「Steamの裏話」から待望の続編の話まで!Valve単独インタビュー延長戦! | GameBusiness.jp

「Steamの裏話」から待望の続編の話まで!Valve単独インタビュー延長戦!

全世界のゲーマーが待ち望んでいる「3」の話やSteamに関する裏話まで、VALVE社員の方に徹底追及してみました。

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Valve Corporationが手掛けるオールインワン携帯型ゲーミングPC『Steam Deck』。日本での展開はかねてよりアナウンスされていましたが、この度ついに国内向けの予約が開始されました。

編集部では何とこのタイミングでアメリカのワシントン州ベルビューにあるValve Corporation本社に招かれ、対面でのインタビューを敢行。Steamに関する裏話から自社内タイトルの現在の状況、さらに未来のSteamについてのインタビュー内容などなど、読者が気になるだろうアレコレを聞いてきました。あの続編の話も飛び出し、非常に濃い内容となったその内容を本稿ではお届けします。

なお、「Steam Deck」に関するインタビューはこちらから。「Steam Deck」に関する様々な情報が盛り沢山です。

いつかは任天堂の作品をSteamストアに並べたい

今回インタビューに答えてくれたのは「Steam Deck」のインタビューでも対応して頂いたプログラマーのTom Bui氏(写真右)とデザイナーのLawrence Yang氏(写真左)。

非常に和やかな空気の中インタビューは行われました。

ーー『Dota 2』や『Team Fortress 2』や『Left 4 Dead 2』の続編などの予定はありますでしょうか。

Tom氏:公式で現在発表できることはありませんが、常にバージョンアップの可能性を模索しつつ開発を続けています。

ーー上記のタイトルについて、Macへの対応は諦めていないのでしょうか。

Tom氏:諦めていません。可能な限りMacへの対応を実現させたいと考えています。

ーー全世界のゲーマーが気になる『Portal』シリーズの今後の展開はどうなっていますでしょうか。

Tom氏:ニンテンドースイッチで発売されたこと以上の情報は現在お話できません。

ーーCampo Santoを買収しましたが、その後外から見る限り動きが無いように見えるのですが実際のところどうなっていますでしょうか。

Tom氏:ゲームソフトとして直近では『Half-Life: Alyx』を制作しています。また、Campo Santoのスタッフは全員がゲームソフトを制作しているわけではなく、ゲームソフトを作る者もいれば「Steam Deck」等のハードウェア面をサポートする者もいたり、あるいは汎用的なプログラムを作る人もいます。なので、何もしていないわけではありません。

また、Valve社はスタッフの机にキャスターが付いており、特定の仕事をしたい場合には机自体を動かしてすぐに別プロジェクトに入れる仕組みが出来ています。そのため、フレキシブルに社員一人ひとりの仕事が変わっていきます。

ーー日本においては、『Dota 2』の盛り上がりはそこまで大きなものにはなっていません。何かテコ入れを考えていたり、日本のユーザー向けの施策などは考えていますでしょうか。

Tom氏:今日伝えるものはありませんが、常にフィードバックを聞いて改善していきたいとは思っています。

ーーそれこそ「リナ・インバース」(Linaというキャラクターの元ネタ)のスレイヤーズなど、日本人向けのタイトルと『Data 2』のコラボレーション企画は考えないのでしょうか。

Tom氏:今までも他の会社と一緒に仕事をしてきたことはありますので、そういった機会があればぜひやりたいとは思っています。

ーー日本において、近年『Valorant』がe-Sportsとして大きな注目を浴びています。『CS:GO』も日本向けの施策を行う可能性はありますでしょうか。

Tom氏:日本に特化した施策は現在考えていません。ただ、日本の方も『CS:GO』に興味を持っている方が多いと聞いていますので、今後日本向けの施策が用意される可能性はあります。

ーー『Team Fortress 3』や『Left 4 Dead 3』など「3」の数字がつく作品は作らないのでしょうか。噂ではValve社員は数字の3が読めないとか言われていますが…

Tom氏:今日のところは何も言えません(笑)

ーー無料配布やサブスクのようなビジネス展開(Game Pass/Humble Choiceなど)は考えているでしょうか。

Tom氏:EA PlayはすでにSteamで実装済みです。また他のサブスクリプションも考えていますが、ユーザーの反応を見ながら実際に導入するかは考えたいと思っています。

ーー単刀直入に、Epic Gamesストアは競合にあたると思いますが、Valve社としてはどのように評価していますでしょうか。

Tom氏:新しいイノベーションを理解できたり、ユーザーにとっては選択肢が増えるので、新しい起業が来ること自体歓迎しています。

ーーSteam上にてNFTゲームはBANの方針に変わらないでしょうか。また、NFTゲーム自体Valve社はどのように見ているのでしょうか。

Tom氏:Steamを使っているユーザーに問題を引き起こす可能性があるため、BANの方針に変更はありません。ただ今後ユーザーがどの様にNFTゲームを見るかによって方針は変わっていくかもしれません。

問題が起きる可能性がある一方で、今後ユーザーに利益を与える可能性もまたあるので、慎重に見定めていきたいです。

ーー私達メディア視点では、Steamの日本市場が盛り上がってきていると感じていますが、プラットフォーマーとしてはどう捉えているのでしょうか。

Tom氏:直近の一ヶ月では(日本からの)売上が50%ほど上昇しており、日本市場の盛り上がりを実感しています。

ーーとはいえ、まだ日本のゲームユーザーに「Steam」という存在が浸透していないのもまた事実です。認知度の上昇のための1つの手段として「Steam Deck」を日本で販売するのは先程お聞きしましたが、それ以外で日本市場に「Steam」を広める施策は検討していますでしょうか。

Tom氏:「Steam Deck」を「Steam」を知らない人が実際に触ってみることで「Steam」というものを理解してもらえると考えています。また別の施策として、日本の有名なゲームデベロッパーに連絡してもっと良い作品を出してもらうということも考えています。

本当はもっと前の段階で私達が日本に赴き宣伝したかったのですが、コロナによる影響で宣伝が叶わない状況が続きました。ですが、今年はValve社員を数名日本に送り、宣伝活動をしていきたいと考えています。1つの例として今年のTGSではKOMODO社と共同スペースを出展し、そこで実物の「Steam Deck」を体験出来る機会を提供します。BitSummitでも同様です。それらの機会ではゲームデベロッパーの方とも話をして、連携を深めたいとも思っています。

ーーSteam Deckの国内販売に関して、どのような販売形態になるのでしょうか。家電量販店での販売は予定しているでしょうか。

Tom氏:最初はオンライン専売になります。予約が開始された直後に予約すれば遅くとも年内にはお届け出来る予定です。今後販売台数や台数の確保によっては家電量販店での発売もありえます。

ーーEAのSteam復帰などの例のように、コンソールプラットフォーマーやパブリッシャーとの更なる協業などは検討していますでしょうか。

Tom氏:どのパブリッシャーとも協業の可能性は常に探っています。例えばソニーやマイクロソフトの作品も既にSteamに存在しています。いずれは任天堂の作品もSteamに出せたらいいですね(笑)

ーーSteam Directで広範に様々なデベロッパーの作品をSteamに送り出せる仕組みは整いました。一方で、日本の多くのデベロッパーが同じ内容であっても海外パブリッシャーからは問題なく出せて、日本のパブリッシャーではリジェクト・BANをされているような不公平が生じています。こうした問題について、言語間でのミスコミュニケーションの可能性なども鑑みて、BANされてしまった日本のタイトルになんらかの救済が行われる可能性はないのでしょうか。

Tom氏:勿論文化の違いもあり理解の違いもありますが、対象のゲームを世の中に出して、(我々やデベロッパーが)訴えられないかどうかも考える必要があります。もしリジェクトやBANが行われた場合は、我々に連絡して頂ければ、細かな連絡を取りながら文化的・言語間のミスコミュニケーションが原因なのかを話し合うことが可能です。

ーーSteamworks/Steam Directの登録プロセスの幅広い日本語ナレッジベースの公開の予定はないのでしょうか。

Lawrence氏:どういう点が理解しづらいかをフィードバックして頂ければ修正・追加していきます。実のところ……現状では何処が難しいかというフィードバック自体が来ていないので、判断ができないのです。またNDA下のフォーラムではあらゆる人物が存在して自由に意見が交換できるので、そこに日本語が出来るデベロッパーが集まるようになってくだされば、日本語でのナレッジベースも充実していくと考えています。

ーー日本では直近で、一部のユーザーがSteam上にあるゲームについて価格が非常に安価な地域のアカウントを不正入手してゲームを購入する行為が話題となりました。このような行為に対してのさらなる対策は行われるのでしょうか。

Lawrence氏:そのようなことは普通はできないはずです。ユーザーが住んでいる地域の価格に自動設定されます。一方で我々は常に、不法な買い方をしている人がいないかチェックもしています。もちろん、最終的な価格設定はValve社ではなく各デベロッパーなので、デベロッパーが一部地域にのみ安い値段で設定するのを止めることはできません。

ーーSteamworksの基本機能として発売時間を複数設定し、発売処理を特定の国に向けてのみだけ行えるようにならないのでしょうか?日本のゲームは、海外合わせの発売時間にせざるをえないことが多く、他コンソールに対して大半の発売日に遅れが出てしまっています。

Tom氏:普通は発売日は1つですね。ただ、今後、特定の地域だけ発売日を変更する設定を導入する予定です。

なお、現状でも我々に連絡して頂ければ発売日を複数設定することは可能です。ただ、我々としては発売日を1つに統一して頂くと宣伝もしやすいので推奨しています。

ーーゲイブさんはまだニュージーランドにいますか?

Tom氏:どこにいるかわかりませんが……生きているのは間違いないです(笑)

ネットワーク会議には出席していますから。

ーー日本のコンテンツやクリエイター、デベロッパーで注目しているものはありますでしょうか。

Tom氏:沢山のデベロッパーとコンタクトしていて、どれも興味深いものばかりです。今後も沢山の人たちとこの後のTGSやBitSummitでお会いしたいです。

ーー最後に、日本のSteamユーザーにコメントをお願いします。

Tom氏:Steamというコンテンツは我々が自信を持って世の中に出しているものです。なのでぜひ楽しんで欲しいですし、何か気づいたことがあればいつでもフィードバックをお待ちしております。

Lawrence氏:私が数年かけてかかわってきたこのSteamというコンテンツを心から楽しんで欲しいことを願っています。


このインタビューを通じ、筆者が感じたことは、SteamはValve社員の誇りであり、そして今でも進化を続けるものであるというものでした。多くのユーザーが実際に使っていて感じるであろう、Steamが、常に進化し続ける「コンテンツ」である、という感覚を再確認する結果だったとも言えるでしょう。。

もしあなたが今回「Steam Deck」の存在とともにはじめてSteamを知ったのであれば、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。その進化し続ける内容は、あなたのPCライフに彩りを添えてくれること間違いありません。そしてすでにSteamを利用しているだろう読者の皆様に関しては、今回の記事を読んで少しでも面白い、あるいはためになったと思って頂ければ幸いです。

(このインタビューは2022年7月末頃に実施されました)

《げーまー哲@Game*Spark》

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