
エレクトロニック・アーツ(以下、EA)は現地時間8月4日、サウジアラビアの政府系ファンド「Public Investment Fund(PIF)」、米投資会社「Silver Lake」、ドナルド・トランプ米大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が設立した「Affinity Partners」からなる投資家連合による同社の買収が正式に完了したと発表しました。
EAの未来にかかる期待と懸念
7月末時点で完了目前とされていた、投資家連合による550億ドル規模のEA買収。今回、一連の手続きが正式に完了したことで、EAの株主には保有していた普通株式1株につき210ドルが現金で支払われるとともに、同社はNASDAQから上場廃止となり、非公開企業となりました。
なお、取引資金は投資家連合による約360億ドルの出資に加え、JPモルガン・チェース銀行などからの約200億ドルの借入によって賄われています。
買収後もEAは引き続きカリフォルニア州レッドウッドシティに本社を置き、アンドリュー・ウィルソン氏が会長兼CEOを務めるとのこと。同氏は「(投資家連合と)ともに大胆な投資を行い、イノベーションを加速させ、何億人ものプレイヤーとファンのために次世代のゲームと体験を構築していく」とコメントしました。
また、PIFの副総裁兼国際投資責任者Turqi Alnowaiser氏は、EAの長期的な成長とイノベーションを支援する方針を表明。Silver LakeのCEO兼マネージングパートナーのEgon Durban氏もEAの成長へ積極的に投資するとし、ゲーム開発やプレイヤー体験の向上に向けたAIの活用にも言及しています。
一方、海外メディアGame Developerによると、今回の買収を巡っては、アメリカ国内の一部議員や労働組合関係者が、米国企業や雇用への影響を懸念し、FTC(米連邦取引委員会)に対して買収を厳しく審査するよう求めていたとのこと。また、サウジアラビアがPIFなどを通じてゲーム業界への投資を拡大してきたことについて、同国のイメージ向上を目的とした「カルチャーウォッシング」ではないかとの批判もあるとしています。
そうしたなか、EAは買収発表後、創造面での自由やプレイヤーを第一に考える価値観は今後も変わらないと説明し、買収に伴う即時のレイオフも予定していないとしていました。新たな体制への移行が、今後のゲーム開発や従業員にどのような影響を及ぼすのか注目されます。
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