2025年7月10日、ビジュアルアーツは6月27日に発売したSteam版『Summer Pockets REFLECTION BLUE』について、X(旧Twitter)上で「お詫び」を公開しました。
コンソール版基準で規制が見られることが「賛否両論」の一因か

2025年7月10日午後11時時点で、Steam版『Summer Pockets REFLECTION BLUE』のユーザーレビュー総件数は403件、そのうち高評価は53%で「賛否両論」となっています。
人気VNまさかの賛否両論…その理由は
実際にユーザーレビューを確認してみると、以下のような点が賛否両論の原因となっているようです。
Steam版はコンソール版からの移植であるためか、一部のCG・テキスト描写に規制がかかっている。
『Summer Pockets』『Summer Pockets REFLECTION BLUE』自体はもともと全年齢向けタイトルで、成人向けのバージョンなどは存在していません。
ただし、各PC版とコンソール版の間ではCGにおける露出度の変更などが行われています。
今回、以前にリリースされたリメイク前の『Summer Pockets』Steam版(評価4,258件「圧倒的に好評」)がPC版ベースだったことが議論を大きくしています。UIが見づらい、使いづらい。
海外向けの翻訳の質が低い。(特に中国語)
こういった点に対し、今回のビジュアルアーツより発表された文章では「事前にお客様に告知しておくべき情報が商品ページに記載できていなかった」として、販売されたものが期待していたものと異なっているといった状況を発生させてしまったことについての謝罪を行っています。
また、今回の問題については「特別対応チームを設置しまして、原因究明と対策と改善計画の策定に取り組んでおります」としており、
UI関連では、ショートカットに関するアップデート対応を本告知後に実施。
対応ロードマップや個々のアップデート情報を確定次第配信。
といった改善を行うことが明記されています。
Steamで日本メーカー悩ます「不可視の規制」
本作のコンソール版で表現の変更が行われたことについては、ビジュアルアーツ所属で『終のステラ』などを手掛けたディレクター・シナリオライターの佐雪隼氏がXにて、PCでできていた表現が(コンソールの審査基準では)出来なくなったためやむを得ず変更された可能性について触れています。
Steamは、一般的には規制がないあるいは薄いと思われがちなPC向けのプラットフォームですが、その内情に目を向けてみれば、Steamでは近年、表向きには成人向けを含む幅広い表現のタイトルのリリース自体は行えるようになったものの、特に日本・アジア風、さらに言うならアニメ調の女性キャラクターの表現について、著しく不透明な何らかの規制が行われている状況が続いています。
直近では人気VNシリーズ『ネコぱら After』がそうであったように、何らかの基準に引っかかると判断された場合、あまりにも長い期間不透明な審査が行われています。前述の『ネコぱら After』では一度無期限の販売延期となったほか、ローグライクアクション『エンドレスアリス』などValveが敷く不透明かつ遅々として進まない審査を嘆くデベロッパーもいます。
なかには『ダンジョントラベラーズ2』『2-2』などのように、当時コンソール向けに発売された一般タイトルでありながら発売中止を決断する例もでてきており、一度Valveの審査担当に疑いの目で見られてしまえばその影響ははかり知れません。
『Summer Pockets REFLECTION BLUE』へと話を戻せば、今回の一連の騒動のきっかけとなったコンソール版の採用については、こういったSteamの状況のなか、より「安全な」バージョンをベースにした可能性すら否定することはできないでしょう。
『Summer Pockets REFLECTION BLUE』は、PC(Steam/DLSite/DMM)/PS4/ニンテンドースイッチ/iOS/Android向けに発売中です。