業績堅調のドリコムは第2のKADOKAWAになれるか?【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

業績堅調のドリコムは第2のKADOKAWAになれるか?【ゲーム企業の決算を読む】

『ONE PIECE トレジャークルーズ』を提供するドリコムの業績が安定してきました。

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『ONE PIECE トレジャークルーズ』を提供するドリコムの業績が堅調です。

2022年3月期の売上高は前年同期比11.1%減の105億2,800万円、営業利益は同22.5%減の15億9,100万円と減収減益だったものの、2023年3月期の売上高は同23.5%増の130億円、営業利益は同25.7%増の20億円の増収増益を予想しています。

営業利益率は15%台に回復。2020年3月期は6.1%でした。

主力のゲーム事業においては、不採算タイトルを整理したことにより、労務費や外注費の削減に成功。利益が出やすい体質へと変化させました。更に2020年3月にイグニスから5億2,000万円で買収したスタジオキングの『ぼくとドラゴン』の収益貢献が高く、安定的に利益が出るようになりました。

ドリコムは2022年10月に設立したライトノベルレーベルから第1弾となる小説を世に送り出しました。他社との協業で成長したドリコムが、新規IPの開発という次のステージに移行しようとしています。

不採算タイトルと事業の整理が奏功

ドリコムはブログや着メロ、広告など様々な事業を展開していましたが、2010年にモバゲータウンにゲームを提供してから、ゲーム事業を本格化しました。

2008年に広告事業の強化を目的として楽天と資本業務提携を行いました。しかし、2018年9月に資本関係を解消。楽天が保有していたドリコム株は、30億円でバンダイナムコホールディングスが取得しています。ドリコムがゲームメインの会社となったことを印象づけました。バンダイナムコホールディングスは、2022年3月末で19.04%の株式を保有する第2位の株主です。

現在、ドリコムはゲーム事業とメディア事業を展開していますが、売上高の98%をゲーム事業が占めています。

2019年3月期までは赤字と黒字を繰り返す不安定な業績が続いていました。しかし、2020年3月期からは3期連続の営業黒字となり、2023年3月期も黒字を予想しています。

決算短信より

四半期ごとの業績を見ても、2020年3月期からは一度も赤字を出していません。その推移を見ると、2020年3月期に不安定だった時期を抜け、2021年3月期からは利益水準が高まっていることがわかります。

ファクトシートより

ドリコムが2020年3月期に行ったのが、不採算タイトルの見直し。この期にゲームアプリ計2本の減損損失5億1,200万円を計上しています。減損損失を計上したことにより、それ以降の償却負担が軽くなりました。

また、タイトルを整理したことで2020年3月期労務費は前期比22.9%も削減しました。労務費と外注費は減少傾向にあり、2022年3月期は2019年3月期と比べて5.7%、外注費は24.2%減少しています。

ファクトシートより

更にドリコムは、2020年3月にバンダイナムコエンターテインメントとの合弁会社である、バンダイナムコネクサス(旧:BXD)の持株全て(保有比率49.0%)をバンダイナムコに売却しました。ドリコムは売却によって6億9,200万円の特別利益を計上しています。売却のオファーを持ち掛けたのはバンダイナムコでした。

バンダイナムコネクサスは、売却したタイミングの2020年3月期からちょうど利益が出始めており、2021年3月期に最高益を達成しています。ドリコムは将来的な成長に期待をかけ、赤字を我慢して温めていた事業の利益をとりっぱぐれたように見えます。

※バンダイナムコネクサス「決算公告」より

しかし、この持株の売却も次なる成長の布石となった可能性が高いと考えられます。


《不破聡》

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