Platypus Entertainmentは2025年10月に発売した『MISERY』について、GSC Game WorldによるDMCA申請により、Steamから削除されたと報告しました。
◆『MISERY』がGSCのDMCA申請で削除されたと報告
『MISERY』は、放射能で汚染され隔離区域を舞台に、拠点であるバンカーと地表を行き来して資源を集めて生き延びるサバイバルクラフト。ローポリゴンなグラフィックや地上マップが定期的に自動生成され別物へと変化するローグライト要素などが特徴です。Game*Sparkでは2025年10月の発売後すぐにプレイレポを掲載しています。
同時プレイヤー数12,291人を記録するなど好調な滑り出しを見せていた本作ですが、11月8日頃に突如としてSteamからストアページが削除されました。Platypus Entertainmentは、SteamやDiscordを通して声明を公開。GSC Game WorldによるDMCA申請が原因であると主張しました。

そして、『MISERY』の舞台は架空のザスラヴィエ共和国であり、『S.T.A.L.K.E.R.』の世界やチョルノービリ(チェルノブイリ)とは関係がなく、キャラクター、プロット、ストーリー、アセット、モンスター、音楽、コードについても一切を盗用した事実はないと断言。全て自分たちで制作した、あるいは正当にライセンス契約を結んだものであるとし、『MISERY』のストアページ復旧に向けた対処を行うとしました。

◆『S.T.A.L.K.E.R.』コミュニティも巻き込み混沌とした事態に
このDMCA申請がコミュニティに注目され、Redditなどでは『S.T.A.L.K.E.R.』から盗用している要素が本当に存在しないのかを検証しようとする動きが広がることに。コピーされたアセットが存在する、音楽が無断で使用されているなどの真偽不明の情報が飛び交うとともに、『MISERY』公式Discordにてロシアのウクライナ侵攻を支持する活動が見られると主張する投稿も行われ、混沌とした状況が広がっています。
『MISERY』公式Discord上では、この状況に対する開発者からの新たな声明も公開されています。その中で、自身も過去に不適切かつ攻撃的な発言を行ったことがあると認め、その責任は全て自分自身にあるとして謝罪。自身が16~17歳だった2022~2024年頃、挑発的な政治ジョークをネットに書き込めば尖った存在になれると考えて投稿してしまったと説明しました。

また、過去の投稿は現在の自身の信念を現したものではなく、いかなる形態の過激主義や暴力、特定の集団に対する差別も支持していないと発言。さらにDiscordサーバーについては、全ての人にとって安全で居心地の良い空間を維持するため、厳格なモデレーションルールを導入するとしています。
なお、この声明内でもDMCA申請は根拠がないものであるとし、冷静かつ専門的に対処を行っていくと説明しています。


◆はたして真相は…?
記事執筆時点(11月8日16時)で『MISERY』はSteamから削除された状況が続いています。Platypus EntertainmentがDMCA申請の送り主だと主張しているGSC Game Worldは、本件に関する声明を公開しておらず、Platypus Entertainmentの声明がどこまで事実であるのかも不明。まずは落ち着いて成り行きを見守る必要がありそうです。










