楽しんでいただける環境作りをお約束します―『北斗リバイブ』岩本Pが語るこれまでとこれから | GameBusiness.jp

楽しんでいただける環境作りをお約束します―『北斗リバイブ』岩本Pが語るこれまでとこれから

原作の再現度が評価される一方で、期待と予測を大きく上回ったプレイヤー数に対処しきれなかった面も目立ってしまった『北斗リバイブ』。その反省をどう生かし、どのようなゲームを目指していくのか? セガゲームスの岩本耕平プロデューサーに話をうかがいました。

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9月5日より配信が開始され、同月20日には50万ダウンロードを突破するなど好調な滑り出しを見せているセガゲームスのスマートフォンゲーム『北斗の拳 LEGENDS ReVIVE(以下『北斗リバイブ』)』。しかし一方で、想定を上回ったダウンロード/ログインにサーバーが対応しきれず、ゲームを始められない人が多く出てしまうなどのトラブルも見られました。配信開始から約1ヵ月をむかえようとしている今、運営はその事態をどう捉え、これからをどう見据えているのか? 本作のプロデューサーを務める、岩本耕平プロデューサーへのインタビューをお届けします。

――『北斗リバイブ』の配信開始からそろそろ1カ月をむかえようとしています。まずは、今の率直な気持ちをお聞かせください。

岩本「本当に申し訳ありません」という言葉につきます。みなさんに事前登録していただいた数値を元に、余裕を持たせつつ準備をしていたつもりだったのですが、みなさんの"北斗の拳愛"を見誤っていました、としか言いようがありません……。やむなく緊急でサービスをいったん止めさせていただくことも何度かあり、ご期待にそえず申し訳ありませんでした。

みなさんのご協力のおかげもありまして、この1カ月で"応急処置"は大体済みました。これから10月末くらいまでに"根本的な治療"を済ませられればと考えています。

――プレイヤーたちからは、プレイできないことに対する声が寄せられましたか。

岩本はい。みなさんのお声が僕たちにダイレクトに届くというのが、今日のゲーム制作の一番の醍醐味だと思っていますが、ときには一番辛いところでもありますね。私自身の言葉でそのすべてにお応えするのは難しいけれども、いただいたご意見は開発チームの誰かしらが見ていて、僕のところに上がってくるようになっています。

リリース直後にいただいたおしかりの声のほとんどは、「ダウンロードしたのにプレイできない・入れない」、「ローディングが終わらない・動作が重い」というものでした。9月末現在、そうした問題は解消できましたので、この場をお借りしてお詫びするとともに、あらためてお伝えできればと思います。

――期待が高かった分、失望にもなってしまった……という感じなのでしょうか。

岩本そうなのだと思います。ですが、そんな中でも丁寧な言葉遣いで思いをぶつけてくださる方たちばかりで、本当にありがたく、だからこそなおさら申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

サービス開始直後のトラブル続きを申し訳なく思っています、と岩本氏

――9月27日に公開された「プロデューサーレター vol.01」でも思いを語られておられますね。それでは時系列が前後してしまいますが、あらためて、簡単な自己紹介と本作の制作の経緯をうかがえますか。

岩本セガゲームスに所属してからはまだ4年くらいで、それまではマルチプラットフォームの開発会社でコンシューマ・スマホ開発に携わっていました。具体的なタイトルは『ソニック ワールドアドベンチャー』、『ソニック カラーズ』、『ソニック ジェネレーションズ』などです。その後はスマートフォンゲームも手がけ、『聖闘士星矢 ゾディアック ブレイブ』でディレクターを務めました。そこから弊社に所属し、今は同作(『ゾディアック ブレイブ』)のプロデューサーも兼任しています。

北斗リバイブ』制作の経緯ですが、原作の「北斗の拳」は2018年9月13日が「週刊少年ジャンプ」で連載が始まってから35周年にあたる日だったんです。それにちなんで、日本記念日協会より9月13日が「北斗の拳の日」として制定されまして、そこに合わせてゲームを作らせてもらえませんかとお話したのがきっかけでした。

――やはり開発チームには「北斗の拳」ファンが多いのでしょうか。

岩本僕は今年で42歳なのですが、僕と同世代で「北斗の拳」を知らない人はほとんどいないとすら言えます。開発でも、人をまとめる立場にあるのは自然とそのくらいの世代ですので、ファンを集めようと意図せずとも自然と好きな人が集まってくれて、作るうえで不安のない開発チームを組めました。

――そのくらいの年代は"直撃"世代と言えそうですね。『北斗リバイブ』では、現在ではどのあたりのキャラクターが人気ですか?

岩本バトルと育成を交互に行うゲームですので、やはり拳王(ラオウ)、サウザー、トキなど、原作での設定、ゲーム内での性能共に強いキャラクターが人気です。また、本作ではカサンドラの獄長・ウイグルも人気があります。「体」タイプでHPが高く、前衛で壁役をしてもらうのにうってつけですので。

――ウイグルや、同じ「体」タイプであるハートも原作序盤で大きな存在感を発揮する人気キャラクターですね。本作は配信開始と同時にユーザーアンケートも始められていますが、現時点での集計結果はいかがですか?

岩本本作の一番のウリは「究極の原作追体験」で、物語を再現することには特にこだわっているのですが、みなさんに一番満足していただけているのもストーリーで、そこは胸を撫で下ろしました。原作にはない組み合わせのドリームチームを作って戦えるというのもウリの1つですが、「ドリームチームと言う割には使えるキャラクターが少ないのでは?」というお声もいただいております。本作は「北斗ゲーム史上、最多のプレイアブルキャラクター」を謳っていますので、今後のアップデートでしっかり追加していきたいと考えています。

『北斗リバイブ』公式サイトより。原作にはなかった組み合わせで戦えるのが魅力のひとつです

――「デカいババア」のような、ある種"ネタキャラ"ともいえるキャラクターなどの実装予定はあるのでしょうか。

岩本「北斗の拳」は海外でも大人気の作品ですのでプロモーションの一環で海外に行くこともありますが、どこの国のメディアの方も同じことをおっしゃられます(笑)。どのキャラクターをどういう順序で実装するかという企画会議をしていると、もちろんそういったキャラクターたちの名前も挙がります。現時点ではやるともやらないとも断言はできないというのが率直なところですが、僕としてはそういうキャラクターたちが実装されてもいいのではと思っています。

――"ミスミの爺さん"が自ら戦う、などという絵面も楽しそうです。

岩本そうですね(笑)。とはいえ、まずは「究極の原作追体験」をしっかりとお届けして、そのうえでなら、周りを彩る印象強く個性豊かなキャラクターがいてもいいのかなと。

――今、お話にも挙がりましたが、海外での反応はいかがですか?

岩本原作に登場するさまざまな流派は中国拳法を思わせる要素も見られたりしますので、香港・台湾などのアジア各国で原作人気の高さを実感しました。フランスで開催された「Japan Expo」にも出展させていただきましたが、そこでも好意的な反応を多数いただけました。

かつてのフランスでは規制が厳しく、TVアニメが放送されても暴力的なシーンはすべてカットされていたそうなのですが、今はさまざまな動画配信サービスで、ノーカットのものを見られる環境が整っているそうです。

――本作でも、表現に関してはチャレンジと配慮が同居しているようで、苦慮されておられるのだなと感じます。プレイヤー層ですが、やはり原作ファンがメインでしょうか?

岩本これは持論も含みますが、特定のIPを取り扱うゲームというのは、基本的にはプレイヤーはみなさんがファンですね。原作がどれだけ人気のあるIPで、どれだけおもしろいゲームになっていても、その作品をご存じない方がゲームに手を出してくれるという例はやはり全体としては多くはないと感じています。そういったこともあり、本作では、プレイヤーの90%以上が30-40代の男性の方ですね。

――前述のサーバーのこともあり、これから始めてみようかというプレイヤーもいるかと思います。序盤におすすめのコンテンツやプレイスタイルなどはありますか?

岩本必ずやらなければいけないものではありませんが、プレイヤーレベルが20に到達すると機能が解放される「ギルド」はおすすめです。まずは適当なところに所属して、そこがあまり活発ではないようなら、どんどん乗り換えていく……くらいの気持ちで遊んでいただければと思います。

また、本作には「コンボボーナス」という要素があり、たとえば「GOOD→GOOD→EXCELLENT→EXCELLENT→GOOD」というように、特定の評価でコンボをつなげるとガチャなどに使用できる天星石をもらえます(編注:日ごと、サーバーごとにコンボボーナスは変化します)。ギルドに所属していると、告知で「今日のボーナスはGGEEGですよ」と教えてくれる人がいたりしますので便利ですし、「アミバの秘孔究明」ではうまくいけば「トキのカケラ」が手に入ったりしますので。




日ごとに設定されるコンボボーナスを達成すると、天星石を50個もらえます

――ギルドを活用した方が、少しでも多くのキャラクターを手に入れるうえで有利になりやすいということですね。キャラクターは、今後どのくらいの頻度で追加されていくのでしょうか。

岩本毎月、月中~月末を目途に2体ずつ追加していく予定です。また、9月13日からは「北斗の拳の日」にちなんで、SRの「リュウケン」が手に入るイベントを行いました。今後もこういった形でのキャラクターの追加もやっていきたいと考えていますし、あとから始めてくださった方たちのために、復刻もタイミングを見て行っていきたいと考えています。

――あとから始めたので「拳王(ラオウ)」を手に入れる手段がない……では寂しいですしね。ところで、ラオウであれば少年時代の姿など、同一のキャラクターでも異なる強さや姿を持つバリエーションなどは実装されないのでしょうか。

岩本そうしたご要望も、やはりどこの国のメディアの方からもいただきます。病に侵される前の黒髪のトキなどもほしいですよね。そういうファンの皆さんが待ち望んでいるであろうキャラクターもがんばって作っていきたいです。

――個人的には「デカいババア」の実装に期待しています(笑)。それでは最後に、本作のプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

岩本繰り返しになってしまいますが、楽しみにしてくださっていたみなさんのご期待に沿えないスタートとなってしまい、本当に申し訳ありませんでした。みなさんからのお声はすべて私たちのところに届いており、今後の開発に活かさせてもらっています。ぜひ今後もお声を聞かせていただきつつ、応援をいただけたらと思います。その時々の問題を完全に解決し、みなさんにより気持ちよく楽しんでいただける環境を作り続けていくことをお約束します。クリスマスより前には、なんらかの形で時節のイベントも始めていければと考えていますので、『北斗の拳 LEGENDS ReVIVE』をよろしくお願いいたします。

原哲夫氏の描くキービジュアルのケンシロウとラオウよろしく、最後に未来を見据えていただきました

(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983 (C)SEGA
《蚩尤@インサイド》

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