムが進化し、自動化が進んではいるものの、「マーケターがマーケットのことを考える重要性」は変わっていないと指摘し、「広告の自動化で一見良いと判断されるオーディエンスが、ビジネスにおける最良のオーディエンスではないことが往々にしてある。自分たちが提供しているサービス・プロダクトは、誰に対して一番価値があるのか、何が求められているのか、という部分を徹底的に考えることを意識している」と述べました。

阿部氏によれば、REALITYでは、広告のクリエイティブづくりにおいても、国による文化、価値観の違いを意識しているとのこと。Meta 宮本氏より、国ごとにアプローチを変える際のアイデアはどこから湧いてくるのか、と問われた阿部氏は、定量的には調査等を活用している一方、「REALITY」アプリを通じてアバターの姿でインタビューを実施していることも紹介しました。

セッションの最後に阿部氏は、「デジタルの数字は、今までが取れすぎたくらいで、今後取れなくなっていくのはしょうがない。各プラットフォームがテクノロジーを活用してそれを解決していくなかで、マーケターは『顧客・マーケットと向きあう』という本来のマーケターの仕事に近づいていくのでは」とまとめました。

《GameBusiness.jp》

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