
Wovn Technologiesは、コロプラが2025年5月7日にローンチしたスマートフォン・PC向けRPGゲーム『神魔狩りのツクヨミ』の多言語化対応をゲームローカライゼーション支援ツール「WOVN.games」によって支援したと発表しました。
『神魔狩りのツクヨミ』は、AI技術とクリエイターの創造性を組み合わせることで、新たなゲーム体験の創出に挑んだタイトルです。最大の特徴は、AIによるオリジナルカードの生成システム。本タイトルは、WOVN.gamesをローカライゼーションプラットフォームとして活用することで、日本語から3言語(英語、繁体字、簡体字)への効率的なローカライゼーションを実現しました。

従来、コロプラはゲーム開発・QAと並行して翻訳準備・翻訳・LQAを行っており、翻訳作業では煩雑なマスタデータをバージョン単位で管理しつつ、開発進捗に合わせて変わるテキストと外注・受領する翻訳データを並行管理するために、大きな手間がかかっていました。
また、翻訳準備において画面のスクリーンショットとテキストを合わせる作業が煩雑で負荷がかかっていたほか、開発と翻訳が同時進行のため、翻訳者はテキストのみで作業せざるを得ず、「直訳ぎみになる」「訳文が画面に収まらない」といった事態が発生し、LQAでの再翻訳が頻発していました。
さらに、LQAで発見したエラー箇所報告では、スクリーンショットや説明を用意する負担が発生。テキストのみではエラー特定の難易度が上がり、コミュニケーション負荷が高まっていました。
こうした課題の解決に向けて、コロプラは抜本的にプロセスを変革し、「多言語版ゲームのローンチ早期化」「翻訳にかかるリソース・コスト削減」を実現するソリューションとしてWOVN.gamesを採用しました。
WOVN.gamesの「スクショ機能」では、ゲーム画面を自動でスクリーンショットで保管でき、翻訳者は画面開発後にその画面を見ながら直接翻訳や修正が可能です。翻訳とLQAの一本化に繋がり、ローンチまでの時間短縮・コスト削減・品質向上に寄与します。

また、「バグ報告機能」や「テキスト変更履歴管理」など、プロセスを効率化する機能も組み込まれており、チケット管理・修正も簡易・迅速に実行できます。元のテキストや翻訳結果が変わった場合にも、ピンポイントで過去の履歴を復元したり、それを用いた翻訳修正を実施したりすることも容易なため、翻訳や反映作業を効率化できます。

WOVN.gamesはSDKを導入するだけで、翻訳・LQAのプロセスを一本化できるソリューションです。UnityやUnreal Engineなどの特殊環境は不要で、ユーザー自身のPCブラウザ環境で利用可能です。取り外しも容易なため、既存の開発案件や重点案件においても安心してプロセスに組み込めます。



コロプラの開発プロデューサーである齋藤ケビン雄輔氏は「WOVN.gamesにより、ローカライゼーションのコストおよび時間削減を行い、小規模・短期間でのグローバルリリースができました。翻訳/LQAの一本化を行い、『スクショ機能』によりテキストベースだけでないローカライゼーション業務フローがWOVN.gamesによって実現したと思います」と述べ、今後のゲーム開発でも導入してフローを確立する意思を示しています。
同社のコンセプトプランナーを務める金子一馬氏は「このゲームは世界中の神話や伝説を取り扱っているので神話由来の特別な用語が数多く登場します。WOVN.gamesはローカライゼーションツールとして、こうした用語を含む翻訳データを管理し、問題があっても的確に対応することが出来ました」とコメントし、ローカライゼーションフローのさらなる進化に期待を示しました。
なお、WOVN.gamesは、コロプラの齋藤氏をゲストとして招き、2025年7月24日に「CEDEC 2025」スポンサーセッションに登壇します。
「CEDEC 2025」スポンサーセッション概要
タイトル:
AI ローカライズ:コロプラ『神魔狩りのツクヨミ』の多言語化を支えた WOVN.games登壇者 :
株式会社コロプラ 『神魔狩りのツクヨミ』開発プロデューサー 齋藤ケビン雄輔氏
Wovn Technologies株式会社 WOVN.games プロダクトオーナー 藤村弘也氏
Wovn Technologies株式会社 Product Department エンジニア 田所洋氏日時 :
2025年7月24日(木) 15時30分~15時55分場所 :
パシフィコ横浜ノース 第13会場URL :
https://cedec.cesa.or.jp/2025/timetable/detail/s681af6f9dbe26/