国内電通グループの電通デジタル、電通、セプテーニ・ホールディングス、電通総研、イグニション・ポイントら5社が、AI活用・開発の中核を担う横断組織「dentsu Japan AIセンター」を発足しました。
同センターは約1,000名の専門人材を擁し、AIに関する技術・データ・人材・知見を横断的に結集した体制を構築した組織です。電通グループのAIネイティブ化を牽引するとともに、顧客企業のAI開発・導入・活用支援も重要なミッションとして位置づけています。
設立の背景には、AIの活用に課題を抱える国内企業が多い現状があります。近年、AIは業務効率化にとどまらず、企業の経営や組織そのものを変革する存在へと進化しており、多くの企業が「AIネイティブカンパニー」への移行を加速させています。一方、国内では、AI導入が部門単位で進められる傾向があり、全社視点での戦略や体制整備が課題となっているケースも少なくありません。
こうした状況を踏まえ、同グループではAIを「企業変革の中核」として位置づけ、経営層・事業部門・管理部門・技術/開発部門が一体となって推進する「センター・オブ・エクセレンス(CoE)」として同センターを発足させました。
同センターは6つの専門ユニットで構成されています。「AI業務効率化ユニット」では社内業務でのAI活用を通じた生産性向上を推進。「AIマーケティング&クリエイティブ高度化ユニット」では人とAIの掛け算でマーケティング&クリエイティブの全プロセスを高度化します。

「統合マーケティングAIエージェント開発ユニット」では複数のAIアプリケーション群をつなぎ、マーケティングの全プロセスを統合的に支援するAIエージェントを開発。「AI・データインフラ強化ユニット」では独自の大規模生活者データに基づくAIモデル「People Model(一億人規模のAIペルソナ)」など独自のAIデータインフラを強化・拡充します。
「AIマーケティングトランスフォーメーション(AIMX)ユニット」では顧客のマーケティング業務におけるAIエージェント開発・導入を支援。「AIトランスフォーメーションユニット」では顧客のバリューチェーン全領域でのAIエージェント開発・導入支援に加え、AI人材育成や組織・企業文化の変革も支援します。
dentsu Japan AIセンターは国内電通グループ内の「dentsu Japan AIガバナンスコミッティ」と連携し、従業員を対象として適切なAIサービスの利活用を促す環境整備や支援を実施。大学などの研究機関との共同研究結果を生かす技術開発なども推進していきます。
国内電通グループは同センターの発足を機に、AIを活用した企業変革をさらに加速し、顧客と社会に新たな価値を提供する「AIネイティブカンパニー」への進化を目指すとしています。