脱出シューターと「Bungieらしさ」の融合。期待の新作PvPvE FPS『Marathon』開発者インタビュー! | GameBusiness.jp

脱出シューターと「Bungieらしさ」の融合。期待の新作PvPvE FPS『Marathon』開発者インタビュー!

発売迫る『Marathon』の制作陣にメールでのインタビューを行いました。

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脱出シューターと「Bungieらしさ」の融合。期待の新作PvPvE FPS『Marathon』開発者インタビュー!
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『Halo』シリーズの初期三部作や『Destiny』シリーズで知られる人気デベロッパー、Bungie。同スタジオが開発を進める新作エクストラクションシューター『Marathon』が、リリースの延期を経て、いよいよ3月6日に発売されます。

今回Game*Sparkでは、発売を目前に控えたBungieの『Marathon』制作陣にメールインタビューを実施しました。本稿では、その回答内容を詳しくお届けします。今回インタビューに応じていただいたのは、こちらの皆様です。

ジョー・ジーグラー(ゲームディレクター)

ジョー・ジーグラーはBungieにおいて、2023年7月より『Marathon』のゲームディレクターとして開発を指揮しています。業界での経験は10年以上に及び、以前はRiot Gamesで友人らと立ち上げたプロジェクト『VALORANT』のゲームディレクターを務めていました。Riotに在籍していた12年の間には、『League of Legends』の開発も手掛けるなど、中核的な役割を果たしました。

ジュリア・ナーディン(クリエイティブディレクター)

ジュリア・ナーディンは、2024年夏よりBungieで『Marathon』のクリエイティブ・ディレクターを務めています。アート、ナラティブ、オーディオの各部門を統括し、プレイヤーが深く没入できる世界を構築するため、全要素が調和した一貫性のある体験の提供に尽力しています。

Bungieでは『Marathon』に携わる以前、『Destiny』ユニバースのナラティブ・ディレクターとして『最終形態』のストーリーおよびクリエイティブ開発を牽引したほか、数年にわたり『Destiny 2』のシーズンコンテンツも手掛けてきました。それ以前は、ArenaNetにて『Guild Wars』シリーズのナラティブを担当。また、ニューヨークの「Sleep No More」に代表されるような、大規模な没入型イベント(イマーシブ・シアター)のプロデューサーとしての経歴も持ちます。

――『Marathon』は、謎解き要素の強い古典的FPSの金字塔として知られています。前作から約30年という長い月日を経て、今このタイミングで『Marathon』という名前を復活させるに至った最大の理由は何だったのでしょうか。

ジョー: 私たちが制作していた「サバイバルに焦点を当てたゲーム」にとって、『Marathon』の世界観はまさに完璧な組み合わせだと感じたからです。旧作からのファンの皆さんなら、あの緊張感に満ちた、疑心暗鬼を誘う世界を覚えているでしょう。不確かな情報や欺瞞が蔓延し、世界のすべてがあなたを殺そうとしながらも、同時にもっと深く知りたいと思わせるような魅惑的な感覚。そうしたあらゆる側面が、様々な脅威から生き延び、現地で手に入れた物資でやりくりするサバイバル体験において、素晴らしいトーンと背景を提供してくれると考えました。

――今作は過去作と違い、いわゆる「脱出シューター」的な作品となっています。ここで「鶏と卵」のような質問なのですが、Bungieとして「脱出シューター」という新しい挑戦をするために『Marathon』というIPが最適だと考えたのでしょうか。それとも、『Marathon』を現代に蘇らせるための最適な形を模索した結果、このようなジャンルに行き着いたのでしょうか。

ジョー: 本プロジェクトは、まずPvPベースのサバイバル体験の探求から始まりました。その過程で、この枠組みが『Marathon』の世界を新しく描き出すための素晴らしいキャンバスになると確信したのです。疑心暗鬼、信頼できない語り手、謎、破壊、そして高強度の派手なアクション。これらが凝縮された『Marathon』という世界は、プレイヤーが緊張感のある予測不能な状況に放り込まれるエクストラクション体験に最適だと感じました。

――30年ぶりの新作ということで、今作から初めてシリーズに触れるプレイヤーが大多数かと思います。過去作とのストーリーや世界観の繋がりはどの程度意識されているのでしょうか。また、熱心なファンが発売までに過去作を「予習」しておくことで、今作をより深く楽しむためのイースターエッグなどは用意されていますか。

ジュリア: 『Marathon (2026)』は、フランチャイズにとっての新たな入口となる作品ですが、世界観や登場キャラクターの多くを共有しているという意味で、旧三部作とは直接的に繋がっています。私たちはその世界を、1作目の出来事に忠実に寄り添いつつも、オリジナルとは異なるレンズ、異なるタイムラインを通して解釈しています。ですので、過去作の知識がなくても今作を十分に楽しめますし、復帰したファンの方々にとっても馴染み深い要素が数多く感じられるはずです。皆さんが驚くような新しい展開も用意していますので、ぜひ楽しみにしていてください。

――2025年から2026年にかけて、『Escape from Tarkov』の正式リリースや『ARC Raiders』の躍進など、脱出シュータージャンルはかつてない盛り上がりを見せています。多くの強力なタイトルが並ぶ中で、本作が既存のタイトルと最も異なっている部分はどこでしょう。

ジョー: エクストラクション体験に「Bungieらしさ」を加えるため、いくつか独自の工夫を凝らしています。第一に、そしておそらく最も明白なのは、私たちが『Marathon』を作り上げる際に込めたクリエイティブ・ビジョンです。このジャンルの他作品の多くは伝統的なミリタリー・シミュレーションを基調としており、それはそれで魅力的なのですが、PvPやPvEにおけるメカニクスやインタラクションの拡張性を考えると、制約になってしまうこともあります。

これを発展させた要素として、本作のシーズンを通じた成長の旅の中心となるのが「ランナーシェル」です。これは一種のクラス(職業)のようなもので、「インプラント」や「コア」と呼ばれるアイテムでカスタマイズ可能なアビリティを持っています。本作では、単に戦闘力を高めるだけでなく、「ランナーシェル」の能力そのものを変化させたり、ステータスやアクションを増幅させたりする多様なアイテムを装備できます。単に「手に何を持っているか」だけでなく、自身のキャラクターがランの最中にどう機能するかを戦略的に考えられるようにしています。

最後に、Bungieが培ってきたコンソールとPCの両方における魅力的なシューター・メカニクスの経験を挙げないわけにはいきません。タクティカルな立ち回りと、状況に応じたハイアクションな戦い方の両方を可能にするハイブリッドなアクションモデルへと適応させています。この「ランナーシェル」、鮮やかでありながら不気味な「タウ・セティ」の世界、そしてBungieの系譜を継ぐアクション戦闘の組み合わせこそが、本作を唯一無二の『Marathon』たらしめています。

――初めてトレーラーを拝見した際、ビジュアルデザインに衝撃を受けました。この独創的なグラフィック表現を構築するにあたって、どのようなインスピレーション源があったのでしょうか。個人的には、クリス・カニンガム氏の映像作品やWarp Recordsのアートワーク、The Designers Republicが手掛けたような90年代後半のグラフィック・デザイン、さらには弐瓶勉氏の作品が持つ硬質なSFの美学に近い「カッコ良さ」を本作から強く感じ、大変期待しております。

ブライアン・ヴィントン(シニアアートディレクター): 私たちは、まずオリジナルの『Marathon』を解体し、構築すべき芸術的土台が何であるかを確認しました。そこで特定したのは、Bungie独自のSFインダストリアル・デザインと、スイス・グラフィックデザインにルーツを持つビジュアル・センスの融合です。 その上で、「このルックスをどう現代化すれば、独創的で新鮮、かつ予想外なものにできるか?」と自問自答しました。

その問いが、現在のインパクトあるアートディレクションへと導いてくれたのです。現代のテクノロジー・ビジュアルとその描画手法(レンダリングに使用されるディザリングなど)を、レトロなルーツやビジュアルと融合させました。私たちはこれを「グラフィック・レトロ・フューチャリズム」と呼んでいます。Bungieと『Marathon』にしかできない方法で、奇妙で予想外なものをクールに見せることを目指しました。

――本作では特に武器のデザインがとてもかっこ良いと思っているのですが、性能を細かく調整する「ガンスミス」のようなカスタマイズ要素や、「武器スキン」といった要素はどの程度実装される予定でしょうか。

ジョー: ゲームプレイのカスタマイズに関しては、各武器に最大4つのスロットがあり、武器の様々な側面を強化したり、上位のゴールドの「改造パーツ」のように新しい機能を追加したりできるパーツを装着可能です。また、見た目をカスタマイズするための武器スキンも用意しています。これらはプレイを通じて獲得したり、好みに合わせて購入したりすることが可能です。

――リリース後のシーズンパスやDLCなど、追加課金によるコンテンツ拡充の具体的な計画はありますか?また、多くの脱出シューターにおいて「スタッシュ(アイテム保管庫)」の容量制限はプレイヤーに大きな緊張と、ストレスを与えます。スタッシュの拡張が課金要素に含まれる可能性はあるのでしょうか。

ジョー: 『Marathon』では、1年を通じて誰でもゲームプレイのアップデートにアクセスできる「シーズンモデル」を採用しました。これはBungieの過去作に見られたDLC中心のモデルとは異なり、ゲームを購入済みであれば、新しいマップやランナーシェル、イベントコンテンツなどを追加購入なしで楽しめる仕組みです。 「保管庫」の拡張に関しては、現在はゲームのコアな進行システムの一部としており、ファクションのアップグレードを通じてアンロックできるようになっています。ローンチ時や近い将来において、保管庫スペースにアクセスするためのショートカットを有料で提供する予定はありません。保管庫の拡張は、そのシーズンの進行における有意義なステップの一つであると考えているからです。

――先日「ソロキュー」の実装が公式に発表されましたが、パーティーを組まないソロプレイヤーが不利を感じずに遊び続けるための仕組みについて詳しく教えてください。特に日本国内ですとパーティープレイよりもソロで脱出シューターを遊びたいプレイヤーは多いと思います。

ジョー: 本作には2つのソロ向け体験があります。1つは「ソロキュー」で、これはソロプレイヤーのみがマッチングされる仕組みです。つまり、マッチ内にいる全員がソロプレイヤーになります。3人チームとソロプレイヤーの力の差はPvPにおいて克服しがたいほど大きいことを考慮し、公平性を保つために導入しました。

とはいえ、ソロキューが決して簡単というわけではありません。チームメイトがいないということは、多くの敵に対して自力で立ち向かわなければならず、火力支援も、倒れた際の蘇生も受けられません。その意味で、ソロは「セーフティネットがない」というスリルを求めるローンウルフのための体験です。

2つ目のソロ体験は「ROOK」というフレームです。ROOKを装備すると、武器や装備に加えて物資回収に特化した特殊なアビリティが付与され、進行中の3人チーム用マッチにスポーンします。ROOKの目的は略奪と脱出であり、契約を完了させることはできません。いわば「投資コストゼロ」で、次回のランに備えて保管庫を補充するためのチャンスという位置付けです。

――最後に、本作に期待をしているGame*Sparkの読者にメッセージをお願いします。

ジョー: 日本のゲームコミュニティを『Marathon』に迎えられることを心から楽しみにしています!私の母が大阪出身ということもあり、私は日本に対して親近感と、その文化への深い尊敬の念を抱いています。また、日本のゲーム開発文化が世界で最もユニークかつ革新的なゲームを生み出しているのは周知の事実です。日本のゲーマーの皆さんが持つ高い基準に応えられるよう、全力を尽くします。

ジュリア: 日本や日本のメディアは、『Marathon』の世界における芸術的・テーマ的要素の多くにインスピレーションを与えてくれました。皆さんがどのようにゲームに関わり、日本のコミュニティからどのようなフィードバックが寄せられるかは、ジョーが言った「基準」を達成するための大きな鍵となります。この旅を共にしてくれることに、深く感謝しています。

『Marathon』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに3月6日にリリース予定です。

《文章書く彦@Game*Spark》

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