ワルシャワにゲーム企業300社超、従事者6,300人超で欧州最大級の開発ハブ―CD PROJEKT REDやLarian Studiosが拠点、市経済開発局が産業をアピール | GameBusiness.jp

ワルシャワにゲーム企業300社超、従事者6,300人超で欧州最大級の開発ハブ―CD PROJEKT REDやLarian Studiosが拠点、市経済開発局が産業をアピール

ワルシャワ市の産業レポートによると、同市にはゲーム関連企業・パブリッシャー300社超が拠点を置き、ポーランド国内の37%、従事者は6,300人超で欧州最大のゲーム開発ハブという。AI・フィンテックなど周辺産業との連携も紹介された。

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『サイバーパンク2077』を生み、『バルダーズ・ゲート3』開発元も進出!ゲーム企業300社超が集まる巨大開発都市・ワルシャワの今
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『バルダーズ・ゲート3』のLarian Studios、『サイバーパンク2077』『ウィッチャー3 ワイルドハント』のCD PROJEKT RED、そして発売からわずか3日で全世界100万本を突破した最新作『The Blood of Dawnwalker』のRebel Wolves。

名だたるヒット作を生み出してきたスタジオが集まる街、それが東欧に位置するポーランドの首都・ワルシャワです。

ワルシャワ市経済開発局による産業プレゼンテーションでは、そんなワルシャワのゲーム産業の勢いを裏付ける数字とタイトルの数々が紹介されていました。

ゲーム産業の厚み、IT・AI・フィンテックとの親和性、そしてそれらを支える人材と暮らしやすい都市環境など。ゲーム一分野にとどまらないこの街全体の「成長」ぶりを本稿でお届けします。



ヨーロッパ最大のゲーム開発ハブ、ワルシャワ

ワルシャワ市が今年1月に発表した「Report on the Game Industry in Warsaw 2025/2026」というレポートによれば、ワルシャワには300社を超えるゲーム関連企業・パブリッシャーが拠点を置いており、これはポーランド国内の全ゲーム企業の37%に相当するといいます。

従事者数も6,300人以上とポーランド全体の雇用の44%を占め、ロンドン、ストックホルム、ベルリンなどの欧州の都市や、オランダ、ルーマニアといった国々を上回る規模とのこと。従業員数ベースで見れば、ヨーロッパ最大のゲーム開発ハブということになります。

ワルシャワを拠点とするスタジオとして紹介されていたのが、『サイバーパンク2077』『ウィッチャー3 ワイルドハント』のCD PROJEKT RED、2025年6月に発売された『The Alters』の11 bit studios、そして2026年9月3日に発売されたばかりの『The Blood of Dawnwalker』を手掛けるRebel Wolves。



さらに『バルダーズ・ゲート3』で世界的な評価を得たLarian Studiosも、2024年にワルシャワへ7拠点目となるオフィスを開設し、新作RPGの開発を進めているとのことです。

国際的な知名度を誇るスタジオが集まる一方、興味深いのが業界で働く人々の定着率の高さ。プレゼンでは「業界の95%がワルシャワからの移転を考えていない」「90%がワルシャワを自己成長にとって良い場所だと考えている」というデータも紹介されており、単なる“ゲームが生まれる街”というだけでなく、ゲーム開発者にとって住みやすく、働き続けたいと思える環境が整っていることが窺えました。

100万本突破タイトルが居並ぶ、“Million+copies club”

プレゼンでは「YES, THEY ARE FROM WARSAW(そう、これらはワルシャワ発なんです)」と題したスライドで、2014年以降にワルシャワで生まれ、世界累計100万本以上を売り上げたタイトル群がずらりと紹介されていました。

ジャンルも雰囲気もバラバラながら、いずれもどこかで目や耳にしたことがあるタイトルばかりで、改めてワルシャワというゲーム産業の厚みを実感させられるラインナップでした。

大作・ヒット作だけでなく、インディーシーンの勢いを感じさせたのが「Game from Warsaw」ブースの存在です。ワルシャワ発のタイトルをまとめて紹介するこのブースには、ダークファンタジーアクションの『Valor Mortis』、愛犬と冒険するプラットフォーマー『Barkour』、採掘×サバイバルクラフトの『Cosminers』、そして『Unbroken』といったタイトルが並んでいます。

大手スタジオの看板タイトルだけでなく、こうした新進気鋭のインディー作品が同じ土俵でアピールできているところにも、ワルシャワのゲーム産業の層の厚さが表れているように感じます。

IT・AI・フィンテックとの親和性

ワルシャワの強みはゲーム産業だけではありません。グローバルブランドの経理・法務・IT・会計といった知識集約型業務を担う「BSS(ビジネス・サポート・サービス)センター」が集積しており、ワルシャワだけで10万人以上の雇用を生んでいるとのこと。ポーランド全体で見てもこのセクターは約50万人を雇用し、GDPの約6%を占める重要産業だといいます。

研究開発(R&D)拠点も多く、グローバルブランドのR&Dセンターだけで7万人以上が従事。IT、特にプログラミング分野でもポーランドは高い評価を得ており、世界中の有力企業にポーランド人エンジニアが在籍しているそうです。

AI分野においても、ポーランド国内のAI関連活動の約50%がワルシャワに集中しており、その多くは国内企業によるものでAIが主な収益源になっているとのこと。フィンテックでも、ポーランドのフィンテック企業の約45%がワルシャワに拠点を置き、ポーランドの銀行の大部分もワルシャワに本社を構えているといいます。

モバイル決済システム「BLIK」を筆頭に、Point72、ゴールドマン・サックス、JPモルガンといった国際的金融機関もワルシャワに進出しているとのことで、ゲーム・IT・AI・金融が互いに人材と知見を融通し合う土壌が、この街には整っているようです。

スタートアップとオフィス環境、「とりあえず働く場所」が欲しいだけの人にも対応できる環境

スタートアップの拠点としても、ワルシャワはポーランド国内で最強とのこと。世界に6拠点しかない「Google for Startups」のロケーションの一つがここにあり、「Cambridge Innovation Center」をはじめとするアクセラレーターやプログラムも充実しているといいます。

オフィス環境も申し分なく、ポーランド全体のオフィススペースの約50%がワルシャワに集中。空室率は10%を下回り、コロナ禍によるオフィス需要の縮小を経てもなお活発に利用され続けているとのことです。コワーキングスペースの選択肢も豊富で、腰を据えた拠点ではなく「とりあえず働く場所」が欲しいだけの人にも対応できる環境が整っているそうです。

ワルシャワの人口は約180万人(都市圏全体では約300万人)。その中で毎年25万人以上が学生として学び、5万人が卒業していくといいます。教育水準もヨーロッパ平均(約40%)を大きく上回る60%超とのことで、市内には68もの大学(うち17校は公立で無償)が存在するそうです。

ビジネススクールや技術系の学校の中には世界的に評価の高いものもあり、こうした教育水準の高さと人材の厚みが、ゲーム・IT・AI・フィンテックといった知識集約型産業を支える土台になっているようでした。

経済的な強みに加えて、ワルシャワ市が力を入れているのが「暮らしやすさ」です。共産主義時代の象徴である文化科学宮殿を中心とした都心部の再開発「New City Center」を進めているほか、市の面積の約43%が緑地・公園・森林で、市内を流れるヴィスワ川を含めると市の約半分が自然に覆われているとのこと。

20年前とは一変して自転車に優しい街になったともいい、地下鉄2路線(2050年までに5路線を目指しているとのこと)やバス・トラムを含む公共交通機関の来訪者からの支持率は約90%、市民の43%が毎日利用しているそうです。

治安についても、住民の80%以上が自分の居住地を安全だと感じていると回答。実際、筆者が夜のワルシャワを歩いても一切治安の悪さを感じることはありませんでした。

筆者が撮影したワルシャワの街並み

さらに無償の幼稚園・保育園・小学校が整った家族に優しい街でもあり、ヴィーガン・ベジタリアン向けレストランの数は世界トップ10、そして人口あたりの公共図書館数では世界一という報道も確認できました。


ゲーム産業の厚み、IT・AI・フィンテックとの親和性、そしてそれらを支える人材と暮らしやすい都市環境。ワルシャワ市経済開発局のプレゼンテーションからは、ゲーム一分野にとどまらない、この街全体の「成長」ぶりが伝わってきました。

『バルダーズ・ゲート3』のLarian Studiosが新たな拠点を構え、『The Blood of Dawnwalker』が発売からわずか3日で100万本を突破する。そんな“今まさに熱い”瞬間のポーランドに招待され、取材を行うことのできた体験はライターとして非常に印象深いものとなりました。

『サイバーパンク2077』を生み、『バルダーズ・ゲート3』開発元も進出!ゲーム企業300社超が集まる巨大開発都市・ワルシャワの今

《タナカハルカ@Game*Spark》

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