
SteamとEpic Games Storeから相次いで販売を拒否され、話題となったインディーホラーゲーム『HORSES』。これについて、パブリッシャーのSanta Ragioneは、発売後2週間で18,000本以上を販売し、約65,000ドルの純収益を達成したと発表しました。海外メディアのIGNやEurogamerなどが報じています。
大手ストアから販売拒否も18,000本販売で借金完済、しかしスタジオの危機は続く
『HORSES』は、大学生の主人公が夏休みを利用し、14日間の農場生活を体験する一人称視点のホラーゲームです。しかし、その農場にいる「馬」は、馬の仮面を被せられた全裸の人間として表現されています。
プレイヤーは家畜の世話といった仕事を通して、「価値観の逆転」や「個人の責任の倫理」といったテーマに直面することになります。



本作は2023年にSteamへ最初のビルドを提出した際、「Steamで配信できない」との通知を受けました。開発側が2年間にわたり説明を求めたものの、Valve側は具体的な問題点を指摘することなく、異議申し立ては繰り返し却下されたとのことです。
さらに、リリース直前の2025年12月には、Epic Games Storeからも「不適切なコンテンツ」に該当するとして販売中止の通達を受け、大手プラットフォームから締め出される形となっていました。
しかし、GOG.comやHumble Storeなどでの販売により、発売後2週間で18,000本以上を売り上げ、純収益約65,000ドルを達成。この収益により、開発費用のために借り入れたローンや、クリエイターへのロイヤリティを完済することができたと報告されています。
一方で、Santa Ragioneは「この収益だけではスタジオの運営を続け、次のゲーム開発に着手するには資金が全く足りない」と説明。チームメンバーは当面、別の仕事を続ける必要があるとしています。

Eurogamerが11月に行ったインタビューによると、スタジオ創設者のPietro Righi Riva氏は、Steamで販売できないことにより開発費の回収が困難であるため、本作が「スタジオの最後のゲームになる可能性が非常に高い」と語っていました。
Santa Ragioneは今回の発表に際し、安堵しつつも、問題の本質は解決していないと指摘。「今回の結果が、より大きな問題から目を逸らすものであってはならない」とし、Valveのような巨大プラットフォームが、不透明な審査基準を持ちながら説明責任を果たしていないことを改めて強く批判しています。
『HORSES』は、GOG.com/Itch.io/Humble Storeで販売中。価格は4.99ドルです。











