
Steamで一部通貨での利用が停止されたオンライン決済サービス「PayPal」について、成人向けゲームを手掛けるイギリスのゲーム開発者がPayPalの口座が凍結されてしまったとRedditで報告しています。
成人向けゲーム規制の影響受けたSteamでのPayPal決済
2025年7月からSteamではPayPal決済ができないと一部のユーザーから報告されており、Valveは特定通貨での決済を担当するアクワイアリング銀行からSteam関連取引の処理を停止すると通達されたことを説明していました。
Steamで一部通貨でのPayPal決済が停止された件について、ValveはMastercardが決済代行業者やアクワイアリング銀行を通して間接的に成人向けゲームの規制していることに関係していると海外メディアを通じて表明しています。
頼みの綱であったPayPalが口座凍結の憂き目に
成人向けゲームのプログラマーであるというRedditの投稿者は、Steamで1ヶ月前にリリースしたゲームが約80,000ポンド(約1,600万円)の収益を上げ、その報酬を受け取る予定でした。しかし、PayPalは4週間以上にわたって一切の送金を拒否していると報告しています。
投稿者のゲーム開発では、Steamでの売り上げをリードデベロッパーの法人口座で受け取り、そこから収益の分配分が投稿者のPayPal法人口座に送金される仕組みになっています。
PayPalは投稿者の口座に入金された資金について細かい問い合わせを行い、最終的には販売したゲームのストアページへのリンクを要求しました。投稿者は指示に従いリンクを送信したものの、成人向けゲームであると判明すると送金を拒否されたと報告。リードデベロッパーへの返金も実施されずに口座が凍結されたと説明しています。
PayPalの利用規定ポリシーでは成人向けコンテンツで決済が制限される場合があると記載されており、アメリカ外ではデジタル媒体を通じて性的な内容を含むデジタル商品やコンテンツを売買することを禁止しています。
投稿者は自身が開発したゲームが完全に合法で、イギリスの法律に反するジャンルは一切含んでいないと述べていますが、PayPalの利用規約に違反していると通達され凍結されてしまいました。
各種ゲームプラットフォームで深刻化している決済代行業者による成人向けゲーム規制問題。投稿者は金融アプリも含めて銀行から排斥される問題に直面しており、取引を円滑にするためにはPayPal以外に選択肢はなかったと説明していますが、頼みの綱も切れてしまい極めて厳しい状況に陥っている模様です。