『Dishonored』や『Prey』などで知られるArkane Studiosの創設者・Raphael Colantonio氏が7月5日、SNSでGame Passを強く批判するコメントを投稿しました。
Game Passのメリットを享受するユーザーたちは反論
既報の通り、マイクロソフトは7月2日に、全従業員のうち最大4%となる約9,000人をレイオフしました。Colantonio氏はこの報道を受け「Game Passの最大の問題点に、なぜ誰も触れないのか?」と苦言を呈したと思われます。
同氏は「Game Passは持続不可能なビジネスモデルであり、ここ10年ほど業界に悪影響を及ぼし続けてきました。MSの“無限の資金”に支えられてきましたが、いつかは現実に直面する」とコメント。続けて、「GamePassは類似サブスクサービスと共存できるとは思えません。他を潰すか、諦めるかのどちらかになるでしょう」と述べています。
これらを見たユーザーからは「“持続不可能”なビジネスモデル?Game Passが始まってから約8年も経っていますよ」「ならばなぜ、『Dishonored』をローンチ初日からGame Pass対応にしたわけ?ダメなゲームがGame Passで奇跡を起こせなかったから、不満を述べてるだけの人にしか見えない」など、辛口の返信が寄せられました。
Colantonio氏はこうした意見に対し「実際にMSは8年経った今でも黒字にはなっていない。MSはいつの日かGame Passでの収入が、買収・ライセンス・1億ドル規模の開発費といった投資額を上回ると夢見ている」と反論。
また「世に出るゲームの多くは駄作なのに価格は高騰。私の国ではAAA級タイトル1本の価格が、最低賃金の3分の1もする。だからGame Passは神からの贈り物」といった、そもそも昨今のゲームが高すぎると意見するユーザーにも返信しました。
同氏は「ここですべてを説明するのは難しいが、Game Passに好意的なのはプレイヤーだけだ。しかし今回のように業界全体に及ぼす悪影響を理解すれば、プレイヤーですらGame Passを嫌悪するだろう」と述べています。
旧作アーカイブこそが“共存”の鍵?
これらの長きに渡るやりとりには、独立系ゲーム開発&パブリッシャーのディレクター・Michael Douse氏も議論に加わりました。
Douse氏は新規IPや高リスクなタイトルを扱う小規模な開発チームにとっては「Game Passがリスク軽減に役立った」と認めるものの、「MSの資金が尽きた時どうなるのか?という大きな懸念は常につきまとう」と指摘。
その後もやり取りが続きますが、Game Passが業界にダメージを与えることなく共存できる唯一の方法は、「旧作のアーカイブとして活用すること」だという点で、両者の意見は一致しています。
一方で海外メディアのVCGやPCGamesNは、「マイクロソフトは素晴らしいパートナーとして、自分たちのプロジェクトを助けてくれた。Game Pass参入のおかげでユーザーが増え大成功だった」と褒める開発会社もあるとしながらも、7月2日のレイオフにより多くの関係者がGame Passによる業界へ与えるダメージと、持続可能性に対する議論を再燃させたと報じています。
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