2025年10月24日に配信が開始されるも、『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズで知られるGSC Game WorldによるDMCA申請によりSteamでの販売が一時停止されていた終末サバイバルクラフト『MISERY』ですが、本日11月14日に販売が再開。開発元のPlatypus Entertainmentが、本件の詳細を報告しました。
◆ゲーム全体が著作権侵害にあたると指摘されていた
『MISERY』は、核災害区域を舞台にした1~5人プレイの協力型サバイバルゲームです。アノマリーやモンスター、武装した盗賊に注意しながら放射能に汚染された廃墟で資源を探し、バンカーを建設し、武器をクラフトし、仲間と共に自動生成される奇妙な世界を探索していきます。
GSC Game Worldは本作に対して、プロットや個々のシーン、デザイン、アートワーク、シナリオ、ブランディング等、『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの著作物を許可なく直接参照し、利用することを目的として設計されているとともに、レビューセクションでは多くのユーザーが同シリーズに言及しているためゲーム全体が著作権侵害にあたると指摘していました。

◆誤解は解消
Platypus Entertainmentはこうした主張に対して、『MISERY』の世界や設定、キャラクターなどは多くの文化的遺産や映画、書籍やゲームからインスパイアされているが、完全に独自のIPであると主張。
舞台となるザスラヴィエ共和国は他の世界とは繋がりがなく、キャラクター、イベント、ストーリーラインなどを使用したり直接言及することはないと反論していました。
幸いにもその主張は理解されたようで、誤解は解消されたとのこと。ただ、警告を受けた時点では把握していなかった、申し立てにも記載されていなかった問題が2つ見つかったため、修正を行ったことを明らかにしています。
見つかった問題の詳細と対応
ファイル内のヘリコプターのモデル
『MISERY』は約4年間開発が進められていた非営利教育プロジェクトの発展形であり、2025年初頭に形になり始めた。該当モデルはゲーム内では一度も使われていないが、残存物として意図せずリソース内に存在していた。明らかに開発側の見落としではあるものの、実害はない。コミュニティの調査でこのモデルが発見され、現在は永久に削除されている。ギター曲
GSC Game Worldのゲームでは、「Tsyganochka」など人気のフォークソングがギターメロディとして使用されていた。『MISERY』開発者の友人がこれらの曲の一部をオリジナルカバーし、ゲーム中のギター曲として採用した。
GSC Game Worldのオリジナルファイルは一切使用していないものの、一部の曲はGSC Game Worldが特別に作曲または独占的にライセンス供与していることが判明。GSC Game Worldからの削除要請により該当曲を直ちに削除した。
また、GSC Game Worldは同社のゲームに関連する参照やイースターエッグを一切含めないよう求めたとのことで、残念ではあるが同意して削除したそうです。
◆一部の行き過ぎた行為には苦言
Platypus Entertainmentは、今回の件に関して最初の連絡手段がDMCA申請ではなく、単純なメールだったら大事になることはなかったと落胆しています。
加えて、ファンの協力には感謝と理解を示しつつも、GSC Game Worldのゲームに対する“レビュー爆撃”には苦言を呈し、侮蔑や人種差別、政治批判といった行為は絶対に控えてほしいとお願いしています。




すったもんだがありつつも無事復活した『MISERY』は、1,200円でSteam配信中。復活を記念してDLC「Zaslavie Supporter Pack」とのバンドル版が50%オフとなっています。
¥10,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)











