2025年10月21日、『Lair of the Leviathan』を制作している海外ゲーム制作グループNostalgic RealmsのDavid氏は、「クラシックスタイルのダンジョンクロウラー(ウィザードリィのようなタイプ)は今でも日本で人気がありますか? もし人気があるなら、こちらの作品をぜひチェックしてみてください!アートスタイルが本当に素晴らしいです」という日本語のポストをX(旧Twitter)にて行いました。
海外にも日本の「3DダンジョンRPG」人気は伝わっている!?

David氏が紹介したゲームは、Talesworth Game Studioが開発中の3Dダンジョン探索ゲーム『The Secret of Weepstone』です。

このゲームは厳密には旧作『ウィザードリィ』タイプとは異なるのですが(移動がマス目式ではなくFPS形式である、あえて言えば移動形式は『ウィザードリィ8』に近い)、このゲームを「『ウィザードリィ』のようなタイプのゲーム」として日本人に向けて紹介するあたり、日本においては「3DダンジョンRPG」が根強い人気を保っていることを海外の開発者も認識しているようです。
実のところ、「3DダンジョンRPG」は海外でも根強い人気はあります。例えば2025年10月に開催されたSteam Nextフェスでは『Legends of Amberland III: The Crimson Tower』『Obelus Manor』『The Depths of Duskraven Manor』といった3DダンジョンRPGのデモ版を遊ぶことができました。
たまに「3DダンジョンRPG」は日本でしか人気がない……という意見をSNSで見ることがありますが、それははっきり言って誤解だ……と筆者は申し上げたいところです。
ただ、「3DダンジョンRPG」のノスタルジーの原点について日本と海外で違うと感じるのは確かで、日本においてはそれが『ウィザードリィ』の旧作に主に着地するのだと筆者は考えています。
何故『ウィザードリィ』の旧作が日本の「3DダンジョンRPG」の原点として捉えられるかにははっきりとした理由があり、『ドラゴンクエスト』、そしてそれ以前の多くの国産PC向けRPGに『ウィザードリィ』と『ウルティマ』の2作が多大な影響を与えてきたことが語られてきたからだと思われます。
その後、『ウィザードリィ』については国産PC、そしてFCへのローカライズ戦略が上手く成功し、国内で強固なコミュニティを確立するに至りました。こうしたコミュニティの影響は、今でも無視できないものがあります。
一方、海外においても『ウィザードリィ』は過去に非常に高い評価を得たコンピューターRPGであることには間違いないのですが、そうした過去の名作たちの「ワンオブゼム」として捉えられているのが現状です。故に海外発の「3DダンジョンRPG」のノスタルジーの原点は『ウィザードリィ』に限らず、『マイトアンドマジック』『ダンジョンマスター』、あるいは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』など、非常に多様なノスタルジーを抱えている……というのが、筆者の認識です。
何はともあれ、海外発でも『ウィザードリィ』をノスタルジー源とする3DダンジョンRPGはありますし(『Jettatura』とか)、今回の話題のツイートも『ウィザードリィ』を引き合いに出していることから、海外の開発者もこうした日本の「3DダンジョンRPG」ノスタルジーの背景を捉えているのではないかと筆者は思っています。
「3DダンジョンRPG」の日本における人気において、皆様はどう思われますか?是非ともコメントをお寄せください。