サウジアラビアの国家開発基金（NDF）と社会開発銀行（SDB）は、3月4日から7日にかけて開催された同国最大のグローバルテック展示会「LEAP 2024」でゲーム・eスポーツ産業振興を目的とする2つのベンチャーファンドの設立を発表しました。ファンドの評価額は総額4億5,000万SAR（サウジアラビア・リヤル／約1億2,000万ドル相当）にのぼります。
ファンドを運営するのは、投資会社のIMPACT46とMerak Capitalです。国のコンテンツ開発力を支えて成長加速を担い、サウジアラビア政府が掲げるデジタルコンテンツ支援プログラム「Ignite」の目標達成を目指します。
まずはMerak Capitalが3億SAR（約8,000万ドル）の投資ファンドを管理し、ゲーム産業における国内の才能育成を促進。次にIMPACT46が運営する1億5,000万SAR（約4,000万ドル）のファンドでは、ビデオゲーム、およびeスポーツ産業への民間投資を促進させます。また、海外の企業やゲームスタジオを誘致することで、ゲーム産業のエコシステムをさらに充実させる狙いです。
サウジアラビアは石油依存体制から脱却して多様化するための国家戦略「Vision 2030（サウジ・ビジョン2030）」を推進しており、ゲーム産業の育成・勃興は非常に重要な位置を占めています。先だっても、ゲーミング＆eスポーツ地区「キディヤ・シティ」を擁するギガプロジェクト「Qiddiya（キディヤ）」が、大規模eスポーツ大会「Esports World Cup」との3年間のパートナーシップ締結を発表していました。
NDF総裁 Stephen Grove氏 コメント
ゲーム・eスポーツ産業は世界的に急激な成長を遂げており、大きな収益と雇用機会を生み出しています。NDFとそのパートナーは、サウジアラビアの若年層やその他の魅力的な投資要素を背景に、この業界のための革新的な資金調達ソリューションを優先しています。我々は財政の持続可能性を確保し、国の経済多様化と雇用創出に貢献します。
SDB CEO Sultan Al-Humaidi氏 コメント
私たちの目的はゲーム・eスポーツ産業が自給自足できるよう育成し、サウジアラビアを（この産業における）世界的なハブとして位置づけることです。このベンチャーが成功し、Vision 2030に沿ってデジタル経済を前進させるために必要なサポートを提供します。
