
6月は「にじさんじ」のANYCOLORや、モバイルゲーム開発のgumiが本決算の発表を迎えます。本稿では、注目の企業をピックアップするとともに、決算発表を予定する企業を一覧で紹介します。
連載「ゲーム企業の決算を読む」競合のカバーはわずかな営業増益を予想したが……
本日6月11日はANYCOLORが本決算を発表します。
2025年3月12日に2025年4月期通期(2024年5月1日~2025年4月30日)業績の上方修正を発表。売上高を従来予想比4.4%増の407億円、営業利益を同4.1%増の154億円に改めました。売上高は前期比27.2%増、営業利益は同24.6%増という数字で、力強く伸びていることを改めて示した形。懸念事項になっていたグッズの発送遅延問題は解消、コマースの需要は依然として好調であり、オペレーション改善が進んだことで収益拡大に弾みをつけることができました。
決算発表の一番のポイントは今期業績の通期予想。競合のカバーは2026年3月期の営業利益を前期比2.5%増の82億円と予想しました。2割の増収を計画しているものの、営業利益面では急ブレーキがかかる計画を出したのです。これは人員配置や業務プロセスの見直し、販管費の最適化などを図るため。さらに同社が運営する「ホロライブ」は大物VTuber「がうる・ぐら」が卒業するなど、人気タレントの脱退が相次いでいます。
対する「にじさんじ」運営のANYCOLOは、こうした競合の動きにどのような予想を立てるのか注目です。
ブロックチェーンゲームはモバイルゲームに代わる収益柱になるのか?
gumiも同6月11日に本決算を発表します。
2025年4月期の通期業績予想は発表していません。第3四半期累計(2024年5月1日~2025年1月31日)の売上高は前年同期間比14.6%減の74億500万円、2億9,900万円の営業利益(前年同期間は30億2,900万円の営業損失)を出しました。
2024年9月30日に『アスタータタリクス』のサービスを終了。さらに乃木坂46公式プロデュースゲームアプリ『乃木坂的フラクタル』を同年12月からアピリッツとの共同運営体制に変更しました。運営タイトルの整理によって減収となっているものの、黒字転換を果たしています。
gumiはブロックチェーンゲームに重点ポイントを移しています。2025年6月9日に『TOKYO BEAST』をリリース。基軸通貨として活用ができるトークン「TOKYO GAMES TOKEN(TGT)」を暗号資産取引所のBybitをはじめとする海外大手4取引所へ同時上場させています。
ブロックチェーンゲームがモバイルゲームに代わる主力事業に育てることができるのか。今期はその答えを出す一年となるのではないでしょうか。
イベントとキャスティングの両方が伸び悩むGLOE
6月13日はeスポーツのGLOEが2025年10月期上期(2024年11月1日~2025年4月30日)の決算発表を行います。