VTuber用モデル制作をサポート!クラスター×Makuakeが始動する『サンジゲンカProject』を代表者2人が語る | GameBusiness.jp

VTuber用モデル制作をサポート!クラスター×Makuakeが始動する『サンジゲンカProject』を代表者2人が語る

2018年5月22日に日本最大級のクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ))を運営するマクアケが、バーチャルイベントプラットフォーム「cluster.」を運営するクラスターと連携を取り、クラウドファンディングを通じてバーチャルYouTuberの3Dモデル化をサポート…

企業動向 戦略


2018年5月22日に日本最大級のクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ))を運営するマクアケが、バーチャルイベントプラットフォーム「cluster.」を運営するクラスターと連携を取り、クラウドファンディングを通じてバーチャルYouTuberの3Dモデル化をサポートする新プロジェクト『サンジゲンカProject』をスタートさせることを発表しました。

いまだ勢いに歯止めがかからず、個人や企業問わず多くの人々が期待を寄せるバーチャルYouTuber市場において、“3DCGモデル制作”が大きな参入障壁になっている現状から生まれた本プロジェクト。まず「3D化を希望するバーチャルYouTuberを募集」「『Makuake』が3D化目的としたクラウドファンディング企画をサポート」「『クラスター』が3Dモデル制作をサポート」という手順で、バーチャルYouTuber業界への参入希望者を支援していくそうです。


そんな注目の取り組みがスタートを切る直前に、編集部は株式会社マクアケ 代表取締役社長の中山亮太郎氏と、クラスター株式会社 CEOの加藤直人氏に直撃インタビューを実施。『サンジゲンカProject』にかける情熱や今後の展望、両者が考えるバーチャルYouTuber事業の未来などを熱く語ってもらいました。

──本日はプロジェクト始動直前という忙しいタイミングのなか、インタビューをお受けいただきありがとうございます。それでは、両社がメインに手掛けられているサービスについて教えていただけますでしょうか。


加藤直人氏(以下、加藤氏):まずは私の方から。「cluster.」は簡単に言うとバーチャル上でイベントができる――VRデバイスやパソコンを使えばバーチャルイベントに参加できるサービスです。2018年4月にはバーチャルYouTuberさんのイベントを開催したりなど、“バーチャルタレントに会いに行ける”という体験を提供しています。


中山亮太郎氏(以下、中山氏):「Makuake」は、面白い新製品や新店舗、さらには新しいコンテンツを作る時に、インターネットを通じて資金を調達できるというサービスを展開しています。日本中の色んなユニークな飲食店から、アニメや映画などのコンテンツが「Makuake」を通じて生まれています。

──まったく異なる領域で事業を展開されていた「Makuake」と「cluster.」ですが、この度連携することになったキッカケは何ですか?

中山氏:そもそも加藤さんとは一緒にアニソンのライブに行ったりするというつながりが……。

加藤:(笑)

──え!?そんな意外なプライベートの繋がりがあったんですね(笑)

中山氏:そういうアニメコンテンツ好きなところが共通点だったんですけども(笑)。もっと遡ると「cluster.」がサービスを立ち上げる前、加藤さんが起業したばかりで「どういう事業にしていくか」と悩まれていたタイミングで壁打ち役のようなことをやらせていただいていたんです。

加藤氏:そうですね。IBMのアクセラレータープログラムに参加した際、メンターとして相談に乗っていただいて……、「cluster.」の原型ができたキッカケは中山さんでしたね。

──ということは、中山さんはそもそも「cluster.」の影の立役者でもあるんですね!

加藤氏:本当にそう言えますね(笑)

中山氏:いえいえ……(笑)。その時に加藤さんが絶対にやりたくない方向に進もうと悩まれていたんですけど、どう考えてもオタク心を爆発させた事業にした方がいいんじゃないかと思い……心の解放を促した形ですね。


──なるほど、心の解放……ですか。その当時に加藤さんが感じられていたジレンマについてもう少し聞かせていただきますか?

加藤氏:結果として、会社を設立して半年後ぐらいに「cluster.」のα版ができたのですが、実は最初に会社を作った時、そもそも何をやるのかは決めていなかったんです(笑)。VRの領域でいきたいとは決めていたのですが、正直なところ具体的にどのようなサービスに落とし込むかは悩んでいたんです。そんな時に中山さんからアドバイスをいただいたのですが、それが「もっと自分の欲望を爆発させたものにした方がいいんじゃないか」というもので(笑)。

──そういえば、加藤さんの事業は“引きこもり”がキーワードになっていますよね。悩みというのは、「自分は表舞台に立ちたくない……」というような考えに起因するものだったりするんですか?


加藤氏:そういうことでもありますね。私がそもそも会社を作る前に何をしていたかというと、大学中退して3年間引きこもっていたんです。ネガティブなことがあったのではなく、単純に外に出るのが面倒くさかっただけなのですが……。ちょうどその頃VRデバイスと出会い、「このまま水樹奈々さんのライブに行けたらいいじゃん!」と感じ、その想いがこうして形になったんです。

中山氏:加藤さんが今の話をしている時は、目が普段とはレベルの違う輝きになっていますよね(笑)。ただその考えには、僕自身がアニメやアニソンのライブが好きなのですごく共感できました。僕らと同じ思いを持っている人も絶対いることも分かっていたので、自分が一番作りたいサービスに情熱を爆発させた方がいいなと。

加藤氏:別に引きこもっていても、ここまでサービスが充実しているインターネットがあればフラストレーションはほとんど溜まりません。ただ、唯一コミケや音楽ライブのような“熱さのある体験”がネット回線には乗っていないということに不満はあったんです。これまでインターネットはインフォメーションしか吸収できませんでしたが、今はエクスペリエンスを乗せられるようになり、その熱狂を届けられるのが「cluster.」です。

──ちなみに初めての出会いの際、中山さんが感じた加藤さんの第一印象はいかがでしたか?

中山氏:一番苦しい時だったと思うので、迷い子のような目をしていましたね(笑)。どういう事業にしていくべきか苦悩している気持ちが伝わってきたのですが、よくよく話してみると熱い想いがあり、何か面白いことを成し遂げていく起業家になるんじゃないかという印象でした。

加藤氏:(笑)。ありがたいですね。僕は中山さんが最初はオタクという感じがしなかったのですが、話していくうちに隠れオタクだなと(笑)。

◆両社のシナジーで“会える”バーチャルタレントを増やしたい



──今回の連携で何を実現したいと考えていますか?

加藤氏:昨年からバーチャルなタレント性を持ったキャラクター・個人による表現が増えてきており、「cluster.」では彼らに会いに行けるという場を提供しています。2Dには2Dの良さがありますが、技術的・コスト的なハードルによって3D化を断念して、仕方なく2Dで表現している方々も多いのではないでしょうか。そこで「cluster.」が持っているノウハウと、「Makuake」によるファンたちからの資金サポートが連携することで、より良い体験・コンテンツを提供したいと考えています。

中山氏:僕らが3D化におけるファンからの支援を集める場になり、「cluster.」さんが3D製作する架け橋になりつつ会いに行ける場を提供していくという役割ですね。

──「cluster.」のサービスを始めて、“3Dモデル製作のハードルが高い”といった悩みの声があったのでしょうか?

加藤氏:もちろんありましたね。2Dにももちろんハードルはありますが、3Dのモデルを製作するというスキルを持つ人の方がまだ少なく、ノウハウやナレッジの共有もあまり多くないのでハードルが高いというのが現状です。

──モデル制作と言えば、「Makuake」では先日までバーチャルYouTuberの「富士葵」をかわいくするクラウドファンディングが行われていましたよね。

中山氏:実はそのプロジェクトが終了して間もなく、加藤さんから「面白いことを思いつきました」と今回のプロジェクトの提案をいただいたんですよね。もともと加藤さんとはずっと何かやりたいと思っていましたんですけど、「会いに行けるバーチャルYouTuber」という企画を聞いて面白いなと。二次元は二次元のままに楽しむ方がいいキャラクターもいますが、本当はもっとリッチな表現をしていきたいのにお金やリソースの問題で3D化を実現できない方もいることを加藤さんから聞き、この2社が連携すればそうした課題を乗り越えていけると思いましたね。


加藤氏:僕自身がバーチャルYouTuberの大ファンなので、より家に引きこもりながら会いに行ける人が増えたらいいなというのが純粋な気持ちです(笑)。

中山氏:また「cluster.」が3D化をサポートするだけでなく、「cluster.」があることで会いに行けるというのはとてもユニークだなと思いますね。『初音ミク』などリアルのイベントでホログラムを出すというの例はありますが、バーチャル空間でキャラクターに会いに行ける……もはや『ソードアート・オンライン』のアスナに会いに行けるような感覚ですよね(笑)。

──その「富士葵」さんのプロジェクトに関わって、中山さんはどのようなことを感じましたか?

中山氏:ファンの熱狂がすごいなと思いましたね。“かわいくなりたい!”というプロジェクトだったのですが、ファン同士のコミュニケーションが面白く、いい意味で賛否が巻き起こっていました。ずっとかわいくないと言われていたのに、いざプロジェクトがスタートすると「今のままがいい」との声が挙がったり(笑)。できあがったモデルの評判はとてもよかったですし、僕もかわいいなと感じました。今となってはいちファンとして富士葵ちゃんの配信を楽しみにしています。

──中山さんも以前からバーチャルYouTuberに興味を持っていたのでしょうか?

中山氏:ファンとしてウォッチしていたわけではありませんけど、市場として盛り上がりは感じていましたし、動画を見ることもありましたね。

──ちなみに、加藤さんはどのバーチャルYouTuberのファンなのですか?

加藤氏:最近はにじさんじの月ノ美兎さんがお気に入りです。3D化して会いに行けるというのがめちゃくちゃうれしくて!

──今回の連携で実現したいことは“会いに行けるバーチャルタレントを増やしていきたい”とのことですが、その会えるという環境を作ったうえで、どんなことを実現していきたいですか?

加藤氏:「cluster.」の立ち位置としては、こちらから押し付けるのではなく表現の場であるべきで、だからこそファンとしての僕らも楽しいのかなと。だから、何でもできることが一番いいことだと思っています。クリエイター・バーチャルタレントとして独自なことをやってくれる、ファンと触れ合える接点という特性を生かして色々やってくれればうれしいですね。

──それって現実のライブハウスを運営している感覚に近い気がしますね。

加藤氏:まだ見たことのないものができあがってきたら、すごくうれしいです。

──中山さんとしては、「cluster.」はどんな存在になってほしいですか?

中山氏:「バーチャルなのにとても生」というリアル以上の温もりがどうやって生まれ、一体何が起こるんだろう……?という楽しみがありますね。生のアイドルとリアルで会う時の心の動きは想像できますが、バーチャルタレントとバーチャル空間上で自分もバーチャルキャラクターとして会いに行った時に生まれるユーザー体験では、どういう感情が生まれるのか今からワクワクしています。

加藤氏:現実空間以上のことをしたいですよね。握手なら現実でもできますが、「cluster.」ならバーチャルならではの交流ができます。ボディガードもいらないですし。

──“会いに行ける空間”と言えば、最近ではドワンゴから「バーチャルキャスト」、アップランドが「VR LIVE」などのプラットフォームを開発していましたが、他のプラットフォームとの差別化はどこで図るのでしょうか?

加藤氏:「cluster.」自体、バーチャルYouTuberが人気になる前から、集まる・会うという体験を提供している商業利用のイベントスペースだったので、それをしっかり尖らせていくというのはあります。最終的にソフトウェアはコモディティ化していくので、コミュニティがあることが一番の強みかなと。「cluster.」は今後、ユーザーさんたちが自ら会場を作って資産がたまっていき、たとえば「このバーチャルYouTuberさんにこの会場を作ってイベントをやってほしい」「ゲームを作ったのでプレイしてほしい」など、これまでにないより自由度の高いものを作っていけたらいいなと思いますね。

◆バーチャルタレントは世界を席巻する?



──お二人はバーチャルYouTuber市場が今後どうなっていくと思いますか?

加藤氏:実は僕はYouTuberという枠ではとらえていなくて、普段はバーチャルYouTuberではなくバーチャルタレント、バーチャルインフルエンサーと呼ぶようにしています。こうした存在は、リアルを駆逐するとは思っていなくて、リアルとバーチャルの境界線がもっと曖昧になるのではないかと。マーケットという観点でいうと、今の生身のインフルエンサーやタレント事業と同じ規模まで成長していくと思いますね。たとえば、「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんがテーマパークのアトラクションになっていましたが、数年後に彼女やPerfumeさんのライブが「cluster.」で開催されるなんてこともあるかもしれません。逆に、キズナアイさんがリアルの会場で音楽ライブをやることも増えそうですし、どちらかがどちらを食うというわけではなく、ごちゃまぜになるのではないでしょうか。

中山氏:世界を牽引できる、日本を代表する産業になると思っています。「cluster.」のような場を提供するプラットフォーム、バーチャルタレント自体を運営していく事務所があり、空間と時間にとらわれないで表現ができていくのが当たり前になっていくと思いますね。ただ、表現力や場の盛り上げ方、プラットフォームの使いやすさなどはまだまだ発展途上にあり、市場としてもブルーオーシャンであると思っています。アニメが世界を席巻して、やはりこうしたコンテンツは日本の偏差値が高いということで、バーチャルタレントも同様に世界に拡散し得るヒット産業になると考えています。


加藤氏:それと加えるなら、世界に出るために重要なのは、富士葵さんのように歌が重要になると考えています。“音楽は国境を超える”といいますが、音楽表現で影響力を持ったタレントさんが出てくると、世界まで広がっていくはずです。

中山氏:日本だけの盛り上がりではおさまらないと思いますね。

加藤氏:個人でできているのも魅力ですよね。ほとんどのバーチャルYouTuberは個人のプロジェクトで、今はその盛り上がりをうけてどんどん企業が参入しつつありますが、個人でも企業に匹敵する影響力を持てるというのも面白いなと。

──クラウドファンディングは個人だけでなく企業でも利用されているのでしょうか?

中山氏:個人での成功事例は多かったものの、企業がなかなか上手く使えない状況があったのですが、その裾野を広げたのが「Makuake」で、継続的に産業界で使われている唯一のプラットフォームになっています。僕としては大企業も中小企業も個人もスタートアップも、すばらしい挑戦をしていくのに大も小もないと思っていて、チャレンジを仕掛けていく人は僕らにとってのスーパーヒーローです。しかし、世の中には資金はもちろん、様々な問題ですばらしいアイディアがお蔵入りしてしまい、羽ばたかずに日の目を見ないものも多くあります。僕たちはその羽ばたきを阻害していくようなハードルをすべて取っ払っていきたいんです。今回の場合、よりリッチな表現をしていきたいバーチャルYouTuberの資金面を「Makuake」でお手伝いし、ネックになっていた3D化は「cluster.」がやってくれる。大きなチャレンジでつまずきがちな小石を外していく事業努力をしていきたいですね。

──個人と企業の垣根が少ない「Makuake」と「cluster.」の事業の相性の良さを感じますね。

中山氏:「cluster.」は面白い市場で勝負していて、それは人間の根本的な欲求をインターネットで実現するサービスだということです。例えばFacebookは「誰かとつながってひとりになりたくない」という人間の寂しさを紛らわせてくれるサービスだったので、何十億人が使うプラットフォームに成長しました。一方、人間は太古の時代から祭りがあり、「一体感を持ってはしゃぎたい」という根本欲求も持ち合わせているのだと思います。僕はULTRA JAPANやANIMAX MUSIXのような音楽フェスにも行きますが、みんな色々なところから来てはしゃいでいる。リアルな場ではフェスなどのはしゃぐ場がありますが、ネットでそれを体験できるサービスはまだまだ少ない……。「cluster.」はそうした人間の根本欲求をくすぐるサービスだなと思っているので、かなり面白いサービスになると期待しています。

──「cluster.」を通じて、自分がはしゃげる人間だなと気づく人もいそうですよね。

加藤氏:僕は肉体の枷をはずしたいと思っています。肉体に人間は束縛されているので。

中山氏:「家にいながらLiSAさんや藍井エイルさんのライブに行って、サイリウムを振って一体感を得るような体験って絶対面白いよな」と立ち上げ時に話していましたね。

加藤氏:はい、リアルのライブに行って思ったのは、楽しいけれどちょっとめんどくさいなと(笑)。

──最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

中山氏:「会いに行けるバーチャルYouTuber」という新しい領域を、記事を読んで下さったみなさんと一緒に作れたらと思うので、一緒に盛り上げていきましょう!

加藤氏:このプロジェクトを通じてできていなかった表現を可能にする場として「cluster.」、「Makuake」さんのサポートを使っていただけたらいいなと思います。今までにない表現や体験が、サンジゲンカプロジェクトを通じて生み出してもらえたら、いちファンとしてうれしいですね。よろしくお願いします!




“アニソン”のライブのようなイベントが家にいても体験できないかと誕生した「cluster.」。そして“アニメ”が好きという繋がりから「Makuake」と共にスタートを切った『サンジゲンカProject』。両氏は「アニメ」に負けず劣らず、バーチャルYouTuberが世界をリードする日本のカルチャーになると話していましたが、これから『サンジゲンカProject』がこの業界に対してどんな足跡を残すことになるのでしょうか。

同プロジェクトを通じて、世界を席巻する新しいバーチャルYouTuberが生まれる日が訪れるかもしれませんね。
《まいたこ@インサイド》

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