ノーティドッグに訊く、PS4 Pro対応までの道のり―4K対応は意外と難しくない? | GameBusiness.jp

ノーティドッグに訊く、PS4 Pro対応までの道のり―4K対応は意外と難しくない?

米ニューヨークで開催された「PlayStation Meeting」にて行われた、日本のゲームメディア合同の開発者インタビュー。今回は、Naughty DogのChristian Gyrling氏と、InsomniacのAl Hastings氏のインタビューをお届けします。

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ノーティドッグに訊く、PS4 Pro対応までの道のり―4K対応は意外と難しくない?
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米ニューヨークで開催された「PlayStation Meeting」にて行われた、日本のゲームメディア合同の開発者インタビュー。今回は、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』『The Last of US』の4K対応を担当したNaughty DogChristian Gyrling氏と、『Spider-Man』の開発を手掛けるInsomniacのAl Hastings氏のインタビューをお届けします。

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――『The Last of US』は開発当初から4Kに対応させる話は出ていたのでしょうか。

Christian Gyrling氏(以後Gyrling):いえ、PS4 Proが発売することになってから、4KとHDRにアップデートさせることが決まりました。アップデート作業は、非常に簡単なものでした。


――4Kコンテンツ開発はこれまでと違いはありましたか。

Al Hastings氏(以後Hastings):とても難しいというわけではありませんでした。期間も2カ月くらいです。開発全体を通してみても、非常に小さなピースでした。少ない予算と時間を投資するだけでイメージクオリティが大きく向上したのはエキサイティングでした。

――4Kにアップデートされたゲームの容量は、通常版と比較してどれほど増えるのでしょうか

Gyrling:「PS Meeting」会場で展示されていたタイトルは、PS4 Proでアップデートするだけで4Kでの実行が可能となります。非常に少ない容量のパッチを当てるだけで準備が整うのです。

――パッチのサイズは具体的にどれくらいなのでしょうか

Gyrling:大体、100MBほどのパッチとなります。

――『Spider-Man』も2K版から4K版へとアップデートされる形になるのでしょうか。

Hastings:元々、『Spider-Man』はアップデートする予定ではありませんでした。私たちは十分なディテールの素材を求めオーサリングを行っていましたので、追加の作業を行うことなくそのまま4Kに対応できたのです。唯一、カットシーンだけは再録する必要がでたくらいです。


――4K環境で開発は予定されていたのですか。

Hastings:開発当初は予定していませんでした。2Kをターゲットに開発していたので、4Kでの開発は私たちにとってはサプライズでした。

――4K対応パッチは、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』『The Last of US』ともにPS4 Proの発売にあわせ11月に配信されるのでしょうか。

Gyrling:両方ともその予定です。

――『Spider-Man』は途中から4Kに向けた開発に変わったとおっしゃいましたが、アセットは2K用と4K用を用意したのでしょうか。

Hastings:いいえ、アセットは1つだけです。『Spider-Man』も、旧作にパッチを当てるのと同じ方法でPS4 Proの4Kに対応しています。アセットを用意しなくても、コードを変えるだけで十分でした。アセットの大部分であるジオメトリやテクスチャなど、マテリアルも変える必要がなかったのです。開発当初は4Kのアイディアはありませんでしたが、対応するためにゲームのディレクションを変える必要がなかったため、可能となりました。

――テクスチャやスケーリングモデルなども4K解像度では十分だったと。

Hastings:ほとんどは十分でしたね。いくつかのシネマティック用のアセットは4Kでベストに見えるように手を加えていますが、大部分のパートでは問題も起こりませんでした。


――「Level of details(カメラの距離によって適したポリゴン数のモデルに切り替わる技術)」も変わっていないのでしょうか。

Hastings:PS4 Proを通常のテレビに接続した際に余るマシンパワーを駆使すれば変化させることができるかもしれません。しかし、それは私たちが現在向かっている方向ではありません。

Gyrling:私が言えるのは、PS4 Proで何を良くするかはトレードオフであるということです。ゲーム開発会社は4K解像度とHDRを非常に簡単にサポートできるようになっています。他の向上を求めるとさらに多くの時間を要することになってしまいますので、4KとHDRという少ない時間で大きくビジュアルを向上させる方を選択しています。将来的には、LoDにも手を加えていくかもしれません。

――シャドウについてですが、カスケードシャドウマップも安易に使えるようになるのでしょうか。

Hastings:私たちは、4K解像度をターゲットに追加されたパワーを使っており、残ったパワーで他の小さなパーツにディテールを追加できるように開発しています。ゲームによっては、シャドウにパワーを使うのも良い選択だとは思います。

Gyrling:補足ですが、すべてのコンソールとテレビを変えていくために、開発スタジオが何にコストをかければいいのかを私たちの品質管理部門はテストを重ねていることはご理解ください。

――本日はありがとうございました。
《Daisuke Sato》

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