
グリーホールディングスは2025年6月期(2024年7月1日~2025年6月30日)が6.8%の減収でした。
ゲーム事業では、2025年3月27日に『魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra(まどドラ)』をリリースしたものの、4Q(2025年4月1日~2025年6月30日)は前四半期比で約7%の減収。グリーは足元の状況を反映し、2026年6月期、2027年6月期の売上目標を引き下げています。
成長期待の高いVTuber事業は大幅な増収となっているものの成長鈍化が鮮明になっており、課題が山積しているように見えます。
決算発表後の株価は10%安
2025年6月期の売上高は前期比6.8%減の571億1,100万円、営業利益は同18.7%減の48億6,000万円でした。2期連続の減収、営業減益。2023年6月期まで10%を優に超えていた営業利益率は8.5%まで低下しています。
2026年6月期は1.7%の増収を予想しており、売上高は581億円を計画中。しかし、グリーは2025年6月期の期初に投資事業を除く売上高を602億円と予想していましたが、投資事業を含めても5%程度計画を下回って着地しています。
決算発表後の2025年8月7日のグリーの株価は、前日の終値より10%程度下がりました。
PBR(株価純資産倍率)は0.87倍。PBRは株価が純資産の何倍であるかを示したもので、株価を判断する指標です。ディー・エヌ・エーが1.12倍、MIXIが1.24倍、gumiが1.84倍であることを考えると、グリーが競合と比べて売り込まれているのは間違いありません。決算内容に対する失望感が広がっている様子がわかります。

※決算短信より筆者作成
「魔法少女まどか☆マギカ」の新作映画がゲームにも好影響を与えるか?
グリーの減収、営業減益の一番の要因はゲーム事業の不振。2025年6月期の売上高は前期比14.2%減の369億3,600万円、営業利益は同29.8%減の45億9,600万円でした。グリーは長らく大型IPの新作プロジェクトに取り組んでいることに言及しており、それが『まどドラ』であることが後に明らかになります。
2024年7月に『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(マギレコ)』のサービスが終了しており、『まどドラ』は連携コードで引継ぎができる仕様になっていました。開発には『マギレコ』のf4samuraiも参加しています。しかし、グリーが期待していたほどの増収効果はありませんでした。