新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー 3ページ目 | GameBusiness.jp

新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー

バンダイナムコグループの中核としてゲーム事業を担うバンダイナムコエンターテインメントはグループ統合以来の社名から社名変更に踏み切ったのに続いて、この春から田町の新しい未来研究所に移転し、新たなスタートを切りました。

企業動向 戦略
新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー
  • 新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー
  • 新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー
  • 新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー
  • 新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー
  • 新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー
  • 新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー
  • 新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー
  • 新しい未来研究所で聞いたバンダイナムコエンターテインメントが目指す未来像、大下聡社長インタビュー

バンダイナムコの風土を変えていく



―――社長になって最初の施策は何だったのでしょうか?

別に準備をしていたわけじゃないのですが、戻った時には変えるべき事は色々あるなと思ってました。セクションのあり方、バンダイとナムコという分け方とか。当時のバンダイナムコゲームスには約900人の社員がいて、バンダイ出身、ナムコ出身、バンプレスト出身、バンダイネットワークス出身がいる。それが、全員が出身社名で話をするんじゃなくてバンダイナムコの社員として活き活きと働けるようにならないと駄目だという事です。それから、「ワンコンテンツ、マルチユース」と掲げながらも、どうしたってゲームを作りたくて入ってきた人が多い。特にゲーム作りに縛られている風土を変えたかった。事業領域はもっと広いエンターテイメントの世界に広がってるわけです。それで社名を「バンダイナムコエンターテインメント」という幅広な名前にしました。“狭い世界でなく、みんな色々なことが出来るようになれるように。

―――社名変更はかなり象徴的ですね

会社で働いてる皆さんが、ゲームに縛られずに、エンターテイメントの全領域で経営資源を使ってビジネスを広げていけばもっと楽しい会社が出来ると思ってます。そのためには社員も「バンダイナムコエンターテインメント」という会社に誇りを持って貰わないといけません。その為に1年目から「めちゃくちゃCMを打て」と言ってます。CMを打つと社員が観ます。その友達や親も観るでしょう。そうすると「あれはウチの会社なんだ」と言えるじゃないですか。自然と会社にロイヤリティを持てるようになる。バンダイやナムコではなく、新しい「バンダイナムコエンターテインメント」という会社に対してです。それから商品も売れるだろうし一石二鳥です。今はとにかくブランド価値を高めたい。社員も会社に対して愛着が持てて、楽しく仕事をしてくれている社員がどれだけ居るか。人材格差が企業格差になる。人を育てることが先決で、その下にビジネスモデルやIPがある。どういう人材が居るか、それが全てだと思いますね。



―――確かにここ数年、御社のテレビCMを目にする機会が多いように思います。その裏には人を育てるという狙いがあったのですね

ナムコの創業者の中村雅哉さんも、バンダイの創業者の山科直治さんも人を育てたからこそここまでの企業を作れたと思います。どういう事業をやるか、の前にどういう企業集団であるかを大切にしたいと思ってます。グループのキャッチコピーに「挑戦・成長・進化」というメッセージがあるのですが、突然に成長・進化をすることはありません。まずは挑戦しなくてはならない。実は今年からここに「スピード」を付け加えようと言ってます。とにかく早いスピードで挑戦して、失敗して、成功する。これをガンガンやっていかなきゃいけません。

―――ゲーム業界でも様々なプラットフォームの栄枯盛衰があるわけですが、バンダイナムコエンターテインメントとして、このプラットフォームの変化はどのように捉えているのでしょうか?

プラットフォームは移り変わりますよね。もちろん、任天堂、ソニー、マイクロソフトという確固としたプラットフォームが家庭用ゲーム機ではあるのですが、その形は時代に応じて変わらざるを得ないでしょうね。今後はネットワークというインフラを強く意識したものになるでしょうね。ネットワークはなくなりません。これはどの分野でも変わらないと思います。バンダイナムコエンターテインメントとしては新しいインフラを早期に掴むのが大事だと思っていてます。僕らはやっぱりコンテンツで育ってきた人たちなので。あとはナムコの施設をインフラとして広げたい。そしてリアルとネットワークを融合していくつもりです。

―――AM施設事業は厳しい状況が続いていますが、しかしインフラとして大きな可能性を秘めていると

ユニクロがあれだけ成功している理由を考えると、ユニクロの質の高い服はユニクロでしか買えないからです。同じようにナムコのお店に行けば面白いゲームが遊べる。逆に言えばナムコにしかないものがあれば、そこにいくしかない、そういう方向です。どこでも遊べるゲーム機を置いて、アミューズメント施設業界の波に一緒に乗るんではなく、我々の経営資源をフルに活かせる独自のビジネスをしなきゃいけません。

―――ガンダム専用のアミューズメント施設なんかも考えられそうですよね

まあ、さまざまなIPでそういう事も考えられますよね。ネットワークが整備されたお陰でリアルとデジタルが繋がります。そのリアルの場、我々の自由になる場を持っているというのは強いんです。だから、これまでの事業や業界の慣習に流されずに、新しい発想で考えようよと皆には言ってます。

―――新しいプラットフォームという意味でVR(バーチャルリアリティ)も盛んに言われています。他社に先駆けてPlayStation VR向けに『サマーレッスン』を手がけているという経緯もありますが、どのように捉えていますか?

実は報告がありまして、VRを使った研究施設をオープンすることになりました 。
VR領域を開拓する「Project i Can」プロジェクトの一環として、「VR ZONE Project i Can」という研究施設を4月15日から10月中旬までの期間限定でダイバーシティ東京プラザにオープンします。ここでは6種類のVRアトラクションをお楽しみいただけます(紹介記事)。





―――それは素晴らしい取り組みですね。

ただ、VRは乗り越えないといけない課題も多いんです。連続して遊んだ場合の影響や、また、視界と耳の両方が塞がるリスク。様々な課題をどう解決していくのか、実験していく必要があります。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

+ 続きを読む

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら