存続の瀬戸際か…『ショベルナイト』開発元、6年かけた新作延期し資金も使い果たした状況 | GameBusiness.jp

存続の瀬戸際か…『ショベルナイト』開発元、6年かけた新作延期し資金も使い果たした状況

次回作の売上がスタジオ存続に直結するかもしれない事態に。

ゲーム開発 インディー
存続の瀬戸際か…『ショベルナイト』開発元、6年かけた新作延期し資金も使い果たした状況
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『Mina the Hollower』

レトロなアクションアドベンチャー『ショベルナイト』の開発元として知られるYacht Club Gamesが、スタジオ存続の危機にあるとBloombergが報じました。

◆新作は発売直前に無期限延期を発表

同社は、2014年発売の『ショベルナイト』がクラシックなビジュアル、穴掘りアクション、無限のリプレイ性で300万本以上を売り上げ、小規模ながらヒット作を生み出した開発スタジオです。

しかし、2025年10月31日に発売予定だった新作『Mina the Hollower』は、6年近い開発期間をかけながら“苦渋の決断”として、リリース直前に無期限延期を発表しました。

Bloombergのインタビューでは発売延期の理由について、共同創設者兼スタジオディレクターのSean Velasco氏が改善したい要素が多数見つかったためだとし、「問題点は特定済みで、修正には時間が必要なだけ。この延期は良いことだ」と説明しています。

『Mina the Hollower』

◆厳しい資金とスタッフの疲弊

しかし同誌は、Yacht Club Gamesが資本の大半を使い果たし、『Mina the Hollower』に集中するため他のプロジェクトを保留せざるを得なくなっており、発売延期は大きな痛手になると分析。「15人の従業員は“完全に燃え尽きた状態”で、同社の資金はさらに苦しくなるだろう」と報じています。

またVelasco氏も、会社の独立性維持には『Mina the Hollower』の成否がカギだと認め、「もし50万本売れたら最高だ。たとえ20万本でも売れたら、本当に本当に素晴らしい。10万本ぐらいだと……良いとは言えない」と述べました。

同タイトルは、もともとそれほど大きくないサイドプロジェクトです。しかし、Kickstarterキャンペーンでファンから120万ドル(約1億8,700万円)を集め、続編である3D版『ショベルナイト』を一時中断してまでスタッフ全員が開発に専念し、今や同社史上最大のタイトルとなっています。

もしヒットしなかったらどうなるのか、Velasco氏は「たとえ『Mina』が失敗しても私たちは生き残る」とやや楽観的な回答を提示した直後、「もっと資金が必要になる」と答え直しています。期待する数字に到達できなかった場合、スタジオ解散もあり得る状況と言えるでしょう。

『ショベルナイト』

Bloombergは、Yacht Club Gamesのマーケティングディレクターが語った「企業の“強さ”は、最後にリリースしたゲームで決まる」という言葉を取り上げ、「これがビデオゲーム業界の実態だ。ビデオゲームは世界中で年間約2000億ドルの収益を生み出しているが、働くにはますます不安定な業界になっている」と、飽和状態のゲーム市場における資金調達や、認知度アップの厳しさに触れています。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

【UPDATE2025年12月3日19時37分】記事公開当初従業員の人数を5人としていましたが、正しくは15人のため修正しました。

《稲川ゆき@Game*Spark》

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