【GDC2011】自分のゲームスタジオを持つにはどうしたらいい? | GameBusiness.jp

【GDC2011】自分のゲームスタジオを持つにはどうしたらいい?

野心のあるゲーム開発者であれば将来は独立をして自身でゲームスタジオを立ち上げたいと願うかもしれません。GDCの数あるセッションの中で幾つかそうした話題に触れたものがありました。最終日に行われた「Essential Steps to Starting a New Dev Studio in 2011」もそ

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野心のあるゲーム開発者であれば将来は独立をして自身でゲームスタジオを立ち上げたいと願うかもしれません。GDCの数あるセッションの中で幾つかそうした話題に触れたものがありました。最終日に行われた「Essential Steps to Starting a New Dev Studio in 2011」もそ
  • 野心のあるゲーム開発者であれば将来は独立をして自身でゲームスタジオを立ち上げたいと願うかもしれません。GDCの数あるセッションの中で幾つかそうした話題に触れたものがありました。最終日に行われた「Essential Steps to Starting a New Dev Studio in 2011」もそ
野心のあるゲーム開発者であれば将来は独立をして自身でゲームスタジオを立ち上げたいと願うかもしれません。GDCの数あるセッションの中で幾つかそうした話題に触れたものがありました。最終日に行われた「Essential Steps to Starting a New Dev Studio in 2011」もその一つです。

サンタモニカで法律事務所ジェームスIチャーネを営むジム・チャーネ氏はゲーム業界に深い造詣を持ち、IGDAで積極的に活動し、GDCでも多数の講演を行い、2006年にはMVPを受賞しています。ゲーム音楽家の団体G.A.N.G.(Game Audio Network Guild)のアドバイザリーボードのメンバーであり、AIAS(Academy of Interactive Arts and Sciences)の代表を務めた事もあります。業務ではゲーム業界の多数の企業に対してビジネス面からのアドバイスを行っています。

今回の講演は自分のスタジオを設立したいと思うゲーム開発者に対して主に法律やマネジメントの面からアドバイスがありました。ちなみにチャーネ氏は自身が拠点とし多数のスタジオがあるカリフォルニア州の法律をベースに話を進めていますが、米国は州によって法律が大きく違うので注意が必要です。

まず最初のトピックは「会社を辞める方法」です。学校を卒業して即、スタジオを立ち上げるのでなければ、今の仕事を辞めてから始めることになります。これは簡単なように見えて難しい問題です。例えば就業規則などで競業忌避規定が存在する場合があります。また、在職中に次の準備をしていた(例えばデモを作ったなど)場合、何かしらの権利を請求される可能性があります。こうした問題はカリフォルニア州では問題になり辛いものの、「在職中に具体的な制作に入るのは避けた方がいい。また"起業する"などとfacebookに書くものではない」と話していました。

続いて起業メンバーの話です。創業者と従業員という形だけでなく、創業者を共同創業者という形で複数置く場合があります。また、誰が出資するという問題もあります。チャーネ氏はいずれも「利害関係者は少ない方がいい」と言います。関与する人が増えれば増えるほどマネジメントは困難になります。共同創業者を置く場合も、誰がどのような義務と権利を持つのか明確に契約書を結ぶべきだということです。「これはビジネスだ。趣味や遊びではない」とチャーネ氏は講演中、何度か繰り返しました。

続いて実際の会社設立です。日本では株式会社がほぼ全てですが、米国ではLLCやS-Corp、C-Corpなど幾つかの形態があり、株式を発行できるか否か、税制も異なるようです。外部の投資家を受け入れる場合はそれなりの組織と書類が求められます。また、どの州で設立するかも重要です。大企業でもデラウェア州に登記している会社は多く、ここは経営陣の権利を強く認めることで知られています。また、ネバダ州では税金が優遇されます。アドバイスをくれるような公的な場所は多く、ネットではなく足を運ぶことをオススメしていました。

会社という器ができればスタジオのスタートです。一人でやる以外は従業員が必要です。雇用も難しい問題です。正社員に当たるEmployeeと契約社員のようなContractorがあり、後者の場合は開発したものの権利などを契約書で明記する必要があります。いずれにせよ起業家にとって最も避けなければならないのはお金が無くなること、つまり給料を払えなくなることです。しかし逆にチャーネ氏は「お金が無くなる以外の失敗はいつでも取り返せるし、ここアメリカでは1度や2度の失敗は許される」と強調していました。

スタートアップはどうあるにせよ業界にとって新しい血でイノベーションの源です。そして今日のスタートアップが明日のメガ・ヒットメーカーを生み出します。チャーネ氏は「誰でも例外なく、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブスも今のあなた方のような立場からスタートしたのです」と会場に集まった(心なしか他のセッションより若い)多くの聴衆を鼓舞していました。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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