「イケメンシリーズ」のアエリアが業績予想を下方修正―大規模な再編・改革が必要か?【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

「イケメンシリーズ」のアエリアが業績予想を下方修正―大規模な再編・改革が必要か?【ゲーム企業の決算を読む】

開発費や人的リソースを最大化させるためにも、子会社を整理して女性向けゲームやコンテンツの開発を集中的に行うことが、業績を回復させる近道だと考えられます。

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子会社を通じて「イケメンシリーズ」や『蒼焔の艦隊』、『A3!』を運営するアエリアが、2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の通期業績予想の修正を11月14日に発表しました。

売上高は予想通りの210億円に据え置いたものの、営業利益は従来予想よりも7割低い3億円に修正しました。既存コンテンツの追加開発や新規コンテンツの開発費が増加し、予想を大幅に下回る見込みだと説明しています。

また、連結子会社が開発・販売しているゲームが、当初計画していた収益に届かず、1億1,300万円の減損損失として特別損失を計上しました。これにより、通期の純利益は従来予想の35.7%減となる4億5,000万円に改めています。

アエリアは買収したサイバードとリベル・エンタテインメントが業績を支えています。大胆な再編と改革を起こすタイミングが訪れているように見えます。

グループ28社のうち3社が売上高の7割を占める

アエリアはM&Aを成長エンジンとしてきた会社。2021年4月に150万ダウンロードを突破した主力ゲームである『蒼焔の艦隊』と、2023年4月に800万ダウンロードを記録した『A3!』は、ともに2015年6月に買収したリベル・エンタテインメントが開発したタイトルです。これまでに他にも『ブレイブオンライン』のエイタロウソフト(2019年1月に破産)や、デジタルカード販売サービス「Keyframe card」を運営するサクラゲートなど、数々の会社を傘下に収めてきました。

潮目が大きく変化したのが、2018年6月のサイバードの買収。連結子会社化した2018年12月期の売上高は、前期の2倍となる314億7,100億円に跳ね上がりました。

決算短信より筆者作成

しかし、その後は減収が続き、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり特需が働いた後の2021年12月期以降も、売上高は横ばいで推移しています。

M&Aを繰り返したアエリアは、現在3つの事業を展開しています。コンテンツ事業、ITサービス事業、アセットマネージメント事業です。コンテンツ事業はアエリアを含めて18社、ITサービスは4社、アセットマネージメントには6社が事業に携わっています。

有価証券報告書より

しかし、売上高への貢献度が高いのはわずか3社のみ。2022年12月期の売上高はサイバードが52億9,800万円、リベル・エンタテインメントが43億100万円、アセットマネージメント事業のImpressionが57億1,000万円でした。この3社だけで売上高全体の7割を占めています。

不動産事業を行うアセットマネージメント事業は別として、コンテンツ事業とITサービス事業の整理が必要な段階に入っているでしょう。目立った成果が表れているように見えないためです。子会社の統合や再編を行い、主力サービスに経営資源を集中しなければ、サイバードを買収する前のように業績が停滞する可能性があります。

名物経営者による「イケメンシリーズ」への経営資源の集中


《不破聡》

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