個性的な3人のクリエイターが京都を拠点に「カジュアル位置ゲー」で新境地を切り開く・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第34回 | GameBusiness.jp

個性的な3人のクリエイターが京都を拠点に「カジュアル位置ゲー」で新境地を切り開く・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第34回

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「ゲームビジネス新潮流」と銘打っている本コラムですが、最近ではインディー系の開発者に対するインタビューが続いています。
  • 「ゲームビジネス新潮流」と銘打っている本コラムですが、最近ではインディー系の開発者に対するインタビューが続いています。
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今回は、ユニークなソフト開発で定評のあったウノウらて、位置ゲーの代表格の一つとなった『まちつく』を開発し、その後、独立して京都に移り株式会社すずなを創立した中村悟氏と、ミクシィ、百度などを経て京都でこれまで数多くのGPSエンターテインメントを開発してきたスーパーノヴァの殿岡康永氏、そして京都のゲームスタジオなどを中心にスーパーファミコン時代からプログラマーとして活躍してきた奥出成希氏が中心となって開発した、妖怪討伐をテーマとした位置ゲー『ロケナゲ』の開発秘話について伺ってきました。

株式会社すずなの中村氏については『まちつく』に続くロケーションゲームであり、スーパーノヴァとしては、同社が開発してきたゲームとしては10作目になるというとてもメモリアルな状況。その点も含めて、バッチリと聞いています。では、早速いってみましょう!



―――『ロケナゲ』とはどんなゲームなのでしょうか?

殿岡:主人公が、神社にあった剣を抜き取ってしまい、神様によって封印された妖怪たちが解放され、全国に散らばってしまいます。プレイヤーはお供妖怪のカルラと全国を巡って妖怪を封印し、最後はヤマタノオロチと対峙するというゲームです。GPSと連動していて、移動先でゲームをプレイするなどして、距離をポイントでためることで、国内各地の様々な場所に暗躍しているご当地妖怪たちをゲットすることで、その妖怪の特殊能力を発動出来るようになります。



―――開発期間はどのくらいだったんですか?

中村:1年ですかね。

―――カジュアルゲームとしては長いですね!

中村:インディーズとしてつくったゲームなので。自分達はこのゲームだけを開発しているわけではないんです。実際に収入源になっているのは別のプロジェクトですしね。

■位置ゲーデザイナーとGPSゲームデザイナーが意気投合してプロジェクトを開始

―――開発の経緯を教えてください。

殿岡康永氏(以下、殿岡):一昨年の7月ごろに、私と中村悟さんを登壇者にしたイベントが京都で開催されたんです。『まちつく』を作ったデザイナーということで以前から知っていて、一度お会いしたいなと思っていたんです。講演会でも意気投合し、「じゃあ一緒に何かつくろう」ということになったんです。

中村悟氏(以下、中村):最初は、私と殿岡さんとの2人で企画を進めていきました。ですが、話を進めていくうちに、1人ではやりきれないと感じ、その事をお伝えしたんです。それで当時、殿岡さんが携わっていた別のプロジェクトでメインプログラマーだった奥出さんに声をかけることになったんです。

奥出成希氏(以下、奥出):『京都三条近代建築マップ』ですね。あれはGPSと連動するガイド系アプリだったんですが、Unityをベースに開発していたんです。

―――「妖怪」をテーマにした背景というのは?

殿岡:僕がこれまで開発してきたゲームがずっと妖怪だったんです。別に妖怪に思い入れがあるというわけではないのですが、京都で企画を立ち上げていく中で自然とそうなっていきましたね。11年にリリースした『京都検定迷宮ドリル』は京都検定に関連する地域を巡るんですが、シナリオは妖怪退治でしたし、12年に映画関係者とともに共同開発した『京都妖怪絵巻』は、そのものズバリ妖怪討伐師の話で映画スタジオで予告編を制作するぐらいの勢いでした。また12年末〜13年3月まで展開した『仮面ライダーウィザード GPSエンターテインメント』も仮面ライダーウィザードを異次元空間に閉じ込めたのは妖怪たちでした。

中村:ただ、ターゲットユーザーを出来る限り広くということで考え、これまで殿岡さんがやってきたガチの妖怪というよりは、僕がつくってきた『まちつく』のようなカジュアル路線になっていきました。

奥出:僕も最初、「妖怪」と聞いたので鳥山石燕や、水木しげるなどを想像していたんですが、実際にコンセプトデザインを見て驚きました。

中村:「妖怪」というとどうしても石燕妖怪や、水木妖怪になってしまう傾向があるのでそこははずして、というのが最初にありました。例えば、「ぬりかべ」っていうと絶対に「あれ」というのが上がってきてしまうんですよね(笑)。本来「ぬりかべ」っていうのは先に進めなくなってしまう現象を指しているはずなのですが。





■オーソドックスな部分を残しつつ、一般の人も狙える親しみやすい妖怪をデザイン

奥出:ゲームに登場させるキャラクターを「妖怪」と呼ぶべきかどうかも話しあったんですが「幽霊」でも「モンスター」でも違和感があり、和がテーマであることもあって、結局「妖怪」に落ち着いたんです。

殿岡:これはやっぱり、京都にいるということが自然に「妖怪」へとつながったんだと思いますね。これまでも自然発生的ですし。

―――キャラクターデザインについてはどうでしょう?

殿岡:デザインをやっていただいた雀野チュン助さんはコーディネータの松谷優希さんが見つけてきたんですが、僕らも雀野さんの画力にはビックリしました。

奥出:個性があるのですごくおどろきました。こういう世界にこういう生き物がいそうなもの、という創作ができていたので、都道府県の各地のテーマを提供して、デザインをしてもらいました。

中村:お題は、県、特産物そして、こんな感じといった簡単なコンセプトを1行でしめしたものを示しただけなんですが、かなり充実したものが出来たと思います。雀野さんにラフデザインをお願いして、その後、飯田さんなどに彩色など全てを担当してもらいました。

奥出:ラフデザインですが、一度もNGがなかったんです。

中村: 何かを追加するというお願いはしましたが、NGはなかったですね!この形がわかりにくいというもありましたが、これはないだろうとか僕らが想像するものとはちがうというものはありませんでした。

―――ゲームデザインとして意識したことは?

殿岡:中村さんがまちつくをやっていたので、中村さんと一緒ならGPS機能をつかった本格的なゲームが出来るのではと思ったんです。最初に自分が発想
したのはあらかじめGPSボタンをつけておいて、そのボタンを押すとなんらかのゲームが発動する、というものでした。ところが中村さんの発想はまったく違ってました。「エサ取り」とGPS機能を連動させるという発想です。

中村:一般的なGPSアプリのような「チェックイン」機能ではなくて、GPS機能がゲームにインテグレーション(統合)したものにしたかったんです。そうしないと面倒くさいと感じてしまうのではと思ったんですね。地元の特産物系を紹介する番組とかも今人気ですよね。同時に意外に他の都道府県のことって、知らないのも事実です。ですのでこの県にはこれがあるんだ、といった驚きがあるように工夫しました。それが各地域に遠征したときにゲットできる食べ物だったりします。京都だと「みずな」が出てくるんですが、そういった感じで各地の特産物を得ることが出来るようになってます。

■移動距離に関わる楽しめるGPSゲームを目指して

―――GPSならではの移動を利用したゲームデザインは?

中村:これは『まちつく』での経験なんですが、47都道府県全てに行ったことがある人は殆どいないんです。その半分すらいません。実際には4〜6地域が多く、隣接県のみという人も多いです。なので「旅」でゲームデザインをしばると、旅好きの人とそうでない人との間に差が出てしまいます。なので、普段、特定の場所を地道に往復していた場合も、その距離をためることでゲームの世界では、遠征できるしくみを導入しました。単なるゲーム上のポイントではなく実際に移動距離と関連づけるというのがポイントですね。自宅や、勤務先、学校などで地道にゲームを起動させているとそれがメリットになるデザインです。京都からもちゃんと北海道にいけるんです。奥出:週に1回、2回は大阪に行くんですが、京都でプレイして、職場でプレイしてを続けるとけっこうなポイントがたまっていて、遊ぶ分には、その程度の移動でも充分楽しめるようになっています。

殿岡:ただ、家の中でだけプレイしているのではなく、実際に外に出かけて楽しむことの付加価値はあります。

中村:そこはゲームをプレイするうえでの最低限のしばりにはなっていますね。

―――その他にGPS機能を取り入れたから実現している機能は?

中村:日本国内は全てカバーしています。現段階では都道府県単位ですが、技術的には既により細かく認識出来るようになっているので将来的にはもっと地域を細かく区切って何かをするアイデアを導入出来るかもしれません。現在実装されている例としてはミニ妖怪とのバトルで使用される背景画があります。プレイしている場所に近しいイメージの背景画を呼び込めるようにしているんです。東京の場合、港区だとビーチの背景が、渋谷に行くと別の背景画が採用されるということですね。ゲームシステムとして背景画が変わることはたいした意味はないのですが、プレイ体験としては新鮮なのではと思います。

奥出:電車で移動しているとき、山崎あたりでプレイすると岩山の背景画が出てきたりしましたね。また通常京都を基点に国内各地に遠征しているプレイヤーが大阪でプレイすると、プレイ基点が大阪になるので、ゲームとしては、京都へ遠征出来るようになったりするんです。この感覚は普通のゲームでは味わえないですよね。

殿岡:まさにリアルとバーチャルがシンクロしている瞬間ですよね。

中村:本拠地は最後にチェックインした場所になる仕様なので、例えば沖縄への旅行中にゲームをプレイしていると、全てが沖縄基準になったりします。

―――シナリオはどんな感じでしょう?

殿岡:今回は、起承転結を明確にしました。まだ全ての物語が収録されているわけではないのですが、今後追加コンテンツを入れる際には、物語展開を広げていく予定です。ストーリー作りのために、全都道府県の様々な事を改めて研究しました。また京都のことも調べたんですが、祇園祭と妖怪が密接に関わっていた事を知ったりして驚きました。これらも様々なご当地要素をストーリーに盛り込んでいきます。

―――プレイ時間はどの程度を期待したらいいんでしょう?

中村:時間というわけではないのですが、1日に2回ぐらいチェックインしてコンスタントに遊んでくれたら3ヶ月ぐらいはプレイできるようにバランスを組んでいます。

殿岡:ミニゲームのデザインもけっこう苦労しました。いろいろ考えたんですが、最終的に行き着いたのが『ポトリス』や『アングリーバード』などのスリングショット型アクションゲームの縦置き3Dバージョンです。

中村:ゲームなので、ボスとの戦いのような複雑なものも考えたんですがそうするとユーザーが覚えなければならないことも増えてしまうし、妖怪ごとに攻略やエフェクトを変えるということをすると開発期間自体も長期化してしまうということで現在の仕様にしました。つまり、縦置きスリングショットアクションをベースに、妖怪をゲットし、その技を発動させることでゲームプレイのバリエーションを増やすという方法です。なお、出身地の食べ物は、必ず好物になっているという仕様も入れていますね。

中村:見た目はカジュアルですが、けっこう難しくはしています。僕らの時代ってゲームが難しくて苦労した思い出があるんですが、自分の操作能力にともなってスキルアップしてもらいたいという思いでそのような仕様にしました。

―――プログラミング状のチャレンジは?

奥出:前回のプロジェクトは、UnityでGPSと連動したアプリを作るというところでしたが、今回は、アクションベースという点でしょうか。あとはネットワークですね。その辺は、中村さんの得意分野なんですけど。サーバーは中村さんがやっているんですが私は入手したデータを如何に間違いなく処理するかという点を頑張りました。あとはゲーム本編で如何に気持ちよくプレイしてもらえるかという点にも気を配りました。

中村:飛んでいく距離感など、上達できる要素があって、ここは、スーパーファミコン時代からプログラマーだった奥出さんの力だなと思いました。

―――最後にプレイヤーの皆さんに一言を

中村:移動がゲームプレイに活かされるゲームではありますが、不公平観を感じられないように作ったつもりです。どこの県でも同じ経験が出来るようになっているので是非プレイしてください!

奥出:自分が遠征した土地は地図の色が変わるようにしてあります。これをコンプリートしていくのがこのゲームの醍醐味だと思っています。苦労するとは思いますが。その辺を楽しんでいただければと...

殿岡:ストーリーを作るにあたり、実際にその場所に行きたいなと思ってもらうことを意識してつくりました。僕自身、自転車で京都のいろいろな場所に回ってきたんですが、そこでの経験が活かされています。ゲームをプレイしている人って、屋内でプレイするイメージがあるんですが、そのような皆さんにも外に出てもらって、いろいろなことを体感してもらいたいなと思っています。その中に友達との交流も含まれると思うんです。インターネットの中で、オンラインの中でといのが多くなる中で、是非外に出て、世界を感じてもらいたいです!

―――ありがとうございました!
《中村彰憲》

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