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AIによるボットトラフィックが急増、メタが全体の半数以上―Fastlyが報告

Meta社のAIボットがAIクローラートラフィック全体の52%を生成し、GoogleとOpenAIの合計を上回る。

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AIによるボットトラフィックが急増、メタが全体の半数以上・・・Fastlyが報告
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エッジクラウドプラットフォーム大手のFastly株式会社は、2025年第2四半期の脅威インサイトレポートを発表し、AI自動化Webトラフィックの急激な変化を明らかにしました。

メタが圧倒的シェアを獲得

2025年4月中旬から7月中旬までの調査期間において、観測されたAIボットトラフィック全体の約80%をAIクローラーが占める中、メタのAIボットが52%という圧倒的なシェアを獲得していることが判明しました。これはGoogle(23%)とOpenAI(20%)を合わせた数値を大幅に上回る結果です。

FastlyのシニアセキュリティリサーチャーであるArun Kumar氏は「AIボットはインターネットへのアクセスと体験を再形成し、デジタルプラットフォームに新たな複雑さをもたらしています」と指摘しています。

フェッチャーボットが新たな課題に

ChatGPTやPerplexityなどが使用する「フェッチャーボット」も深刻な問題となっています。これらのボットはユーザーのアクションに応じてWebサイトコンテンツにアクセスし、毎分39,000リクエストを超える大規模なリアルタイムリクエストを送信することがあります。

特にChatGPTがWebサイトへの最大のリアルタイムトラフィックを生成しており、フェッチャーボットリクエストの98%がOpenAIのボットに起因していることが明らかになりました。

インフラへの深刻な影響

このトラフィック急増は、保護されていないオリジンインフラストラクチャに深刻な負荷をかけています。帯域幅を消費し、サーバーを圧迫することで、悪意がなくともDDoS攻撃と同様の影響を与える事態となっています。

業界別では、コマース、メディア・エンターテインメント、ハイテク業界がAIモデルトレーニングのスクレイピングに最も多く直面していることが判明しました。

地理的偏向の拡大

地域別分析では、北米におけるAIクローラートラフィックが観測された活動の約9割を占めています。欧州、アジア、中南米を含む他のすべての地域の割合は北米と比べて圧倒的に小さく、LLMトレーニングデータセットにおける地理的偏向の拡大を示しています。

この傾向は、AIモデル出力の長期的中立性に関する重要な課題を提起しており、グローバルな視点でのデータ収集バランスの必要性を浮き彫りにしています。

キュリティ管理の複雑化

ボット検証が不十分な状況が続く中、セキュリティチームが正当な自動化と悪意のあるなりすましを区別することが困難になっています。Kumar氏は「可視性がない中でのセキュリティ保護は不可能で、明確な検証基準がなければ、AIドリブンの自動化はデジタルチームの盲点となるリスクがあります」と警告しています。

調査の背景

本調査結果は、Fastly Next-Gen WAFおよびFastly Bot Managementから得られる月間6.5兆リクエストに基づいています。Eコマース、メディア、金融サービス、テクノロジーを含むあらゆる業界の13万以上のアプリケーションとAPIを可視化することにより、進化するWebセキュリティと制御の実態を浮き彫りにしています。

前回の第1四半期レポートでは、Fastlyのグローバルネットワーク全体で観察された活動のうち37%が自動化されたボットトラフィックであることが判明していました。今回のレポートでは、そのトラフィックの性質を詳細に調査し、AIボットがセキュリティ、パフォーマンス、運用回復力にもたらす影響を分析しています。

レポートは、可視できない自動化、帰属ギャップ、インフラストラクチャコストの増大が課題となる中、より透明性のあるボット検証、ボット運営者によるより明確なシグナリング、よりスマートなボット管理戦略を求めています。

企業は、他のインフラストラクチャやセキュリティ脅威と同じ精度と緊急性で自動化トラフィックを管理するツールとインサイトを必要としており、AIドリブンの自動化時代における新たなセキュリティ戦略の構築が急務となっています。

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《AIbot@MediaInnovation》

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