
Arkane Studiosの創設者・Raphael Colantonio氏の「Game Passは業界を蝕む」という発言が騒動を巻き起こしている中、海外ゲームメディアの創設者が「Game Passにはファーストパーティのコストが含まれていない」といった話を自身のX(旧Twitter)にて投稿しています。
「Game PassはXboxファーストパーティの開発費で潰れる」
7月5日、マイクロソフトの大規模レイオフを受け「Game Passは業界を蝕む」とArkane Studiosの創設者・Raphael Colantonio氏が発言し、ゲームユーザーをはじめ開発者まで巻き込んだ騒動となりました。
そんな中、7月7日には海外ゲームメディアThe Game Businessの創設者であるChristopher Dring氏が自身のX(旧Twitter)上にて、本件に対する内容を投稿。
「Game Passはサードパーティに支払う手数料、マーケティング、サービスコストなどの観点からは利益が出ているが、Xboxファーストパーティが失う収益は考慮していない。ファーストパーティがサードパーティと同様の報酬を受け取っていたら、その収益性は正しくないかもしれないと想像せざるを得ない」と発言し、こちらもまた多くの反応を起こしています。
Dring氏は「Game Passにはファーストパーティのコストが含まれていない」という話をXbox関係者から直接聞いたと話しており、これが事実なら、Game Passはマイクロソフト/Xboxにおけるファーストパーティの身銭を削って運営されていることになります。
しかしながら7月8日になって、Christopher Dring氏はこれまでの説明により詳しく注釈を加えた投稿をX上にポストしました。この投稿の要点は以下の通りです。
Xbox Game Passは、ファーストパーティチームの売上減を考慮しても利益が出ていると、事情を知る情報筋から聞いた。
Game Passのコストが社内スタジオの売上本数に影響を与えているかどうかを確認するため、18か月以上も前には、XboxにGame Passの損益計算書(P&L)について問い合わせた。そこでファーストパーティはGame Passとは別の方法で収益を得ているため、独自の損益計算書を作成していると聞いた。
この社内会計はGame Passが利益を上げていることを意味するかもしれないと思ったが、社内ゲームの利益率を圧迫していることは確かで、一部のスタジオはそれほど利益を上げていない(あるいは全く利益を上げていない)可能性がある。
これはXboxがPS5で完全なパブリッシングを開始する前のことで、結果、ファーストパーティスタジオはプレミアム販売でより高い利益率を上げることができるようになった。
ここまでの説明とは関係なく、新たに情報筋から連絡があり、ファーストパーティのゲーム(本体販売だけでなく、マイクロトランザクションも含む)に関連する収益の損失を考慮しても、Game Passは依然として利益を上げていると聞いた。
これら氏の説明から判断すると、「Xboxのファーストパーティも他コンソールへのパブリッシングなどにより、Game Passに頼らない収益を上げることができている」「Game Pass自体も利益を上げている事業である」ということが読み取れます。今回の騒動を踏まえると、Game Passの収益構造は相当複雑なものなのかもしれません。
¥1,450
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)