『アーマード・コア』とナルトの新作でバンナムは1兆円企業へ【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

『アーマード・コア』とナルトの新作でバンナムは1兆円企業へ【ゲーム企業の決算を読む】

バンダイナムコホールディングスの業績拡大が鮮明です。

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バンダイナムコホールディングスの業績拡大が鮮明です。

2023年3月期の売上高は前期比11.3%増の9,900億円でした。2022年3月期は『ELDEN RING』の大ヒットで売上高は2割増。そこから更に二桁増となりました。

2023年3月期はELDEN RINGが引き続き好調でしたが、売上増をけん引したのがガンダム。アニメ『水星の魔女』がガンプラの販売増に貢献しました。

バンダイナムコが工場に大規模投資を行い、ガンプラ増産に動いた中での『水星の魔女』のヒット。IPを軸として主力事業を伸ばすという戦略を体現している会社の一つです。

全世界で2,000万本を超えたお化けタイトル『ELDEN RING』

2023年3月期の純利益は前期比2.6%減の903億円でした。減益となりましたが、2022年3月期と比較すると設備投資額が85億円、人件費が80億円増加しています。利益の減少は積極的な投資によるものであり、成長に期待できる要因と見ることができます。

2024年3月期の売上高は前期比1.0%増の1兆円を予想しています。バンダイナムコは保守的な予想を出すことで知られており、今期に1兆円企業となるのはほぼ確実。1,000億円程度上振れる可能性もあります。なお、2023年3月期の売上高の期首予想は8,800億円でしたが、9,900億円での着地でした。

ゲームを中心としたデジタル事業の売上高は前期比2.0%増の3,856億円でした。

補足資料より

2023年3月期のデジタル事業は、大型タイトルのリリースがなかったため、売上高を期首に前期比7.4%減の3,500億円を予想していました。予想を大きく上回って増収での着地。売上に貢献したのが『ELDEN RING』でした。

『ELDEN RING』は2021年の出荷本数見込み400万本を大きく上回る1,340万本のメガヒットとなりました。2022年の累計販売本数は2,050万本。2022年度は710万本を販売したことになります。

本作はフロム・ソフトウェアが得意とする死にゲーで、作家ジョージ・R・R・マーティン氏と共同で作り込んだ壮大な世界観が最大の特徴。ユーザーが必要とする情報を削ぎ落しており、複雑かつ難易度が極めて高いゲームです。それにも関わらず、海外での評価が高く、数々の賞も受賞しました。

本来であれば、一部のユーザーに熱狂的に受け入れられるものの、一般的なユーザーからは敬遠されがちな内容です。それを世界的なヒットに導いたのは、フロム・ソフトウェアが『DARK SOULS』や『SEKIRO』で熱狂的なファンを育てたからでしょう。ファンの口コミを通して多くのユーザーを取り込みました。

もし、他の会社が同じゲームを世に送り出したとしても、ここまでのヒットには導けなかった可能性があります。

今期は『ARMORED CORE』の新作を8月にリリースする予定です。バンダイナムコは『NARUTO』の新作も発売を控えています。今期のデジタル事業の売上高は前期比1.1%増の3,900億円を予想しています。4,000億円の大台が見えてきました。


《不破聡》

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