スクウェア・エニックスからiOSで30日にリリースされたハイスピードアクションRPG『GUNS N' SOULS』。アクションゲームの爽快感や疾走感と、カードバトルRPGが融合した意欲作です。このタイトルの足回りを支えたのが、マイクロソフトのクラウドサービス、Windows Azureでした。開発会社やネットワークベンダーなど、さまざまな人々の思いが幾重にも重なって誕生した本作の舞台裏について、話を伺いました。
星: 『GUNS N' SOULS』は、もともと主人公のジギーが持っている武器の名称なんです。その武器自体がストーリーのキーファクターになっているので、それを拝借しました。またジャンルがシミュレーションRPGからアクションRPGに変わっているので、新しいIPとして打ち出したかったというのもあります。
安藤: 自分としても『ソングサマナー』とは違うタイトルにしつつも、どこか音楽っぽいタイトルを付けて欲しかったので、とても気に入っています。『GUNS N' SOULS』って、ガンズ・アンド・ローゼズ (Guns N' Roses/アメリカのロックバンド)にも韻が似ているし、もっといえばRock 'n' Rollとも似ていますよね。そもそも、弊社がアップルと最初に仕事をするきっかけになったタイトルがiPod版の『ソングサマナー』で、その時も携帯音楽プレイヤーで遊べるゲームということで、音楽というものを凄く意識したんです。実際、シナリオの北島さんも音楽好きならニヤリとするような要素をたっぷり、散りばめてくれました。そういったことを、ちゃんと星がくみ取って、タイトルとロゴを提示してきてくれたので、産みの親としてはうれしかったですね。
安藤: 僕はこれまで専用ゲーム機のスタンドアロンのゲームづくりからはじまって、MMORPG、ブラウザゲーム、ガラケーのウェブ系ゲーム、ネイティブアプリ、それからXbox Live アーケードと、さまざまなゲーム開発に携わってきました。そういえばWindows Phoneのゲームも作りましたよ!そこで感じるのは、スタンドアロンと同じ感覚でオンラインゲームを提供することは、技術的に本当に難しいんですよ。お客様からすれば、繋がっていて当たり前だし、レスポンスが良くて当たり前ですよね。でも、日本で開発しようとすると、まだまだ経験値が少ない企業が多くて、いきおいクライアントとネットワークの開発を別々の企業に担当していただく必要があります。そのプロデュースが本当に難しいんですよ。『GUNS N' SOULS』も技術的に相当、高度なことをやっています。
―――クライアントとネットワークは水と油のところがあります。
安藤: まさにそうです。それが、2008年にiPod向けのゲームを作って、そこから『完全版』が出て、さらに弊社でFIXERさんとおつきあいが生まれて、『煉』『ギャラクシーダンジョン』の成功体験と失敗体験が共有されて、その間にWindows Azureがどんどん進化して、世の中の流れがどんどんスマホゲームに向いてきて、気がついたら『GUNS N' SOULS』がリリースできたというのは、なんだか感慨深いですね。実際、それまでの経緯が何もない状態で、いきなり1年前に同じ座組で、さあ作ろうといっても、絶対に同じ物は作れなかったと思うんですよ。それまでの点と点がつながって線になって、面になって・・・と、いろいろな意味での巡り合わせを感じます。