「『シルクソング』どう思う?」「突然の発売は脅威?」発売が近いメトロイドヴァニア開発者11人に事情を訊いてみた【特集】 | GameBusiness.jp

「『シルクソング』どう思う?」「突然の発売は脅威?」発売が近いメトロイドヴァニア開発者11人に事情を訊いてみた【特集】

面白いメトロイドヴァニアは『Hollow Knight: Silksong』だけじゃない!自作品アピールもしてもらいました。

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「『シルクソング』どう思う?」「突然の発売は脅威?」発売が近いメトロイドヴァニア開発者11人に事情を訊いてみた【特集】
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2025年9月4日、人気メトロイドヴァニアの続編『Hollow Knight: Silksong』がついにリリースされました。大きな期待を集める本作は、AAA級タイトルを凌ぐほどの注目を集め、発売日も8月中旬に突如決定。発売開始時には各プラットフォームのストアでエラーが起きるほどの圧倒的な人気は、ジャンルの違う作品が衝突を避けて延期を発表するほどです。

確かに圧倒的な人気だし面白いゲームだけど、他のメトロイドヴァニアが埋もれてしまうのはもったいない……!という思いから、Game*Sparkでは近く発売を予定しているメトロイドヴァニアの開発者にメールを送付。『シルクソング』への見方など5つの質問を投げかけ、回答が得られたものを掲載しています。自作品のアピールもしてもらったので、次なるメトロイドヴァニア探しにぜひお読みください。

※記事内の情報はすべて執筆時点のものです。最新の情報は各作品のストアページや公式サイト、SNSをご覧ください。
※すべてのインタビューは『シルクソング』発売前~発売日に行われました。そのため、『シルクソング』をプレイした感想は含まれていません。



『Never Grave: The Witch and The Curse』(発売日:発表予定 プラットフォーム:Steam/PS4/PS5/Xbox/ニンテンドースイッチ)

開発:Frontside 180 販売:Pocketpair Publishing

――自作品の紹介をお願いします。

Frontside 180:『Never Grave: The Witch and The Curse』は、メトロイドヴァニア×ローグライトの探索を核に、“憑依”アクションと村づくりのクラフト要素を組み合わせた2Dアクションです。

最大4人のオンライン協力(クロスプレイ対応)で、仲間と連携しながら攻略の幅を広げられます。ビジュアル面では、手描きのリミテッドアニメと厚みのある背景美術で、“絵本を旅する”ような質感を目指しています。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

Frontside 180:私たちはメトロイドヴァニアというジャンルが大好きですが、同時にクラフト系のゲームも大好きです。そこで両者を組み合わせて、さらなる体験を目指しました。『Never Grave』では、自分の村を建て、作物を育て、料理によるバフの付与、スキルツリーによる永続強化によってダンジョン探索を支援できます。

さらに、主人公は魔女の身体を一時的に離れ、ダンジョンに潜む個性的な敵たちに憑依することも可能です。これにより新たな能力を獲得し、各エリアを独自のアプローチで攻略することも出来ます。加えて協力プレイ(Co-op)にも対応しており、これも本作ならではの特徴だと考えています。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

Frontside 180:実はこれを書いているのが発売日当日というのもあり、もうワクワクが止まりません!『Hollow Knight』は私たちに大きな刺激を与えてくれましたし、『シルクソング』もきっと、このジャンルをさらに前へ押し進める一作になると信じています。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

Frontside 180:『Hollow Knight』がそうであったように『シルクソング』もメトロイドヴァニアの本質に沿った面白さを提供してくれると思います。このような偉大な作品は、メトロイドヴァニアというジャンル全体のレベルを引き上げる事になるでしょう。

最近のgamescomで公開されたゲームプレイは息をのむ出来で、早く触れてみたくてたまりません。『シルクソング』だけでなく、『Crowsworn』『Constance』『Akatori』のように近い将来に登場する素晴らしいメトロイドヴァニア作品も多数あり、ジャンルの未来は本当に明るいと感じています。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

Frontside 180:現在『Never Grave』のリリースに向けて開発も佳境にありますが、もう少しだけお時間をいただく必要があります。近い将来に皆さんに遊んでいただけることを楽しみにしています!

『The Light of the Darkness: Origins』(発売日:発表予定 プラットフォーム:Steam)

開発・販売:QUARTOMUNDO

――自作品の紹介をお願いします。

フェルナンド・セピウス・ラベーロ(クリエイター兼リード開発者):『The Light of the Darkness: ORIGINS』は、アクションRPG要素を持つ“ソウルヴァニア”作品です。大きな特徴は3つあります。

  • 物理演算を用いた飛行 ― 探索と戦闘の両面で真の立体的な広がりを実現。

  • シームレスに繋がる世界 ― 拡縮可能なマップを通じ、ロードを挟まない連続的な冒険を提供。

  • エッセンス吸収と魔法融合 ― 属性システムにより、誤った魔法を使えば敵を強化してしまう可能性も。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

ラベーロ:『ORIGINS』は“ショートヴァニア”として構想されており、濃密な約8~10時間の体験を提供します。そしてこれは、より大きなファンタジー世界を描くシリーズの序章でもあり、すでに後継作の制作も進んでいます。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

ラベーロ:私たちは実際、『シルクソング』の突然の発表を受けてデモ版の公開時期を調整しましたが、それはむしろ好ましいことだと考えています。『シルクソング』は今世紀でも屈指の注目作であり、いわば“メトロイドヴァニア・ルネサンス”をさらに後押しする存在でしょう。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

ラベーロ:『スーパーメトロイド』や『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』の黄金期の後、このジャンルは一時期静かな時代を迎え、他のトレンドに埋もれていました。しかし過去10年の間に『Axiom Verge』、そして特に『Hollow Knight』といったマイルストーン的作品によってインディー開発者が新たな息吹を吹き込み、今では年間で数百本規模にまで増えています。

『Hollow Knight』はその復興の大きな一部を担い、『シルクソング』はそれを確固たるものにするかもしれません。しかし決して唯一ではなく、他のメトロイドヴァニア作品もそれぞれ独自の解釈を提示しています。私たちもまた、飛行・シームレスな探索・魔法属性という3つの新しい要素によって、ささやかながら貢献できればと願っています。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

ラベーロ:デモ版は2025年9月下旬に公開予定で、プレイヤーの皆さまが『ORIGINS』の世界やシステムを初めて体験できる機会となります。

『Constance』(発売日:2025年11月25日 プラットフォーム:Steam)

開発:btf 販売:btf、ByteRockers' Games、PARCO GAMES

――自作品の紹介をお願いします。

セバスチャン(クリエイター兼ディレクター):本作は、仕事やメンタルヘルスに苦しむ若きアーティストを主人公とした“感情的メトロイドヴァニア”です。ある日、彼女は不思議な内なる世界に囚われ、元の世界へ帰るための旅に出ることになります。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

セバスチャン:『Constance』の大きな特徴は、ペイントのメカニクス、非常にタイトで反応の良い操作性、そして丁寧に設計された“ゲームフィール”です。特に本作ではプラットフォーミング(足場アクション)に重点を置いており、『Celeste』や『スーパーマリオ』といった作品に強くインスパイアされています。さらにプラットフォーミングにパズル要素を組み込み、一部はまるで『ゼルダの伝説』のダンジョンのような感覚を味わえる部分もあります。

もうひとつのユニークな点は、物語を“インタラクティブなフラッシュバック的ミニゲーム”として体験できることです(ここではネタバレは控えますね)。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

セバスチャン:『シルクソング』の発売日が発表されるまで、私たちも他の多くの人と同じく長い時間待ちました。そして最終的には9月になるだろうと予想していました。『Constance』はすでに2025年11月24日発売と発表していたので、正直「サプライズリリース」になってくれれば…と祈っていたのですが(笑)、なんとか発売日が近すぎる事態は避けられたので幸運だったと思います。

もちろん、一番ラッキーなのは『シルクソング』より前にリリースできることでしたが…いま直面しているのは、あまりに安すぎる価格設定という新たな問題ですね(笑)。これはまた別の話ですが。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

セバスチャン:『シルクソング』は、その人気の高さゆえに再びジャンルに影響を与えることは間違いないと思います。特にシステムやメカニクスの面で、彼らがどんな新しいことを提示してくるのか、ジャンルを塗り替えるような試みがあるのか、とても興味があります。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

セバスチャン:『Constance』は2025年11月24日発売予定で、すでにSteamでデモ版を公開中です!💜

『Faeland』(発売日:近日発表(早期アクセス版はリリース済み) プラットフォーム:Steam)

開発・販売:Talegames

――自作品の紹介をお願いします。

カルロス・D・ゴンザレス(ゲームディレクター):『Faeland』は、作り込まれた手作りの中世ファンタジー世界を舞台にした2DアクションアドベンチャーRPGです。

主人公は若き狩人サム。森、遺跡、沼地、火山など多彩なロケーションを探索しながら、クエストやキャラクター、秘密を通じて大きな物語を解き明かしていきます。

繊細でキビキビとした横スクロール視点の戦闘、プラットフォーミング、探索、そして広大に繋がるマップが融合しています。現在Steamにてアーリーアクセス配信中で、約80%のコンテンツを収録し、15時間以上のプレイボリュームがあります。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

ゴンザレス:私たちが重視しているのは、読みやすく反応の良い戦闘です。タイミング・間合い・武器の選択が勝敗を分ける設計になっています。

世界は穏やかな自然から危険なダンジョンへと移り変わり、クエストログやキャラクタークリエイターも単なるパワーファンタジーではなく物語に自然に溶け込む形で組み込まれています。さらに大規模な水中エリアが存在し、独自のルールや敵、ルートを備えており、プレイヤーからも新鮮な要素として好評をいただいています。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

ゴンザレス:Team Cherryを心から尊敬していますし、私たちもファンとしてとても楽しみにしています。小規模スタジオとしては、両作品がそれぞれ注目を浴びられるようにv1.0のタイミングを調整するのも自然な判断でした。

脅威とは捉えていません。むしろこうした大きな出来事はオーディエンスを拡大させ、基準を引き上げることで、すべての作品にとってプラスになると考えています。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

ゴンザレス:マイルストーン的な作品は、操作感、敵デザイン、世界の奥行きといった点でプレイヤーの期待値を高め、新たなファンをジャンルへ呼び込むでしょう。一方でメトロイドヴァニアというジャンル自体は非常に幅広く、多様な方向性が存在しています。私たちは手触りの良い戦闘感覚と、好奇心を持って探索することで応えてくれる世界を磨き続けることを自分たちの道だと考えています。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

ゴンザレス:『Faeland』は現在Steamでアーリーアクセス配信中で、コンテンツは約80%実装済み、15時間以上のプレイが可能です。v1.0の正式リリース日は後日発表予定で、現在は最終章の制作に取り組んでいます。アーリーアクセス版以外に体験版はなく、正式版ではmacOSとLinuxへの対応も予定しています。さらに日本語ローカライズも計画しており、そう遠くないうちに続報をお届けできる見込みです。

『Nocturnal 2』(発売日:2025年 プラットフォーム:Steam)

開発・販売:Sunnyside Games

――自作品の紹介をお願いします。

Sunnyside Games:私たちの作品は『Nocturnal 2』といいます。眠りに囚われ、闇に覆われた街を舞台に、火を広げていくことをテーマにしたメトロイドヴァニアです。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

Sunnyside Games:本作の核となるのは、主人公アルデシールが振るう炎を宿した剣です。この剣は障害物を焼き払い、松明に火を灯してマップを照らし、街の闇を切り開きます。

ただしこの炎は非常に儚く、水や敵、環境要因によって消えてしまいます。炎を失えば無防備な状態となり、戦略的な立ち回りが求められます。旅の途中で火種を確保し、炎を絶やさないことが重要な要素となっています。

また、構造面でも特徴があります。オープンワールド形式を採用していますが、エリアに火を灯すことで環境が変化し、隠された道が開かれる仕組みを導入しました。探索は従来とは異なるアプローチとなり、「どこに火を広げるか」を見極めながら進める体験が待っています。

戦闘においても独自の工夫を凝らしました。『Devil May Cry』や『Spiritfall』に着想を得た高速のジャグルシステムを実装し、敵を空中に打ち上げて自由に能力を組み合わせることで、プレイヤーがクリエイティブに立ち回れる戦闘スタイルを実現しています。さらに、強烈なゲームプレイ上のひねりも加えており、プレイヤーを予想外の方向へ導くことを目指しています。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

Sunnyside Games:脅威だとはまったく思っていません。『Hollow Knight』のような傑作と自分たちを比較するつもりもありません。純粋にゲーマーとして、そして開発者としてワクワクしているだけです。彼らが創り出す新しいアイデアや仕掛けから、多くを学べるだろうと思っています。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

Sunnyside Games:間違いなくジャンルを変えるでしょう。傑作がジャンルに登場する時、それはプレイヤーの期待値――世界の密度、ボスの作り込み、プレイ時間、あらゆる側面――を再定義することになります。

だからこそ、今後は「Silksong以前」「Silksong以後」という分岐点になるのではないかと思います。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

Sunnyside Games:『Nocturnal 2』は2025年第4四半期に発売予定です。先日GamescomとPAX Westでデモを初披露しました。近日中にSteamでもデモ版を公開予定です!

『Signiverux』(発売日:発表予定 プラットフォーム:Steam)

開発・販売:Signiverux

――自作品の紹介をお願いします。

ミラン・アリッチ(プロジェクトマネージャー・開発リーダー):『Signiverux』は、私たちがメトロイドヴァニアジャンルに贈る作品です。精緻に作り込まれた2Dグラフィックと優れた音楽を融合させ、没入感のある雰囲気を演出しています。

本作の核となるのは力強く流れるようなゲームプレイで、レスポンスの良い移動、手応えのある戦闘、そして冒険心を刺激する探索に特に重点を置いています。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

アリッチ:『Signiverux』のデザイン哲学は、探索とプレイヤーの成長を結びつけることにあります。たとえば移動能力のひとつである二段ジャンプは、かなり序盤で入手できます。これにより、最初から軽快に動き回り、探索そのものを楽しく、滑らかな体験にしています。

戦闘においても同じ考え方を適用しています。本作には進化する魔法武器のシステムがあり、たとえば魔法の弓は最初は矢を一本だけ放ちますが、世界のあちこちに隠された強化アイテムを見つけることで二本、さらには三本同時に放てるようになります。レベルアップによる基礎攻撃力の上昇はありますが、この強化こそが真に攻撃性能を飛躍的に高める要素となります。

さらに、最強の能力を得るにはレベルアップだけでなく、探索によって見つかる特別な素材が必要です。こうして「世界の秘密を発見することがキャラクターの成長に直結する」という満足感の高いループを実現し、探索を不可欠かつやりがいのある体験にしています。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

アリッチ:私たちにとっては純粋なワクワク感しかありません! このような大きなローンチはジャンルに多くのプレイヤーを呼び込み、健全な成長を示す素晴らしい出来事だと考えています。

私たちはこのジャンルを愛しており、多くの人にこうしたゲームを楽しんでほしいと思っています。その意味でも『シルクソング』は大歓迎です。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

アリッチ:メトロイドヴァニアというジャンルの強みは、その多様性にあります。世界中のクリエイターたちが常に新しいアイデアや革新を生み出しています。『シルクソング』はこの活気ある状況にさらに厚みを加え、ジャンルをさまざまな新しく刺激的な方向へ成長させると考えています。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

アリッチ:現在『Signiverux』の体験版を開発中で、数か月以内の公開を予定しています。ぜひSteamのウィッシュリストに追加していただき、公開の際にいち早くチェックしていただければ幸いです!

『オウリディア:地下に眠る黄金の都市』(発売日:2025年第3四半期 プラットフォーム:Steam)

開発:Noseboar Games 販売:Norseboar Games、TrueColor Games

――自作品の紹介をお願いします。

Noseboar Games:『オウリディア』は、戦闘要素をほとんど排したプラットフォーミング中心のメトロイドヴァニアです。雰囲気ある世界を探索しながら、アーティファクトや秘密、そして6種類の能力を発見していきます。これらの能力はすべて流れるような移動を軸に設計されており、スイング、クライム、バウンド、テレポートなどを組み合わせることで、かつての住人が残したアーティファクトを探し出し、探索をさらに広げることができます。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

Noseboar Games:『オウリディア』は戦闘を排除した設計により、独特のテンポを持っています。ゲームプレイの感覚としては、『Celeste』に近く(高難度なプラットフォーミングが多く、リトライが非常に簡単)、それを『メトロイド』のような探索型の世界に組み込んだイメージです。複数の分岐ルートや、能力を獲得しなければ進めないエリアが多く存在します。作品自体は比較的短めで、ジャンルの魅力の中でも探索感覚にフォーカスしています。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

Noseboar Games:もちろん楽しみです!私自身も皆と同じようにずっと『シルクソング』を待っていました。競合に関してはあまり心配していません。『オウリディア』は規模も小さく価格も手頃なので、全く違うニーズに応えると思っています。メトロイドヴァニアを愛する人たちは、『シルクソング』を遊んだからといって飽きることはなく、むしろジャンル全体にとって良い刺激になると考えています。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

Noseboar Games:大きな変化はないと思います。ただ、『シルクソング』はこれまでジャンルに触れたことのないプレイヤーを新たに惹きつける可能性があります。

『Hollow Knight』が出た当時は、プラットフォーマーは数多くありましたが、メトロイドヴァニアはそこまで一般的ではありませんでした。その後、『Hollow Knight』のアートスタイルに影響を受けた作品が多く登場したのは確かです。

現在はすでにメトロイドヴァニアは開発者の間で非常に人気があり、『シルクソング』がそれを『Hollow Knight』の時のように一変させることはないでしょう。アートスタイルも同じ方向性ですし、大きな新しい潮流を生むこともないと思います。私の予想では、開発者の間での人気は継続し、プレイヤー層がさらに広がるのではないでしょうか。ただしゲームシステム面での大きな変化は起きないと思います。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

Noseboar Games:具体的な発売日はまだ発表していませんが、今後数か月以内にリリース予定です! それまでに『オウリディア』の世界を先取りして体験したい方は、ぜひSteam体験版をお試しください!

『Rune Fencer Illyia』(発売日:2025年 プラットフォーム:PC(Steam/Epic Gamesストア)/ニンテンドースイッチ ほか主要コンソール)

開発:Nootbox Games 販売:Nootbox Games、Outersloth

――自作品の紹介をお願いします。

アレックス・ミラー=オキヤマ:『Rune Fencer Illyia』は、骨太で歯ごたえのある、戦いと冒険に満ちた大規模なメトロイドヴァニアです。『悪魔城ドラキュラ』、『メトロイド』、『ゼルダの伝説』、そして初代PS時代のアクションRPGへのラブレターとして制作しています。

プレイヤーはムーンストーン使いの少女イリアを操作します。彼女は乗っていた飛空艇の墜落事故で目覚め、奇妙で廃墟と化した世界を探索しながら、行方不明の双子の妹を探し、故郷へ戻る方法を見つけなければなりません。敵の能力を奪って「ルーン魔法」と剣技で戦うことができるのも特徴です。

本作はNootbox Gamesという2人組スタジオによる情熱の結晶です。私はアレックス・ミラー=オキヤマ(デザイナー/ディレクター)、アートは妻のシャーリー・オキヤマが担当しています。開発に着手してから、すでに7年近くになります。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

オキヤマ:『Rune Fencer Illyia』は、規模としてすでに『Hollow Knight』以上のボリュームを持つ作品になっています。約40体のボス、200種類以上の敵、釣りやミニゲーム、20以上のエリア、プレイスタイルを変化させる数百のアイテムなど、とにかく膨大なコンテンツをすべて手作業で作り込んでいます。

また、私は「コピペ感のあるマップ」や「意味のない空間」があまり好きではないので、世界が論理的につながり、雰囲気を持つようにエリアをデザインしています。

さらに、本作は他のメトロイドヴァニアと違い、キャラクターと物語に強く焦点を当てている点も特徴です。『ダークソウル』のような無言の主人公型ゲームも好きですが、プレイヤーキャラが空白すぎると疲れてしまうと感じました。そこで、本作ではテキストの量を必要以上に増やさずとも「強い声」と「語るべき物語」を持ったゲームを目指しました。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

オキヤマ:『シルクソング』は長年にわたって爆発的な注目を集め、ウィッシュリスト数もAAAタイトルを超えるほどです。そのため、多くの開発者が発売時期を避けて調整するのは当然の動きだと思います。

ただ、私自身は『シルクソング』を脅威とは見ていません。『Rune Fencer Illyia』は『Hollow Knight』を真似るのではなく、まったく独自のアイデンティティとデザイン哲学を持つ作品です。これは私にとって誇りでもあります。

私にとって本作の本当のインスピレーションは、スーファミ/N64/初代PS/DS時代の『悪魔城ドラキュラ』や『ゼルダ』『メトロイド』、そして『ダークソウル』などにあります。ジャンルには十分な広さがあり、それぞれの作品が持つ強みを楽しむ余地があると信じています。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

オキヤマ:正直に言うと、大きな変化はないと思います。『Hollow Knight』が導入した要素の多くは、すでに以前からメトロイドヴァニアやプラットフォーマーの中に存在していました。ただ、それを新しい世代のプレイヤーに広めたのが『Hollow Knight』だったのです。

むしろジャンルに強い影響を与えたのは、間接的ではあれフロム・ソフトウェア作品だと感じています。いわゆる「篝火式」のセーブや、死んでも進行が積み重なっていく仕組みは、ジャンル全体の大きな進歩でした。

結局のところ、すべての優れたゲームデザイナーは「巨人たちの肩の上に立っている」という事実を忘れてはならないのだと思います。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

オキヤマ:最近、『Among Us』で知られるOuterslothと協力し、完成とローカライズに向けて動き始めました。

『Rune Fencer Illyia』にはまだ確定した発売日はありません。やるべきことはまだ多いのですが、数か月以内には発表できると思います。対応予定はSteam、Nintendo Switch、主要な家庭用コンソールです。私たちは小さな2人組チームなので、時間はかかるかもしれませんが、必ずやり遂げます。

また、開発チームの半分は日本人ですので、最高の形で日本語ローカライズを実現することを非常に大切にしています。ぜひ楽しみにしていてください。そして、ぜひSteamでウィッシュリストに追加していただければ幸いです。小さなインディーデベロッパーにとって、皆さんの応援が本当に力になります!

『Sliding Hero』(発売日:2025年第4四半期 プラットフォーム:Steam)

開発・販売:Silent Chicken

――自作品の紹介をお願いします。

パオロ:こんにちは!イタリアの小さなスタジオ・Silent Chickenのパオロです。私たちは2人組で活動しており、『Sliding Hero』が初の商業タイトルになります。『Sliding Hero』は、独自の移動システムを軸にした見下ろし型パズル・メトロイドヴァニアです。プレイヤーは一度方向を決めてスライドすると、障害物や敵にぶつかるまで止まれません。この“滑る”というシンプルな仕組みが、すべての行動をパズルに変えるのです。動きの勢いそのものが武器となり、防御のタイミングにもなります。

主人公は、ヴェネツィア海軍の艦長ルカ・シコモロ。彼は難破の末、18世紀のヴィラがそびえる謎めいた島に漂着します。この不気味な館は単なる石造りの建物ではなく、広大な庭園や隠し部屋を含む迷宮そのもの。ヴェネツィアのカーニバルやコメディア・デッラルテに着想を得た不思議な世界が広がります。

探索を進めるごとに館の構造が明らかになり、新たなツールを入手することで過去の場所に戻り、ショートカットを開き、行けなかった領域に踏み込めるようになります。奇妙なキャラクターや恐ろしい罠、執拗な敵との遭遇が、探索を緊張感ある戦略と発見の連続へと変えていきます。

滑るという行為は単なる移動ではなく、生存そのもの。敵を出し抜き、危険をかわし、衝突を逆にチャンスへと変える――そのすべてがプレイヤーの選択に委ねられています。

本作は手描きのピクセルアート、不気味なアニメーション、そして18世紀イタリアの空気を映す幽玄なサウンドトラックで彩られます。仮面、記憶、超自然をめぐる物語が待っています。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

パオロ:すべては移動システムに集約されます。シンプルで直感的なルールだからこそ、そこから多彩で予想外のデザインを生み出せると考えています。

『Sliding Hero』では、プレイヤーは直線にしか動けず、障害物に当たるまで方向を変えられません(ポケモンの“氷の洞窟”パズルをイメージすると分かりやすいです)。つまり、探索そのものがパズルになるのです。

さらに、世界は相互に繋がっており、スキルで道が開けるエリア構造や、再配置を駆使した戦闘システムも組み込みました。各武器は固有のパズル的要素を持ち、それらを駆使することで敵を操作し、環境を利用し、独自の攻略法を作り出せます。これまでにないメトロイドヴァニアの体験を目指しています。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

パオロ:率直に言って複雑な気持ちでした。Team Cherryが何を見せてくれるのか、とてもワクワクしていますが、一方で私の予定していたリリース時期が9月だったため、正直怖さもありました。発売後しばらくはすべての視線が『シルクソング』に注がれるでしょうから。そこで、私たちはリリースを第4四半期の終盤に移す決断をしました。

もちろん、『Sliding Hero』と『シルクソング』は同じ土俵で競う作品ではありません。ただ、私たちのようなニッチなゲームにとっては、少しでも注目を浴びられるタイミングを確保することが成功に大きく影響します。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

パオロ:どの程度ゲームデザインを変えてくるのか次第ですが、ジャンル全体を変革するか、それとも特定のスタイルを定着させるかは、彼らの戦闘・移動・成長システムの扱いにかかっていると思います。

個人的には、『Hollow Knight』はジャンルそのものを変えたというより、幅広い層へ広めたことに意義があったと思っています。その結果、「タイトな戦闘とプラットフォーミングを重視するサブジャンル」が確立されたのではないでしょうか。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

パオロ:大変うれしいニュースがあります!『Sliding Hero』は東京ゲームショウ2025に出展し、新しいトレーラーと正式な発売日を発表する予定です。さらに、TGSのSteamイベントに合わせて、新バージョンの体験版も公開します。

この機会は、2024年のGamescomで出会い、その後も交流を続けてきた中国のパブリッシャーWhisperGamesとの共同パブリッシング契約によって実現しました。アジア市場での展開を強化できることをとても楽しみにしています。

『Divine Guardian | Vệ Thần』(発売日:2025年 プラットフォーム:Steam)

開発・販売:Young Buffalo

――自作品の紹介をお願いします。

Young Buffalo:こんにちは、私たちは Young Buffalo Studio です。現在開発中のタイトル 『Divine Guardian(神の守護者 / Vệ Thần)』 は、ベトナム発のメトロイドヴァニアで、『Hollow Knight』 に強くインスパイアされています。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

Young Buffalo:『Divine Guardian』は、多くのプレイヤーから「これまでの作品とは違い、新鮮なアートスタイルだ」と評価されています。おそらく、ベトナム初のメトロイドヴァニア作品であり、私たちがベトナムの文化的要素を数多く盛り込んでいることが理由のひとつかもしれません。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

Young Buffalo:私たちも Team Cherry の大ファンなので、『シルクソング』がついに発売されたことに心から興奮しています。脅威と感じることはなく、純粋に嬉しい出来事です。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

Young Buffalo:『シルクソング』は間違いなく、これから1~2年の間にメトロイドヴァニアというジャンルをさらに押し上げるでしょう。『Hollow Knight』がそうだったように、基準を大きく引き上げる作品になると思います。その分、新しく登場するメトロイドヴァニア作品は、より一層プレイヤーにアピールする努力が求められるはずです。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

Young Buffalo:私たちはまず『シルクソング』を遊び、その上でジャンルの動向を見守りながら『Divine Guardian』の開発を再開する予定です。次回の大きな更新としては、2026年後半に新しいデモ版とアーリーアクセス版をリリースする計画です。

『Sealed Bite: Extended』(開発:Ruben S. Luis 販売:Pineapple Works)

発売日:2025年第4四半期 プラットフォーム:Steam

――自作品の紹介をお願いします。

Pineapple Works:こんにちは!私はパブリッシャー Pineapple Works に所属しており、現在開発中のメトロイドヴァニア 『Sealed Bite: Extended』 を担当しています。「Extended」というタイトルがついているのは、この作品がもともとゲームジャム用に制作された『Sealed Bite』を拡張したものだからです。

本作は鮮やかなピクセルアートのファンタジーメトロイドヴァニア。主人公のエミリアが行方不明の家族の痕跡を探して広大な世界を探索し、ボスに立ち向かい、さらには謎めいた魔法の狼の力を借りながら進んでいきます。物語には、古典的な西洋童話 「赤ずきん」 を下敷きにした寓話的な要素も込められています。

――自作品が他のメトロイドヴァニアと違うところは何ですか?

Pineapple Works:一番の特徴は鮮やかでカラフルなピクセルアートとアニメーション、そして独自のストーリー展開です。ゲームプレイの面ではしばしば 『Celeste』 に例えられることもあります。

――『シルクソング』の発売日が突如発表され、熱狂のまま発売を迎えましたが、どう思いますか?脅威と感じていますか?それとも、純粋に楽しみですか?

Pineapple Works:私たちは純粋にワクワクしています!マーケティング戦略としても非常に巧みだと思いますね。実際に『シルクソング』の発表を受けて発売日を延期したゲームもありましたが、中には「いい口実」として利用したケースもあるのでは、と感じます。ある作品は1か月先延ばしにするどころか翌年まで延期しましたからね(笑)。

『Sealed Bite: Extended』に関しては、9月の発売はもともと予定していなかったので影響はありませんでした。仮にこのタイミングに予定していたとしても、私たちは日程を変えずに発売していたと思います。むしろ、『シルクソング』を避けて多くのタイトルが移動した結果、この週に残ったインディータイトルは“逆にチャンス”を得ることになるかもしれません。これはあくまで私の推測ですが、結果がどうなるか楽しみにしています。

――『シルクソング』のリリース後、メトロイドヴァニアジャンルのあり方は変わると思いますか?

Pineapple Works:正直に言うと、『シルクソング』によってメトロイドヴァニアの根本が変わるとは思っていません。ただし、いくつかの要素が他作品にコピーされたり、開発者たちにインスピレーションを与えることは十分にあるでしょう。

――自作品について最新情報があれば教えてください。

Pineapple Works:具体的な日付発表はまだ先ですが、『Sealed Bite: Extended』は2025年第4四半期にPCとコンソール向けに発売予定です。すでに無料デモ版がSteamで配信中で、日本語を含む複数言語に対応しています。ぜひ一度プレイしていただければ嬉しいです!


以上、11本の発売予定メトロイドヴァニア開発者にお答えいただきました。開発者によって異なる『シルクソング』への見方はもちろん、各作品の特色まで知ることができました。

『シルクソング』はふたたび多くのプレイヤーを集め、さらにジャンルを拡大させそう。次にプレイする期待作をぜひウィッシュリストに追加しましょう!



※UPDATE(2025/09/07 15:59):記事中のリンクの誤りを修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。

《みお@Game*Spark》

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