ゲームはより深化し、進化する ― 『アイアン・スローン』開発会社CEOが見据えるこれからのモバイルゲーム 2ページ目 | GameBusiness.jp

ゲームはより深化し、進化する ― 『アイアン・スローン』開発会社CEOが見据えるこれからのモバイルゲーム

ネットマーブルの新作『アイアン・スローン』が5月16日に全世界251地域での配信を開始しました。本作を手掛けた韓国のデベロッパー4PLATの姜在鎬CEOに、本作の魅力やゲーム作りのポイント、今後のゲーム業界についてインタビューを敢行しました。

ゲーム開発 プロデュース
4PLATの姜在鎬(カン・ジェホ)CEO
  • 4PLATの姜在鎬(カン・ジェホ)CEO
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  • 4PLATのロゴ

嫌われる要素を入れない…世界で戦うために意識したこと



――本作は全世界251地域で配信されていますが、ユーザーからのフィードバックはいかがでしょうか。

非常に嬉しかったのは「今まで色々なゲームがあったけど、『アイアン・スローン』は次世代のモバイルゲームだ」という評価をいただけたことです。私たちが狙っていたコンテンツの多様さが受け入れられたことや、ゲームを起動する度にいつも遊べる何かがあるという点も評価されていることを嬉しく思います。

――地域ごとにユーザーの反応の違いに違いはありましたか。

そこまで大きな差はありませんが、北米では個人プレイに関する要素を楽しんでいる方が多く、韓国はギルド中心、日本はその中間くらいだと思います。

――容量の点以外で、グローバルローンチではどこを意識したのでしょうか。

端的にいうと、時差が最も重要だと思います。日本の場合は北海道から沖縄まで時差がないので意識することがないですが、グローバルローンチとなると、ある地域では朝でどこかの地域では夜という状態が必ず訪れます。そのため、ゲームのイベントをいかに平等に設計するかがポイントでした。

4PLATの姜在鎬(カン・ジェホ)CEO

2番目に意識したのは、文化を理解することです。言い換えるならば、“好きなものを入れるのではなく、嫌いなものを入れない”ということですね。これはソフトローンチの経験で学んだことなんです。本作には騎士のキャラクターが登場しますが、元々剣や防具には十字架をデザインしていました。ところが、ネットマーブルのトルコ法人に行ってミーティングをしていたら、「十字架は昔ヨーロッパとイスラムが戦争した十字軍の戦争を想起させるから消してほしい」と言われたんです。

正直、韓国や日本においては、騎士と十字架のセットで嫌悪感をもつユーザーはかなり少ないかと思います。しかし、ソフトローンチ期間に、同じ表現であっても文化的・歴史的に受け入れられないユーザーもいることが分かりました。好きなものを入れることはもちろん重要ですが、嫌いなものを入れないというという点も等しく重要であり、それが分かるまでには時間と経験が必要だなと感じました。

――正式リリースの前にそうした修正ができたのは、ワールドワイドで展開しているネットマーブルと一緒に開発できたから、ということでしょうか。

そうですね。各地域の現地法人から率直な評価をもらえたのは凄く重要なことだったと思います。「○○を消しましょう」というのはお客さんだとなかなか言いづらいですし、同じグループの一員だからこそ改善できた部分だと思います。

――今の話を伺うかぎり、本作はグローバルで全く同じコンテンツを提供しているということですよね。

そうですね。コンテンツも全て同じ内容になっており、全世界のユーザーがグローバルサーバーに入るかたちで運用しています。ただ、テキストだけは15ヶ国語に翻訳しており、ゲーム内の設定画面から変更が可能です。

――現在は地域別サーバーを設けて、ある程度リージョンを分けた運用が主流だと思いますが、なぜグローバルサーバーのみで運用しようと思ったのでしょうか。

私が狙っているユーザーは、国や地域に関係なく、グローバルで戦いたいと思う人たちです。もちろん日本専用サーバーを実装することは簡単ですが、このゲームに関しては壮大な世界観で、多くの方と巡り合って友達になったり敵として戦ったりすることが、本来の面白さだと思っています。

《宮崎紘輔》

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