【フェスティバル・オブ・ゲームス】新しいデバイスのゲームに必要なユーザーテストとは・・・SCEの事例 | GameBusiness.jp

【フェスティバル・オブ・ゲームス】新しいデバイスのゲームに必要なユーザーテストとは・・・SCEの事例

おもしろいゲームを作るためには、どのようなユーザーテストが必要でしょうか? それもモーションコントローラーなどの、まったく新しいデバイスで。

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おもしろいゲームを作るためには、どのようなユーザーテストが必要でしょうか? それもモーションコントローラーなどの、まったく新しいデバイスで。
  • おもしろいゲームを作るためには、どのようなユーザーテストが必要でしょうか? それもモーションコントローラーなどの、まったく新しいデバイスで。
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おもしろいゲームを作るためには、どのようなユーザーテストが必要でしょうか? それもモーションコントローラーなどの、まったく新しいデバイスで。

フェスティバル・オブ・ゲームスで3日(現地時間)、SCEワールドワイドスタジオ・ヨーロッパのデイビッド・ティセランド氏は、この古くて新しい問題に対する、SCEの過去15年間にわたる取り組みについて語りました。ティセランド氏はシニア・ユーザービリティ・スペシャリストとしてヨーロッパで日夜、最前線で活躍している人物です。

SCE デイビッド・ティセランド氏


なお、ここでいう「ユーザーテスト」とは、いわゆるデバッグのことではありません。開発段階のゲームをユーザーに遊んでもらい、難易度や遊びやすさのチェックなどを行う過程を指しています。いわゆる「フォーカステスト」の一環とも見なせるでしょう。この厚みがゲームの最終的なおもしろさを決めると言っても、過言ではありません。

さて、ティセランド氏によると、SCEのユーザーテスト体制は96年、まず日本からスタートしたそうです。というのもPS1の立ち上げ時、SCEがめざしたのは「より幅広い客層の開拓」だったからです。そのためユーザーテストにも当初から力が入れられていました。
しかし、あくまで国内向けの一部タイトルに留まっていました。

これが海外に広まる転機となったのが、97年の「クラッシュ・バンディクー2」です。前作の遊びにくさを徹底的に改良するため、国内で開発段階における念入りなユーザーテストが実施されたのです。その結果はマーク・サーニーを中心とした開発元のノーティドッグに逐一送られ、実装されました。チェックポイント間のチャレンジ数を減らす、チェックポイントを増やす、1ステージが20分以内でクリアできるようにする、などはユーザーテストの結果から導かれたと言います。

「クラッシュ・バンディクー2」が転機に。テストルームの整備。標準フォーマットの確立。


この「2」が日本を含む全世界でヒットしたことから、開発工程にユーザーテストを組み込む動きや、そのノウハウがインソムニアック・ゲームスをはじめ、北米のセカンドパーティにも広まっていきました。その過程で「ゲームをプレイテスト」「チェックシートに回答」「参加者でフリーディスカッション」といった標準工程が確立されていきます。また「プレイヤーはゲームで行き詰まった時に隣のモニタを覗きがちなので、机と机の間に仕切りをつける」「プレイの観察が困難なので、プレイ動画をビデオに撮って、後から計測する」などの工夫が行われていきました。

中でも重要なのは、あるステージのどの地点でプレイヤーが何回ミスしたかの死亡データです。これも昔はスタッフがビデオを早送りしながら、いちいち紙のマップに手で印を付けていました。その後、自動的にメモリーカードに記録されるようなシステムが開発され、現在はネットワーク経由で自動的にミス地点データが収集されるようになりました。その結果が「アンチャーテッド」ゴッドオブウォー」といった大成功に繋がっていると言います。また、この体制は03年にSCEヨーロッパに受け継がれ、後に「キルゾーン2」「リトルビッグプラネット」といったタイトルの開発に大きく貢献しました。

最初は手書きで記入。メモリーカードで自動集計。ネットワークで自動集計。


ただし、03年はもう一つの転機だったとティセランド氏は語ります。なぜなら03年はモーションコントローラーの先駆け「EyeToy」が発売された年だからです。その後も04年に「シングスター」、05年に「Buzz!」などと、新しいデバイスを備えた、カジュアルで社会性のあるゲームのタイトルが続きました。これらは、いずれもSCEヨーロッパで開発されたゲーム群です。こうしたタイトルをテストするために、まったく新しい手法を創り出す必要があったのは、言うまでもありません。その結果、世界で最も先進的なノウハウが欧州で培われていきました。ティセラント氏は次の6項目を学んだと言います。

Eye Toyはユーザーテストを変えた。従来のテストルームでは対応不可能。続々登場する新ペリフェラル。


1:ターゲットとなるユーザーを正しく選定すること
「Buzz!」のユーザーはコアゲーマーではありません。8歳の少女向けのゲームなら、8歳の少女をユーザーテストに呼ばなければなりません。「シングスター」の最初のユーザーテストでは、父・母・姉・妹という4人家族で行われました。その結果、父母と娘たちで曲の嗜好が異なることが、改めてわかりました。

2:キッズユーザーは友達同士で呼ぶこと
子どもを対象としたユーザーテストでは、必ず友達同士をグループにして行うことが大事です。というのも子どもは常に大人の視線や行動に強迫観念を抱いているからです。一度、子ども1人でユーザーテストを実施したところ、泣き叫ぶばかりで、まったくテストにならないことがあったそうです。

3:社会性のあるゲームは友達や家族同士で行うこと
「2」の応用編です。見ず知らずの他人を集めて社会性のあるゲームをテストしても、すぐに打ち解けられるとは限りません。そこで、そうしたタイトルでは事前に説明しておき、友達や家族同士で参加してもらうようにします。

4:テストルームをリビング風にすること
カジュアルなゲームでは、テストルームの改善も必須です。特に体を動かして遊ぶゲームでは、空間の確保が重要です。そのためにはテストルームをリビング風にしつらえて、マジックミラーごしに観察するといった、大がかりな施策が必要になります。

5:ユーザーの自宅でテストする
実際のリビングには、さまざまな物が乱雑におかれています。そこでタイトルによっては、ユーザーの家にお邪魔して、そこでテストを行う必要があります。PSPに専用カメラを接続し、マーカーを読み込ませてプレイするARゲーム「Invizimals」では、色の判定範囲を調整するために、ユーザー宅でのテストが行われました。

6:ユーザーに機材を貸し出してプレイする
ダイエットゲームなど、1日に少しずつ、長期にわたってプレイするようなゲームでは、
根本的な改革が必要です。時には開発中のソフトを機材と共に、信頼できるユーザーに貸与して遊んでもらい、自身で記録してもらうなども必要になります。実際に「EyeToy Kinetic」は、この方式でテストが行われました。

ターゲットの選定は正しく。子どもは友達同士で。家族連れ、友達連れで参加。
リビングルームを作ろう実際の環境でテストしよう。時には貸し出す必要もある。


このように周辺機器の増加とユーザー層の拡大に伴い、さまざまな工夫が行われてきました。現在SCEでは、USBカメラ「PlayStation Eye」と組み合わせて操作する「PlayStation Moveモーションコントローラ」と対応ソフトを鋭意開発中ですが、そこでもまた、さまざまなユーザーテストが行われているであろうことは、想像に難くありません。こうした大規模なユーザーテストは、まさにプラットフォームホルダーならではの施策ともいえますが、各社でうまく取り入れて欲しいところです。
《小野憲史》

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