【GDC2012】究極の都市育成シミュレーションを目指す『シムシティ』を支える「GlassBox」エンジン | GameBusiness.jp

【GDC2012】究極の都市育成シミュレーションを目指す『シムシティ』を支える「GlassBox」エンジン

GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew

その他 その他
GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
  • GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
  • GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
  • GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
  • GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
  • GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
  • GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
  • GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
  • GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew
GDC初日に電撃的に発表された『シムシティ』。約10年ぶりの新作に当たって「マクシス」は新たなエンジン「GlassBox」を引っさげ、究極の都市育成シミュレーションを作ろうとしています。さっそくこのエンジンについてエレクトロニック・アーツのOcean Quigley氏とAndrew Willmott氏は「Inside the GlassBox」と題する講演でエンジンの詳細と『シムシティ』のゲーム自体について語りました。

まず登壇したQuigley氏はシンプルに初代と同じ名前で呼ばれる『シムシティ』という最新作に多数のシリーズを支えてきたベテランエンジニアが携わっていると強調しました。ウィル・ライト氏とマクシスが生んだ作品は、ライト氏が同社を離れ、同社もEAの一部門として再編された今もなお当初の志を引き継いでおり、世界の全てをシミュレートするという意思が息づいていることを示唆しました。

マクシスが開発した全く新しいエンジン「GlassBox」


■究極のシミュレーション、そしてネットワークとの統合

「GlassBox」のコンセプトは"Alive"という感覚を実現することです。街を歩く人はまるで本物の人間のように意思を持ち行動を決定し、建物や自然は活き活きとしていて物理的にも正しく動きます。それらは相互に作用し、シムは周りのシムに影響を受けるだけでなく、「壊れている消火栓から水が吹き出ているのを避けて歩く」ようなことまで、全てがリアル、全てが本物の世界と同じにシミュレートされます。

ここからWillmott氏が具体的に「GlassBox」について説明していきます。「GlassBox」はシリーズが培ってきたデータを基にしたシミュレーションと、『ザ・シムズ』シリーズの特徴となってきた個別のオブジェクにロジックが与えられるという2つの考え方を進化させたものになっています。そしてこれは一般的なゲームで使える汎用的なシミュレーションエンジンではなく、『シムシティ』のために作られた、というのも重要なことです。

また、新しい時代のゲームに適応しようとする努力が「GlassBox」の開発の原動力になったと言います。深く言及はされませんでしたが、『シムシティ』はPCでネットワークと統合された形になるのは間違いありません。パッケージ+幾つかの拡張版、という過去から決別し、常にアップデータがされる「Downloadable Gameplay」(DLG)を実現するとしました。セーブデータはクラウドに常時保存され、どこでも同じゲームをプレイできるようになるそうです。一方で、常にインターネットに接続されている必要もないとのこと。


デビュートレイラー。後半に描かれている大停電に見舞われた都市と、それに対応する為に建設が進められる原発、反対する人々という描写にウィル・ライトのリベラルな思想が感じられた。その前のシーンでお披露目されるゴジラは人類が産み出してしまった悪魔を印象付ける。そういえば初代シムシティにもゴジラは現れて街を破壊していってました


■乱数ベースのシミュレーションから決別する

「GlassBox」のシミュレーションのコアとなるのは「リソース + ユニット + マップ + グローバル」という4つの単位とそれに付随する「ルール」です。順を追って説明していきますが、背景としてあるのは乱数表からの決別です。過去のシムシティはプレイヤーの都市設計をベースにしながら乱数、つまりランダムな要素を用いてシミュレーションが行われていました。これは計算能力に限りがある際には仕方ないことですが、プレイヤーにとっては理不尽と取れる結果をもたらす場合もあります。「GlassBox」では冒頭の4+1を使い、データの計算が支配します。

リソースは幾つも種類がある


まず「リソース」は日本語で資源と言い換えてしまってもいいかもしれません。人口、幸福度、資金、グッズ、税金、水、ゴミ、電力、石油、食料といったパラメーターがそれに当たります。この数はこれ以外にもかなりの種類があるようです。

ユニットは建物などを指す各ユニットはリソースを持つ


「ユニット」は家や商店、工場などの建物や、シム(人)など世界で何かをする主体になるものを指します。それぞれのユニットはリソースを保有します。例えば工場に水があるかどうか、シムの幸福度などです。

マップもリソースを持つ。これは石油。このあたりに採掘所を設ければ石油が産出されそうこちらは緑豊かな森林


「マップ」はプレイヤーが建物を築いてく舞台となるマップであり、グリッドのマス目毎にリソースを持ちます(天然資源というのでしょうか?)。木や石油といったものだけでなく、大気汚染、地価なども同様に持ちます。「グローバル」はこれを総計した世界全体のリソースの量です。

「ユニット」「マップ」「グローバル」のそれぞれの単位が持ちうるソリースの数には上限があり、これをBinと呼びます。この上限は変わり得るものです。

リソースの相互作用を定めたルールルールは計算式によって表される


最後に「ルール」はリソースの相互作用/変換を定めた式です。Input(入力)とOutput(出力)があります。例えば「人」がいれば「資金」は「木」に変えることができます(植樹?)。

マスタード工場のルールはこのようになる


ユニットにおけるルールもあります。例えば工場では「グッズ」を「製品」に変えることができます。その際に「大気汚染」が増えます。あるいは「マスタード」と「空のボトル」があれば、それを「瓶詰めされた製品のマスタード」に変えることができます。

マップにおけるルールもあります。例えば「水」と「養分」があれば緑が育つ、というような。

「GlassBox」の基本的な考え方は上記のようなもの。これらのロジックで「ボックス」が構成される


これが「GlassBox」の基本的な仕組みです。各ユニットが独自のシミュレーションロジックを持ち、かつ周辺のユニットと相互作用を起こしながら全体に影響を与えていきます。何を配置すると、それだけで変化が起こります。実験を重ねながら都市開発に取り組んでいけます。ただしこれだけではありません。

■以前からあるシムシティの概念もバージョンアップ

パスを引くことでリソースの移動を可能とする


「パス」は各ユニットを接続するためのもので、リソースの移動を可能とします。例えば道路、電線、水道管といったものがあり、パスには方向があります。過去のシリーズではこのパスに当たるものは直線的にしか配置できませんでしたが、今回は大きくパワーアップし、曲がった道路も実現できます!

ゾーンはシムシティではお馴染み


「ゾーン」は住宅地区、商業地区、工業地区というお馴染みのものです。

エージェントはリソースをパス上で運ぶ役割を果たす例えば工場におけるリソースとエージェントの関係


「エージェント」はユニット間でリソースを運ぶもので、Transport Handlers(交通手段)で制御されます。Walking(徒歩)では1人が少しの資金で運べ、Driving(運転)では2人がタダで運べますが少しストレスがたまります。Shuttling(バス)では10人が少しの資金で運べますがかなりストレスがたまります。Working(トレーラーなど)では2人が沢山のストレスをためます。下の図を見ていただくとより分り易いと思います。工場では「従業員の通勤」や「原材料の搬入」そして「製品の出荷」がそれぞれエージェントとなり、それぞれに消費するものがあります。エージェントはルールは持たず、その動きはユニット(この場合は工場)によって規定されます。

Transport Handlers(交通手段)はパスに依存します。クルマの動きは道路に規定され、リソースの移動は電力であれば電線、水であれば水道管に規定されます。ただし、街を自由に歩けるシムや、ヘリコプター、ボート、飛行機のようなパスに依存しないものも存在します。パスの検索にはD*-liteというアルゴリズムが利用され、目的地まで最短距離を取ろうとします。

マルチプレイヤーでは「ボックス」同士で影響が与えられる


「GlassBox」エンジンではマルチプレイもサポートされます。1人のプレイヤーの街は「ボックス」という単位で呼ばれ、一緒にプレイしているユーザーの「ボックス」と「パッケージ」という単位を相互にやりとりすることで影響を受け合うということです。これは非同期的に行われ、同時にプレイしている必要はありません。

ビジュアルはゲームの状況をより伝えるものになりました。以前であれば渋滞は渋滞のビジュアルで描かれていました。しかし最新作では沢山の数のクルマが描かれ、ゲーム内の状況とビジュアルが一致したものになります。「What You See Is What You Sim」ということで、ビジュアルから街の状況をリアルに把握できるようになりました。また物理エンジンも強化され、物理的にも正しい表現になっているとのこと。

ユニットはリソースを持つユニットはルールによって動いているルールの動きはエフェクトで表現される(工場が稼働することで煙が出ている)
同様にルールによって工場が稼働し、アニメーションで表現されるユニットは隣接するなどで合体することもあるマップによって自然が規定される
地形はリソースによって変わる四角いオブジェクトは全てエージェント(クルマ)こちらもエージェント
エージェントはリソースを運ぶ細かい部分までシミュレートされるパスがルートを規定する
エージェントが水を運ぶプレイヤーがゾーンを指定するすると建物が建つ


最後に3つの映像が紹介されました。「GlassBox」のシミュレーションを動かしながら紹介したものです。幾つかポイントを絞って画像を並べています。

■エコノミックループ

エコノミックループシムが家から出勤して工場にやってきて
工場が稼働し製品が作られる工場から製品が運び出される少し水が汚染される


■環境シミュレーション

環境シミュレーション水源マップポンプを建てると水が得られる
各家庭に供給されるそれが汚染されてしまうとシムが病気に


■火災の広がり

火災シミュレーション一軒から出た火がパスによって広がっていく(赤い円)
火というリソース(赤い●)がどんどん周りに広がっていく燃え盛っています大事です


様々な情報が明らかにされた一時間だった一方で、まだまだ奥が深そうな『シムシティ』最新作。発売は2013年になるということですが、今から待ち遠しいですね。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

+ 続きを読む

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら